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私が読んだ本や映画を紹介するね。厳選してるから読んでみて。ここから買いにいけるからね。

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AKIの書籍

 欲望と幻想の市場

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私がずーーーと昔取り上げてから業界で広がった書物である。私は8年前に読んだ。ボロボロである。アマゾンだと3.5点程度の評価と低い。私は5点満点☆☆☆☆☆である。

<この本の読み方>
1.通読
2.赤ペンとともに読む
3、もう一度読む

半年ごとで良いと思う。良いものは何度か読まなければ本の訴えてくるものを感じ取る事はできない。そこまで読んでから考える最後の結論は、【彼は彼。私は私。決して真似はできない。私はリバモアにはなれない。私は私の道を究めないとならない。】 ということだった。

 

 バブルの歴史:エドワードーチャンセラー

 AKI評価:☆☆☆☆☆

7年前の名著だ。チューリップ恐慌からインターネット投機へという副題。英語版が出版されたのは1999年。執筆は1998年だ。インターネットバブルが崩壊したのが2000年春。金融、証券に携わる者には必須の著と思われる。多数の人に読まれている。日本で出版されるまでに日がたっているね。まさにインターネットバブル崩壊の2000年4月に発行されている。日本のバブルについても詳しく分析されている。今、世界は過剰流動性に囲まれ、あちこちでバブル現象が目立つようになっていると言われている。その盛りにこの本を読むことは大事な事だと思われる。私は2回読んで、線ばかり引いてあるが、もう一度読もうと思っている。少なくとも現在のバブルがどの程度まで進んでいて、どの辺に位置しているのか知るには有用である。おぼろけながらわかるだろう。この本は個人投資家も読むべきと思う。翻訳がわかりやすいから難儀だと思わない。
 

 ルービン回顧録

 AKI評価:☆☆☆☆☆

なんと私にしては珍しく読破するのに日数を費やした。3ヶ月かかってしまった。ルービン氏を尊敬する金融関係の人々は多い。私もその中の一人である。だからこそ、彼の書いたものを読まなければならないと思ったのである。ただし、私は政治的な事に全く無関心なので、ホワイトハウスの内部の事とか、政治的立案というような箇所で1週間に3ページほどしか進まなかったのである。だが、さすがに金融関連の分野になると示唆に富むコメントが多く、大変に有用だった。本は3360円もして、530ページにわたる分厚い本である。うちの若い者が読んでみたいというので、政治的な、そしてアメリカの議会関係の箇所は飛ばして読むなら良いだろうと答えた。あの部分は、日本人にはわかりにくいところである。翻訳にも問題があると思うが、意訳はできなかったのであろう。私は後半の半分は一気に読み終えた。大変に示唆に富む箇所が多く、さすが世界の金融マンが尊敬するだけの人物だと思ったのである。
 

 灰谷健次郎氏 (兎の眼

 AKI評価:☆☆☆☆☆

灰谷健次郎氏が亡くなったね。大変に苦労して大学を出て教師になった人であるが、1974年発表の「兎の眼」はいたく感動して、銀行時代に部下たちに回し読み的に貸した。「太陽の子」「天の瞳」も良いが、「兎の眼」はダントツである。今の子供たちは読むべきだし、今のすっかり激変してしまった日本社会と日本人は皆読むべき必読の本だと思う。32年たった今でもあの本は金字塔である。
 

  「夢をかなえるゾウ」水野敬也著。飛島新社。2007年。1680円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

以前ここで推薦したことがある。アジアでガネーシャの木彫りまで買ってしまった私は再度読もうと思って書棚を探したのだが、行方不明。仕方なしに、新たに買った。 まあ、つまり、2度目の読みとなるのだが、読めば読むほど奥が深い。私はもう残り人生そんなに長くないから、特別に極めたいとは思わないのだが、自分の人生を現状から変えたいと思っている若い連中、若いといっても50歳以下は皆若いのであるが、この人たちがこの本を読まないとか、読んでも実行しないとなると、これは現状維持で満足、自分を変えたいとは思っていない、としか思えない。 つまり、50歳以下の全員必読の書である。日本の大学生など勉強しないと聞いているから、大学もこの本を教科書にするのが宜しい。新卒が就職できないとかビービー言ってるが、そういう連中もこの本を最初に読むのが当然だろう。読む読まないで大違い。読んでそのままと読んで実行するでは、さらに大違い。読んでない人は騙されたと思って、しっかり読みなさい、ときつく叱るのであった

 

 失敗の本質

 AKI評価:☆☆☆☆☆

日本海軍の研究が好きだった私は、その当時から、たくさんの太平洋戦争の本を読んでいた。学生時代の日米関係を意識した日々の経験がそうさせたのだろう。ほとんどのその類の本は読んでしまったので、もう読む本はほとんどない。戦国時代の信長の頃の本もほとんど読んでしまっているが、これも相場の仕事が戦いの仕事ということが本質的にあり、戦略や、機略を練るのに、戦国時代の武将の考え方がきわめて役に立った。と言うか、役に立てようと思っていた。

スイス銀行の副支店長の浜田さんまで私を説教するのにビルマ戦線の戦いの経過などを例えにするものだから戦記物は私とはきってもきれないものなのだ。若いデイラーの人は戦略思考ができるようになるから、読書だけはした方が良い。勧める本として一番の名著は、「失敗の本質」だろう。この本の内容についていろいろ書いても良いのであるが、やはり自分で読んでもらったほうが良い。私は赤線まで引いて4度読み直したくらいである

 

 「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也著。新潮社。2730円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

本屋で見かけてからずっと気になっていた。えらく分厚いからね。47人中、2名だけ☆2個。この二人は何を考えているのか理解不能。それでもって、本屋で買ってしまったのだ。参ったね。単なる柔道史かと思ったらとんでもない。事実は小説より奇なり、そのまんま。

15年不敗、13年連続日本一、日本柔道史上最強の男が背負った哀しき人生という副題がついているが、そのとおりであった。3年間にわたる格闘 技の雑誌に掲載されたものだが、この著者のエネルギーと膨大な取材量に頭が下がる。なぜ、日本柔道が勝てなくなってしまったのかもよく理解できる。昭和は 男の時代、平成は女の時代と書いてあったが同感だ。

私のガキの頃の記憶には力道山しかないし、彼が殺された新聞の一面記事とか覚えている。木村の名前はかすかに覚えている程度だった。どうして、 木村政彦の名前が私の脳から消えていたのかよく理解できた。武道をやっている人たち、柔道をやっている人たち、いや、日本男子全員が読むべき本だろう。 2730円は決して高くない。私は高くこの作品を評価する。

 

 「小さいおうち」中島京子著。文芸春秋。1660円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

以前本屋で立ち読みして買っておいた本だ。読んだ。読後、ダブルファンタジーが賞三つなら、これは賞10個と思った。それで本のカバーを外したら、なんと直木賞受賞作であった。なるほど、これが直木賞かと納得した。

素晴らしい。文句なし。感性のある人なら皆何らかの感動を受けるだろう。ホロ酸っぱい、妙になつかしい、暖かい、読後感がドシンと来る。アマゾンの☆をみたら、ひとつとかふたつの人がいるね。信じられん。あの時代の別の側面を見た。これはもしかして反戦小説ではないのか?私は、美人の時子奥様、女中のタキさん、ぼっちゃん、板倉君に会ってみたい。感動をありがとうと著者にお礼を言いたい。

 

 「ヘッジホッグ」バートンビッグス著日経。2500円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

望月衛という人が翻訳しているが、訳もうまいので読みやすい。私はこの本が1万円でも買うね。私は読んでいて自分の事のように感じたよ。読むべき人は、人の金を運用している人、運用させている投資家である。個人投資家や銀行のディーラーは読む必要はないと思う。読んでもいいが、読む利点が大きく違う。人のお金を運用していること、自分のお金で運用している個人、銀行のディーリングルーム、皆、同じ相場を見つめているのだけど、それぞれ全く違う角度で見ている。つまり、世界が全然違うのだ。個人投資家は誰に報告する義務もないし、四半期も年度末も何も気にしなくて良い、孫の代まで持ち越しても自由だ。銀行のディーラーは銀行がバックにいるから内規のポジションと損益リミットさえ守れば殺される事はない。良い悪いでなく、似て異なるものと思えばいい。私の書評は☆☆☆☆☆である。
 

 「ワシントンハイツ」GHQが東京に刻んだ戦後。秋尾沙戸子著。2009年初版。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この本は、日本エッセイストクラブ賞を受賞している。確か、この著者がラジオに出演していて、相場みながら聴いていたんだよね。それで興味深々となって購入した。受賞するだけの著書である。座布団5枚。非常に丁寧に取材を重ねて、調べたことがよくわかる力作である。老若男女を問わず、是非とも読んでもらいたい。久しぶりに読後感がいい。

 

 トレイシー:日本兵捕虜秘密尋問所:中田整一著。講談社。1890円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

衝撃の事実。事実は小説より奇なり。この二つの国民性を冷静に眺めてみれば、また戦っても負けることは必定。この1年で読んだ本のトップ3に入れたい。丁寧な取材と調査をして執筆された著者に敬意を表したい。

 

 写真で読む 僕の見た「大日本帝国」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初からランキングをつけよう。☆☆☆☆☆である。おじんの私より、特に若い人に是非とも読んでもらいたい書物である。写真が満載されているので、多分読みやすいと思われる。丁寧な取材と正直な感想に好感が持てる。1680円と高いように思えるかも知れないが、3000円の価値はあるだろう。著者はまだ36歳と若い。最初の大日本帝国地図を見れば、わが国がどのくらい大きなものだったかわかるだろう。そして、その広大さゆえに防御もままならず、米軍にドテッパラをやられたのもわかりやすい。中国、朝鮮などといろいろな確執がいまでも残る。だが、我々の先祖がやってきたこととは言え、我々は過去の事実から目を離してはならない。読後、正当化したり、慙愧の思いなどする必要はない。そんな気分にならずに、素直に歴史を直視できるようになると思う。久しぶりに読み応えがあった。
 

 「誰も国境を知らない」西牟田靖著。情報センター出版局。1785円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

彼の本は2冊目だが、期待して読んだ。期待通りの作である。5年の歳月をかけた丁寧な取材にもとづいている。日本人に国境を考えさせる力作である。

この本に出てくる国境とは、北方領土、沖ノ鳥島、竹島、対馬、硫黄島、小笠原諸島、与那国島、尖閣諸島である。私の知らない事実も多く、目を開かせてくれた。是非とも多くの人に読んでもらって、日本国のことを再考してもらいたい。読み応えがあり、厚い割にはスイスイと読める。

 

 阿久悠(ラヂオが秀作)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

阿久悠。まさに巨星落つという感じ。ショックだなあ。すげええ尊敬していたんだよね。いろいろ報道されているから詳しく書くこともないだろう。最初に彼をテレビで見たのは、20代の頃で、日本テレビのスター誕生だった。ももえたちがデビューした番組だ。言いたい放題の厳しいコメントを出す人だった。きついおっさんと思っていたが、そのうち、彼が一番まともなことをまともに語っているんだよね。一本筋がきちんと通っていた。さすがにこの人、只者じゃないなあって思ったもの。彼の作った歌はほとんど大好きなんだけど、彼の書いたエッセイなどが大好きでね、ほとんど読んだ。本では瀬戸内少年野球団も良いのだが、ラヂオが秀作だったと思う。あの本は本当に良かった。彼が書いたというだけで買ってしまったのだけど。彼の夢が直木賞をとることだったと書いてあったけど、あげれば良かったのに、資格十分だよ。そういうわけで、惜しい人を亡くして、また時代の変化を感じる。
 

 「滄海よ眠れ 1―ミッドウェー海戦の生と死「記録ミッドウェー海戦 沢地久枝著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

うーーん、押し入れにしまってあるはずだなあ。びっくり。中古で7000円もする。後者は13000円だ。彼女の本は多数読んでいる。全て残してあるはずなんだ。文庫本はそれほど高価になっていないから、探して買うといい。彼女が深夜便に出ていたので話を聞いていた。すごいよなあ、日米の参加者ほぼ全員とコンタクトして10年以上かけて書いたのかな。確か。驚いたのが厚生省の話。日本軍人の戦死者数を聞いてもそういう記録はないからわからないと返事をもらったそうだが、それで彼女が正確な日米の戦死者数まで調べ上げるんだけど、思ったよ、この国って本当に人の命を粗末に扱うよね。いったいなんだってんだ、と感じる。生き残った日本軍人の多くが敗戦を隠すために一か所に集められて一番危ない戦地に送り込まれるんだよ。すごく感銘を受けた本なので是非読んでもらいたい。
 

 「大本営参謀の情報戦記」情報なき国家の悲劇。堀栄三著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

名著である。できたら文庫本でなくハードカバーで読みたい。初版は1996年だが、何かの書評でえらくほめていたので買い置きしておいたと思う。

現在の日本にもまさにあてはまる話で、これはもう国民性ではないかと思わせる。大本営作戦課の会合に情報参謀は参加してないんだよね。海軍も同じ。戦後のアメリカの分析でも日本の情報に対する甘ちゃんぶりが敗因の一因としてあげられている。007はやはり英米なんだなあ、と思わせる。後半に行けば行くほど深みのある本として光ってくる。それにしてもアメリカは大正10年にすでに太平洋の飛び石作戦を立案していたとは、もうまさに驚き。名著なので、日本男児全員読むべし。情報戦略を日本男子ができないなら、大和なでしこに任せた方がいいのではないか?衝撃の本であった。

 

 真珠湾攻撃総隊長の回想ー淵田美津雄自叙伝(講談社)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2000円近い本だが、その価値はある。ハワイ奇襲の360機の大編隊を率いた隊長である。映画トラトラトラでは、田村高広が演じていたので覚えておられる人も多いだろう。帯に書かれているのは、あの戦争はなんだったのか。真珠湾攻撃の総指揮官として太平洋戦争の期間、武勲を誇った海軍軍人。その心中では日本海軍の欠陥に早くから気づいていた。戦後はクリスチャンに回心、伝道者としてアメリカを回る。歴史の真実と個人の煩悩とを正直に明かした異色の回想記。史実の書き換えを迫る貴重な書であるとなっている。

私の印象は、数奇な人生という一語だ。結構な数の戦記物を読んできているが、今までの本とはまったく違う。前線にいた人ならでは話が多く、知らないことも多かった。山本元帥を凡将ではないかと疑っているところなど興味深かった。真珠湾攻撃が終わった後、機動部隊はインド洋まで遠征し、英艦隊を撃滅させたりしているのだが、それからウロウロとソロモンのほうに行ったりして、ミッドウエー海戦までの半年が私にとっては不可思議な時期だった。ラバウル空襲など、爆弾を落とす相手もいなかったのだそうだ。こんな道草を食っていていいのだろうか?と彼は疑問を投げている。私が思ったとおりのことを彼も当時思っていたのである。彼は、真珠湾の後、米空母群を見つけて、撃滅すべしと考えていたし、南雲長官に対する不満が書かれている。真珠湾の後、すぐに米西海岸を攻撃すべきだったと述べている。米軍が萎えているときに一気に米国民の戦意を喪失させるべく攻撃続行をすべしと疑問を投げかけている。

アメリカの東京初空襲の日本の軍部に与えた衝撃の大きさも書かれていて、それがその後の作戦の失敗につながっていくことなども書かれている。彼は日本海軍の提督たちは凡将が多いとしている。勝負度胸に乏しい、しつこさがない、歳をとりすぎて経験が邪魔をして石橋を叩いて渡る、勝てる戦を前にさっさと引き上げた南雲提督やソロモン海戦の三川提督などを批判している。若返りが必要として海軍大臣に談判にまでいっている。

まあ、そんな調子で読み飽きない。彼は戦後クリスチャンの牧師になるわけだが、あれだけの数奇な運命を歩めば誰でも宗教に入っていくだろうと思う。私は今までどうあがいても絶対にどっちみちアメリカにはかなわなかったという考えだったが、勝てたかも知れないと、この本を読んで初めて思った。もちろん、山本元帥の想定したアメリカ人の戦意喪失ー和平交渉が成功したと仮定しての話ではある。
 

 「ワーキングプア」ポプラ社。1200円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

いろいろ賞をとった作品だ。テレビドキュメンタリーで2006年7月と2006年12月に放送されたものを本にしてある。働いても働いても豊かになれない、努力すれば抜け出せますか、というような副題となっている。私はテレビのほうを見た時、衝撃だった。これは格差社会とかいうものでなく、日本に初めて出現している社会現象だと思う。

人は言う。ちゃんと仕事探していないんでしょ、努力していないからだ、自己責任だ。その人たちに問いたい。ここに扱われている人たちに処方箋を作ってやってくれ。1日8時間働いて月に8万円しかもらえない社会が現実として存在している。批判する人たちは現実を直視したがらないから、ドキュメンタリーも本もみない。だが、中には大企業のサラリーマンだった人までいるのだ。いつ、自分たちに降りかかる災難なのかも知れないのだから、ひとごととは考えないほうが良いだろう。これは日本人全員が読んで、将来の事を考えるべきである。
 

 「菊とバット」ロバートホワイティング著

 AKI評価:☆☆☆☆☆

77年の同著の完全版とはなっているが、実際にはそのままプラス多少追加という感じだ。77年はディーラー2年生だったからわからなかったが、今回読んでみて、日本からディーラーが輩出しない理由がよくわかった。日本の金融機関に勤める者は必ず読むべきものだと思う。いろいろな答えが日本の昔の野球に現れている。この著者が「東京アンダーワールド」の著者とは気がつかなかった。この本が面白いはずである。
 

 あ・うん:神社の狛犬二頭なんだけどね。向田邦子の作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

映画もいろんな役者が演じてきている。私はテレビドラマのフランキー堺と杉浦直樹のものを鑑賞した。映画をみてもいいけど、やはり本を読むのが先だろうね。本の方がいいに決まっているし。男同士の友情を描いているんだけど、なんともほのぼのした作品で、日本人なら皆理解すると思うよ。若い人は読んでないと思うけど、DVDでも本でもいいから、絶対にお勧め。
 

  「向田邦子ふたたび」文芸春秋。720円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

死後30年も経過するのに、いまだに人気が全く衰えない。これはすごい。この本は去年の7月に発行されている。皆、彼女が好きである。皆、彼女の執筆したエッセイが好きである。皆が彼女のドラマシナリオが好きである、皆が彼女の小説が好きである。私も大好きである。文章全体から流れてくる匂いがすごく良い。向田邦子ファンには、たまらない思い出集だ。若い人も読むといい。どうして彼女の人気が衰えないのか、わかるだろう。写真も豊富。山本夏彦の選んだベスト5エッセイも掲載されている。

 

 「父の詫び状」向田邦子著。文春文庫。530円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

彼女のエッセイは好きなのだが、読んでいるうちに、私は、テレビドラマの多くを思い出していた。そして、久世光彦氏(富山出身)の存在感の大きさを思い知ったのである。この二人の共同作業みたいなものが、あの優れたドラマを多く輩出したのだと思う。そういうことを頭に描きながらこの本を読むのが良いだろう。
 

 「向田邦子の恋文」向田和子著、新潮文庫、362円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

そう、私は向田邦子の大ファンなのである。彼女の作品のドラマは全部観てきている。そして、あの何とも言えない味が大好きである。彼女が飛行機事故で亡くなった時のこともよく覚えている。

ある女優がこの本の事を書いていたので、すぐに買った。温かさの中に残るせつなさと書いている。彼女の秘められた恋のことが書かれている。「誰かさんみたいに、こなくても平気だよ、なんて、ひどいことはいわないもん」彼の方は、「邦子はコタツで横になって満足そう。ふっと可哀想にもなったりする」

彼女の恋は悲しい結末を迎えるのだが。いやー、こんなかわいい女いないなあ、と思うのだ。この本には彼女の生前の写真が何枚か出ている。なるほど、辛い恋や家庭環境からあのようなエッセイや書が書かれたのだな、とすごく納得する。これを読んで、さらに向田邦子ファンになってしまった。ちなみにこの女優は、胸が苦しくなると結んでいる。よく、わかる。あまり繊細でないひとは読んでもわからないかも知れない。彼女のファンには必読書だろう。

 

 「寺内貫太郎一家」 向田邦子著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

本屋に立ち寄った時に買ってしまった。なんでも今は向田邦子ブームの再来のようで、ファンの私としては嬉しい限りではある。それで、コーナーもあったのだ。テレビドラマは昔たまに見ていた。今でも時々なつかしい映像が流れたりする。彼女のデビュー作であるが、未完だったということで、後半半分は鳥兎沼佳代という人が書いている。途中から文体が違っているので気がついたら、そうなっていた。これを付け加えて完本としたことが良いのかどうかわからない。私はそのままのほうが良かったような気もするが、それは読者自身の考える事だろう。昭和ノスタルジーとして楽しく読める。座布団5枚。
 

 「アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか」佐藤唯行著。新潮文庫。438円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

438円でこんなに知識ゲットしていいの?って感じ。友人に強く勧められて読んだ。ユダヤ恐るべし。アメリカの政界は完全に牛耳られている。マネーで首根っこ抑えられている。なんでユダヤ人が強欲なのかよくわかったよ。金が必要なんだよ。大金が。全ての寄付と動員は、対イスラエル政策を縛りつけるため。

しかし、ユダヤ人の人脈というのはすごいなあ。いるわいるわ。全米トップ100人の大富豪の内、ユダヤ人は30人だよ。オラクル、ブルンバーグ、デル、グーグル、マイクロソフト(パルマー)、ソロス、レブロン、ドリームワークス、ラスベガスサンズ、KKR,ラルフローレン等々。

中東和平はありえないね。中東和平をやる議員や大統領は必ず刺客を送られて落選させられる。小泉さんの30年前からやっている。私がアメリカにいた頃、ユダヤ人はそれほど力を持っていなかったのだが、いまや彼らの活動を知らずしてアメリカの外交政策は判読できないね。私がここでいろいろ書いても仕方ないので一読を勧める。なるほど、ヒットラーの政策はユダヤ人を恐れてのことだったのかも知れんと思うのである。 目からウロコ。

 

 プリンセスマサコ:ベンヒルズ著ー藤田真利子訳。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

まず翻訳がすごくいいね。わかりやすい。外人でないとこの本は書けないと思ったよ。皇室報道はほとんど海外が主体で本物で、日本のマスコミは宮内庁を恐れて無視したりするのを初めて知ったよ。出版社も第三書館というあまり聞かないところだ。それでも三省堂では山積みにされていたけど。大手の出版社は尻込みして出せないとわかる。帯に書かれているのは、これはひとりのきわめて有能な女性が被害者となった人権喪失の記録である。加害者は私たち日本人すべてである。宮内庁猛反発の日本の皇太子妃の悲劇的な真実、遂に邦訳出版なる。裏表紙では、プリンセスマサコの真実:検閲された雅子妃情報の謎。幻の日本語版で葬り去られた百数十箇所の闇。読まれたくない雅子妃情報をコントロールしたものは?などとなっている。

私には衝撃的な本だったね。あまり知らなかったし、というか、知らされていなかったし、何ともすごい世界が現実にあるのだとわかって驚きだよ。日本人皆が読むべきだね。鬱病という病気の怖さも初めて知った。あれは世界ではきちんとした病気と認定されているのに、日本ではこの10年でやっと病気と認められたらしいね。世界で売れている薬が日本では売られてないんだってさ。リリー社が一番有効な薬を作っているらしいが、日本には申請もしなかったらしい。売れないと考えたみたいだ。日本の自殺者の数が異常に多いのも実際には生活苦ばかりでなく、鬱病が原因というのが多いみたいだよ。日本では精神的な疾患を恥と見るようで認知度が異常に低い。だから、精神科のレベルは世界的に相当に低いレベルらしいよ。精神病院での入院日数も欧米では10日前後が平均らしいのだが、日本では360日だってさ。まあ、いろいろ考えさせられるよ。読むといい。それにしても、私は皇太子が好きになったね。彼はナイスガイだと思うね。
 

 「本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること」須田、矢部、前泊の三氏の共著と写真集。書籍情報社刊。1365円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

お客さんのI氏が読んでくれとプレゼントしてくれた本である。感謝している。写真家や著者たちも行くまでは詳しく知らなかったそうである。

私にはどうして沖縄はデモだ、集会だ、何でも反対だ、ばかりやっているのか不思議であった。私は沖縄に行ったことがない。沖縄に行った人は皆きれいなところだと言う。この本で知ったのであるが、ハワイの年間観光客が700万人で、沖縄は600万人なのだそうだ。米軍基地は風光明媚なところにばかりあるから、基地がなくなれば、ハワイをしのぐ観光地になる可能性を秘めているらしい。

それはそれとして、私はこの本を読みながら、あまりにも自分がこの歳になるまで、事実を知らなかったことを恥ずかしいと思ったのである。そして、日本本土で読まされたり、聞かされたりしているマスコミの報道していることが、いかに真実を捻じ曲げて伝えているのかということを知ったのである。だからこそ、事実を知りえなかったのである。衝撃の事実がボロボロ出てくるので実に驚いた。ほとんど証拠のある話なのである。

鳩山元首相が、沖縄の事で大事な話があるとして、外務省と防衛省の上級幹部を二人ずつ呼んで、会合を開いた。そして、そこでの話はまだ、極秘としておくように伝えたのである。ところが、翌日、会合の内容は新聞に暴露された。そう、外務省や防衛省の中にはアメリカのスパイみたいな官僚たちがいるのである。そして、鳩山元首相も細川元首相も、アメリカに外堀を埋められて、退陣に追い込まれたのだそうだ。そんな報道あったっけ?そんな感じはしていたが、まさかのことで、事実なのであった。放映中のNHKドラマの「吉田茂」の頃とさして変わっていない。

沖縄の米軍基地の規模、すごいね。あれじゃ、沖縄人たちが怒るのももっともだし、本土の人たちが、沖縄の人には我慢してもらわないとなんて語るのはやはり許されないね。完全に治外法権だ。最後の結末と言うか、結論と言うのはここでは書かない方がやはり良いだろう。沖縄の実態を知ったことにより、私は日本がまだ本当の意味での独立国でないことを思い知らされた。本土の日本人は全員が読むべき本であると考える。そして、沖縄の事を考えてあげるべきである。遠くに離れてみていて、沖縄の基地問題を語ってはいけない。

しかし、昨日も書いたけど、アメリカも尖閣で中立なんてよく言うよ。中立なんてありえないくらいの基地の規模の大きさだよ。日本の国会議員たち、民主党だね、大人数で小沢氏に引率されて中国詣でを以前やっていたけど、順番が違うよ。国会議員たちは全員で沖縄の米軍基地を観察に行くべきだ。何?議員の数をリストラしていないから、旅費が賄えないって?

 

 「レイテ戦記」 (

 AKI評価:☆☆☆☆☆

大岡昇平氏による有名な反戦文学の頂点にたつ作品である。長編ドキュメンタリーである。8万5千人の日本兵が死んだのであるが、大岡氏はレイテ戦に召集され、捕虜になっている。つまり、実体験にもとづいた書かれた一般兵士のものである。

本はずいぶん昔に読んだ。今回は、テレビドキュメンタリー1987年作品を再度鑑賞した。日本兵は全員玉砕とか自殺を強要されたわけだが、問題は大多数の兵たちは一般の国民だったということである。映像の中で記憶に残っている場面がある。千葉で農業をしている捕虜になった元兵士の言葉である。兵士に全員死を強制した軍の上級幹部たちは皆生きながらえたという彼のつぶやきであった。敗戦後、これら軍のトップたちは隠蔽、自己防衛に終始した執筆や発言をしてきている。最後は人肉まで食らうようになった兵士たちの地獄絵図には、胸をうつ箇所が多い。フィリピン人たちを脅して、敵に回した。彼は最後に、「日本人は、いったい、誰を相手に戦ったのだろう」、という言葉で結んでいる。

これは、日本人のみならず、全世界の人々が読むべき作品である。

 

 「一絃の琴」宮尾登美子著。1985円。講談社。1978年刊の直木賞作品。1999年新刊本。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

知る人ぞ知る作品。最初は何気なく読みだして、女性中心のお話だし、5ページくらいで眠ってしまっていたのだが、2割くらい読んだ辺りから、俄然話の展開に引き込まれていき、主人公が切り替わっていくさまにも驚き、読後は、この小説自体が琴ではないかと思わせる素晴らしい作品であった。

著者の作品はほとんど読んできているが、お馴染みの文体で静かに流れていき、話の流れがテレビのドラマのナレーターを聞きながらすすんでいく感じ。著者は、ご存知、鬼龍院華子の生涯とか天璋院篤姫とか、櫂、序の舞、岩伍覚書など、あらゆる賞を総なめしている土佐の女流作家。この著書を完成させた期間は、なんと17年間。終わってから実話だと知った。心に残り、余韻が漂う素晴らしい小説で是非とも一読をお勧めしたい。なお、NHKドラマや帝劇でいろんな俳優たちが演じてきているようだ。

 

 「永遠の0」百田尚樹著。太田出版。1680円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2006年作品。ブックレビューで418も投稿されているほどの人気作品。五つ星、四つ星は、339、二つ星一つ星37となっていた。一つ星は19も出ているのだが、一つ星をつけるというのは、よほど作者が嫌いか、何らかの偏見があるか、何か悪意があると私は思っている。

論評が極端に分かれているので興味があった。最後に児玉清氏があとがきを書いてあって、えらくほめている。だが、一つ星には、児玉さんも本屋さんもいくらなんでもこんな本を、なんて自分の目がおかしいとも思わない人が書いている。私は、児玉清氏と同意見である。

0というのは零戦の事。特攻も含めて、初戦の頃の事からの零戦のパイロットを中心にした物語展開。もうほとんどのこの手の作品は読んでしまっているので、あまり最近は食指が動かなかったのだが、久しぶりに読み応えのある作品に出合った。若い人たちも、この本ならば、太平洋戦争の全貌が絵に描いたように理解ができるのではないかと思う。是非とも読んでいただきたい。

これが来年、映画になるらしいのだが、私は反対だ。戦記物の映画で優秀なものは少ない。大和も山本五十六も予想通りにたいしたことはなかった。本の方が良すぎるのである。私が、戦争映画で高く評価する作品は3本だけ。西部戦線異状なしUボートトラトラトラである。この作品も映画が小説を凌駕することはできないだろう。

 

 「リアルシンデレラ」姫野カオルコ著。光文社。1785円。2010年の発刊。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

非常に珍しい話の展開を進める小説である。基本的に過去を振り返りつつ、最後はこうなったという話なのであるが、読み終わると何とも言えない余韻が残る。一読を勧めたい。

 

 「天使の相棒ー杉浦忠と長嶋茂雄」ねじめ正一著。集英社。1680円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

日本で野球が輝いていた日々。希望と娯楽を与えた野球が輝いていた頃の話。団塊世代以上は皆覚えている少年時代や青年時代の思い出。9番、ピッチャー、すぎうら〜〜〜。4番、サード、ながしま〜〜。というウグイス嬢の声が皆の耳に残っている。街を歩けば、ラジオからはいつも野球中継、飯を食べに入れば、どこでもテレビは野球中継。そんな時代。

 

 「ベラ チャスラフスカ」後藤正治著。文芸春秋。2100円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私から上の世代で、チャスラフスカを知らない人は皆無だと思う。そう、女子体操の世界チャンピョン。東京オリンピック、メキシコオリンピックの金メダリスト。日本で圧倒的人気を得て、日本人とメキシコ人の崇拝の的になった人。

当時、日本男子体操は圧倒的世界一で人々の目は男子にばかりいったのだが、女子については、圧倒的にソ連と東欧がダントツだった。男子金メダリストの山下跳びの松田氏など、私の高校の恩師でもある。

それはそれとして、彼女もメチャクチャに日本びいきであった。何度も訪日している。その彼女の話が半分なのだが、彼女の歩んだ人生の苦難を知り、私は愕然としたのである。そして、今も暗闇にいる。1968年のプラハの春などがあるが、ソ連などがチェコに侵入し、改革派をつぶした。この本を読んでいて、共産主義の怖さ、独裁体制の怖さがよくわかる。そして、今多くの国々で自由が得られたことがどのくらいすごいことなのかを皆知らないといけない。

当時のソ連を中心とした選手たちに後藤氏はインタビューを重ねる。そう、あのコマネチも出てくる。私は読み進んでいくうちに後藤氏の取材能力、洞察力のすごさに圧倒されるのである。彼の著書、「遠いリング」などを読んでいるので、彼のスポーツ界のドキュメンタリーが優秀なものであることは知っていたが、今回改めて著者に敬意を払いたい。皆様には、是非とも読んでもらいたいと思うのである。

 

 「柳橋物語」山本周五郎。角川。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

昔読んだ本の再読だ。テレビでおせんちゃん役をやったのが私が好きな女優、若村麻由美。恋愛物の小説で、女性も納得する小説と言うのは珍しいのだ。女性からの評価が非常に高い。最後の10行が全て。最後の10行で涙が出そうになるというすごい作品。付録に佳作2本もついているがそれも面白い。山本周五郎は私が非常に尊敬する作家であるが、どれを読んでも、いつも感動してしまうので困ったものだ。ってわけだが、素晴らしい作品なので読んでいない人はもったいないと言えよう。心に感情の襞がない人には向いていないけど。

 

 一刀斉夢録 浅田次郎著 文芸春秋 上下 1680円各 2011年刊

 AKI評価:☆☆☆☆☆

友達から贈られたので読んだ。私が新選組に昔から 凝っているからである。一刀斉とはよく題名をつけたもので、 斉藤一をひっくり返したのである。新選組三番隊長斉藤一の 話である。浅田説によると、彼が竜馬暗殺の下手人となっている。 左利きの居合の達人。左利きのため竜馬は簡単にやられたという 話である。ただ、その顛末は彼の別の本で読んでいる。 斉藤一が軍の若手将校に語っていく物語である。実にいい。 新選組が好きな人にはたまらない小説だろう。 明治維新以降、大正まで生き残った斉藤の話は、あの時代のわかりにくさを 説明してくれたようなものである。永倉新八も生き残って 彼は何か書を残している。たしか読んだことがある。 斉藤が語る近藤や土方や沖田の話は、多くの人が抱いている イメージを変えるものだが、この話のイメージのほうが私には しっくりくる。私は土方歳三が好きなのだが、この本の中での 描写でやっぱり好きでよかったと思ったのである。新撰組は 長い間悪者扱いで映画でもろくに扱われなかったが、司馬遼太郎の 燃えよ剣あたりから扱いが良くなり、浅田次郎で決定的な 新選組のイメージが定着したと言えよう。 実に面白い本であった。読むことをぜひ勧めたい。

 

 「朗読者」ベルンハルトシュリンク著。松永美穂訳。1890円。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

映画で先に見ていた。「愛を読む人」というタイトルで高評価だった作品だ。あの映画の評価は私も高くつけている。本の方は、書評でも高い評価でアメリカでは200万部も売れたというベストセラーにもなっている。1995年の作品。

翻訳者は2度読むように勧めている。ナチ、ユダヤ抹殺とかそういうのが背景にあるのだが、読み終わった印象は、重い、であった。アマゾンの評価が全てを表している。☆5個から☆1個まで分かれている。あまりに深く、重い話なので、本をあまり読まない人は理解が難しいかもしれない。読書家はこの小説に流れている繊細な何かを感じ取れると思う。翻訳小説はむずかしいけどね、評価が。まあ、私は映画を先に見ているからね。本を読みながら映画に出てこない場面が出てくると、そうかあ、そうだったのかあ、と思うことが多かった。何だか知らないけど心に残ってしまった作品である。

 

 「命もいらず、名もいらず」山本兼一著。NHK出版。1995円。上下。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

山岡鉄舟の話。しかし、私は知らなかったなあ。教科書か読み物程度の知識しか鉄舟の事を知らなかった。参ったね。最初はチャンバラの小説程度に思って読んでいったのだが、幕臣でありながら、明治天皇から一番の忠臣とされたようで、下巻の明治編になると俄然凄みを帯びてくる。だが、上巻の話があるから、下巻が光るんだよね。お勧め。肩は凝らずに読めるからね。最後の武士とはよく言ったものである。

 

  「楡家の人びと」北杜夫著。第一部第二部第三部。新潮文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

50年前の本。毎日出版文化賞。彼の著作の多くを読んでいるのだが、この長編小説はまだ読んでいなかった。もう単行本はない。文庫本は、北杜夫死後、追悼記念として出されたもの。

私はすごく彼を尊敬している。精神病院の一族の物語で、自分の斎藤家をある程度モデルとしている。第一部から第三部まであるのだが、読後1週間 になるが、不思議と心に残っている本である。第一部、第二部は、当然と言えば当然なのだが、第三部の最終章に全てがつながっている。そう、第三部が全て で、一部二部はその前座という感じ。主人公が結局全員主人公だったんだな、という印象。不思議と心に残ってしまう作品。もの悲しさが何とも言えない。小説 の好きな人には是非ともお勧めしたい。

 

 「旅する力ー深夜特急ノート」沢木耕太郎著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

新潮社。1680円。もうすぐ1760円になりますです。2008年の作品。沢木ファン待望の本だったと思う。彼の「一瞬の夏」を読んでから私はファンになり、親友がカシアス内藤の友達だったので紹介してもらって食事したことを思い出す。深夜特急1,2,3は、優れた本で若者たちに旅行ブームを引き起こした。彼は26歳で旅に出なさいと書いているが、その通りで、20代の人必見の本だね。旅をした人としてない人の差は歴然。まだ読んだことない人は、この本を読んでから深夜特急を読んでもいい。非常に良い本で、☆☆☆☆☆である。

 

 「新宿鮫、絆回廊」大沢在昌著。光文社。1680 円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

新宿鮫は昔よく読んだのだが、西村京太郎と同じで、あまりにも数が出るので、読んだのかどうか、同じものなのかどうか、などと迷って買わなくなって久 しい。本屋でパラパラと読んで買った。私は昔から本屋でのパラパラで面白い本を当てる確率が高いのである。暴対法で衰えつつある暴力団とは一線を画した別 な暴力グループがこの本に出てきているように実在しているようだ。法律なんて傷のつぎはぎみたいなものだから、はみだしていろいろ出現するよ。まあ、やく ざを死に目に合わせるすごいグループ出現ということで、この本の面白さは倍増した。あまりここに書くこともない。面白いもの。気楽にお勧め。
 

 「父 山本五十六」家族で囲んだ最後の夕餉。山本義正著。恒文社。1365円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

山本元帥の本はもう何冊も読んできている。この本は、元帥の息子の書いたものだ。今までの読んできたものの中で最高に良い本であった。是非とも読んでいただきたい。私は、山本五十六元帥を尊敬してやまないのであるが、それが正しかったことがよく実感できた。息子だから、プライベートな部分に相当に入るのだが、私が想像していたような人物であった。本全体に流れているほのぼのとしたものを感じる。この義正氏の執筆が良いのだと思う。後半の最後の思い出の話など、胸が熱くなったのである。

私が20歳のころ、カッパブックスでベストセラーだったそうで、それの改訂版だ。留学中だったから道理で私が知らなかったはずだ。後年、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦の話など、いろいろ批判が出るのだが、批判はいともたやすいということを深く感じた。後からなら何でも言えるよというところだ。彼は欧米に合計7年半も駐在していた。ハーバードでも学んでいる。そして、アメリカの国力を高く評価し、この国と戦っても日本は滅びると本当に考えていたようだ。そのため、英米のスパイなどと疑われて、海軍次官の頃は、テロ暗殺に狙われているし、マスコミも独伊に傾いていたため、マスコミだけでなく、世間からも批判されていた。遺書も何通も書いていて覚悟はしていたようだ。だが、正しいことを述べているのだから、殺されるはずはないという信念も持っていたようである。

その彼が、連合艦隊司令長官として対米戦の先頭にたたなければならなかったことを天命と考えていたようである。彼の子煩悩と、家族一族思いの話は、ほのぼのとさせる。私は、日本が生んだ最高の軍人に大いなる敬意を払う。皆様にも是非とも読んでいただき、感動をともにしたい。12月半ばに映画山本五十六が上映されるが、見に行こうか行くまいか迷っている。戦場の山本五十六の話は、ほとんどわかっているからだ。この本はそういったものとは一線を画している。

 

 「昭和質屋の客」佐江衆一著。新潮社。1575円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

何かの書評に書かれていて買っておいたもの。普通に読んでいた。読み終わって、これは秀逸の反戦物語だと思った。著者は、この小説は、戦争を少しは体験した昭和戦前生まれの私が、死ぬまでに書かねばと考えていた作品ですと書いている。最後の章は、戦前の生活の一こまなのであるが、普通、平凡な人々の生活が、明日も明るいと考えていたのに、たったの数年後の悲劇が待っている、という事が心に響く。一読の要あり。

 

 北野武による「たけし」早川書房。1680円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

フランス人がインタビューを繰り返しながら書いたもので、今までのタケシの本よりも面白い。表紙はあまり良くない。映画などの話は非常に興味深く、出ている作品は全て見てみたいと思った。彼の絵が出ているけど、素人目ながらなかなかいいね。気にいる人がたくさんいるのがよくわかる。後半の1割程度は不要だったと思う。どちらにせよ、タケシファンには必読だろう。彼は自分を批判する連中がいるのはわかっているが、さして気にしていないようだ。私は彼がツービートでデビューした時からのファンだけど、あれよあれよの人生で、あんな生き方もあるのだと驚いたね。

 

 「達人に訊け」ビートたけし。新潮社。1260円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

彼の初期のころから彼の本は読んできている。彼が頭脳明晰でよく勉強しているのは本を読んできていればよくわかる。だから彼が世界の北野になっても別に驚かなかったよ。いろんな達人が登場するのだが、虫、宇宙、麻雀、字幕、数学、日本語、寄生虫、香り、競馬、金型プレスという達人たちが登場し、インタビュー形式になっている。すごく面白く、読み応えがある。是非とも一読し、達人たちの思考を知ると良いだろう。お勧めの著である。

 

 「全思考」 北野武

 AKI評価:☆☆☆☆☆

久しぶりのタケシの本。面白かった。毒舌全開で変わらず。彼のテレビ番組はあまり見ないのでもっぱら彼の著作の方に最近は目が行く。彼の本音が出ていていい感じだ。彼は本音の男だからね。欧州では彼の人気は高い。ファン倶楽部まであるみたいだ。彼がコメディアンだというと誰も信じないんだそうだ。それで日本に来るファンに自分の番組につれていくんだって。それであのアホ的な格好を見せるんだそうだ。欧州のファンたちは幻滅だあと言って嘆くんだそうだ。タケシはわざとやっているらしい。賞を取るような映画監督だからといって文化人みたいに扱われるのが嫌なんだそうだ。

以前ロンドンに行った時に迎えにきたイギリス映画協会会長が高級車故障でバンにしたらしいのだが、えらく怯えていたんだそうだ。数年後わかったのは、このイギリス人はタケシが日本のマフィアだと思っていたらしいんだよ。前科一犯で出版社襲撃が出ているし、BROTHERなんか見ればそう思われても仕方なかったかもなんて書いてある。ホリエモンの事書いてあったな。金で買えないものはないと言ったことを批判する人たちがいるけど、それは違うって。ホリエモンにとっては金で買えないものはないというのは真理なんだそうだ。問題は本当の友情も全て含めて、金で買えないものを見たことないんだから、しょうがない。金で買えないものはないという奴に、それが間違いだと言っても始まらない。こいつは頭が悪いんだなあと思うしかないってさ。どこか他の人のコメントでは、東大を初めとして大学で教養を教えないからそんなこという奴が出て来るんだとか書いてあったね。まあ、いろいろ書きたいけど、本読んだらいいよ。面白い。そこの若いの!君こそ読みたまえ。おじさんたちは健在である。
 

 「三陸海岸 大津波」吉村昭著。文春文庫。2004年。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

静かにたくさん売れている本ということで紹介されていたので読んでみた。全部寄付になるらしいね。著者は5年前に亡くなっている。明治29年、昭和8年、昭和35年の大津波を扱っている。記録文学だね。今回再び襲われたわけだが、過去の教訓がいかされたのか?あってもそれをさらに上まわるものだったのか私にはわからないが、自然と人間の営み、そういったものを考えさせられる。今回の大津波を思い浮かべながら読むと良いだろう。あまり時間がかからずに読めるから、一読を勧める。

 

 「小暮写真館」宮部みゆき著。1995円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

彼女の作品は大外れがないので安心して読める。えらく分厚い本で辞書みたいである。電車に持ち込むのは面倒だね。あまりも厚すぎるので持ちやすかったけど。なんとも不思議な感じの流れる本であった。最後の方が感動的な結末ってとこかな。途中から次第にひきこまれていくね。

 

 「サムライスピリット」神田ロム(漢字が出ない)著。幻冬舎。1365円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

あまり期待しないで読み始めた。おーまいごっど的に良い本であった。若い連中や人生や仕事に悩んでいる人は是非とも読むべきだろう。私は非常に心打たれたよ。この男はたいしたもんだ。こういうやつがいるなら、日本もまだ大丈夫だろう。

 

 「憚りながら」元後藤組組長。後藤忠政。宝島。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

すげーーーー面白かった。実名の出ている暴露本的。いろいろ知らない世界の事を知って面白かった。この人、人物的に大きいね。皆、読むといいよ。知らない世界だ。なお、印税は全部寄付するんだそうだ。昔、やくざ、今坊さんだもんね。

 

 「沈まぬ太陽」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ご存知山崎豊子女史の有名作品であるが、先日映画を借りてみた。やはり、小説にはかなわない。いくら渡辺謙が頑張っても文字にはかなわないね。仕方なし。読んだ時のショック度と見たときのショック度が違いすぎる。やはり、小説を読むべきだろうなあ。嫌なら映画でもいいけど。あれ見て思ったよ。日航があのザマになったのもむべなるかなってね。いろんな奴に食い放題にされたなれの果てって感じで、真面目にあそこで働いてきた人たちをかわいそうだと思う。

 

 「脱藩大名の戊辰戦争」中村彰彦著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

中公新書。700円くらい。上総請西藩主、林忠嵩の生涯。うーむ。この藩は、木更津辺りみたいだ、小藩である。なんとも哀れを誘う話で、かわいそうになってしまったのだが、94歳、昭和16年に永眠した最後の大名となっている。徳川家崩壊の流れで、紀州、尾張、彦根三藩の徳川家への背反行為を非難して最後まで戦った。つまり、徳川家再興のために決起したただ一人の脱藩大名。

このために彼は名誉回復、林家再興におそろしく長い期間苦労を重ねる。今でもあの地域では林様として慕われているのだそうだ。結束が強いのだろう。新聞記者に、現在において当時のことを思うと如何な感想が浮かびますかと聞かれて、「琴となり下駄となるのも桐の運」と答えている。健康法と聞かれて、「浮世は一夢の如し」と答えている。一人の大名の数奇の人生として、たんたんとして読むことを勧めたい。

 

 「奇跡のラーメン店はどのように誕生したか」永福町、大勝軒。草村賢治著。旭屋出版。1575円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

80歳の店主は今でも店に立つ。友人がここのラーメンを時々プレゼントしてくれていたので馴染みはあった。昔、店に行ったのだが、行列で諦めたことがある。

私がガキの頃に開店している。店と土産で1000杯を一日で売る。1050円もするのだが、2杯分らしい。どこでもラーメンと餃子とライスということになるが、店主はラーメンで腹いっぱいになってほしいのだと。この店主の生きざまをみると、努力、精進、発想、勤労、サービス、プロ、そういったものを全て感じ取れる。店を出したい人だけでなく、経営者皆が読むといいと思う。全ての原点があると思う。池袋の同名店とは違うようだ。http://eifuku-taishouken.com/

地元の柿生のいつもいくラーメン屋のおやじにこの本を持って行ってやろう。それにしても黒川にある大勝軒は同名にも関わらず、最低の味だが、いったいあのラーメン屋はなんだ?うちの若いのは、一口食べて、通販の尾道ラーメンのほうがうまいとつぶやいたのである。まずいラーメンは許されない。

 

 「捕虜」学研文庫1300円。パウル・カレル著。畔上司訳。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初の訳本が出たのが1986年。これは2007年出版の文庫本で650ページもある。できたらハードカバーの方を探したほうが良いと思う。訳が良いので読みやすい。

まず、私は戦争の類の書物をたくさん読んできているが、欧州戦線のことには全く興味がなく、知らなかったことが多い。そして、今回、その無知を大いに感ずることになった。これほどの反戦記があるのだろうか?しかも、捕虜と言う視点で戦争を語るのはすごい手法で、しかも事実に即して描かれている。

日本は英米相手の戦争で実に幸運であったと思う。戦後、ドイツ人捕虜は何と1100万人である。何百万人も死んでいる。拷問、強制労働、飢餓、大脱走、復讐、なんでもござれである。誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路。我々が学んできたのはいかにドイツがユダヤを迫害したか、ヒトラーがいかに残忍か、の話ばかりであった。だが、それを上回る地獄をドイツ人捕虜たちは経験した。しかも、私が生まれた1949年にやっと大多数の捕虜が解放された。最後の捕虜帰還は1956年である。

一番良い待遇を受けた捕虜はイギリスにつかまった連中、次がアメリカ。イギリスほどジュネーブ協定をきちんと守った国はない。なるほど、英米が日本軍の捕虜処遇に対して厳しく糾弾したのもわからないではない。ところが、ユーゴスラビア辺りで捕まったドイツ人は地獄絵図を見せられた。何がパルチザンだ、チトーは英雄だと思う。教科書にはいいことしか書かれていなかった。だが、あれほどの残虐集団はなく、なるほど、クロアチアだセルビアだといまだに争いが続いているのもよく理解ができる。この箇所を読むのが一番しんどかった。

中立国であったスゥエーデンなど逃げてきたドイツ兵たちをロシアを恐れてロシアに引き渡した。ひどいのはロシア赤軍につかまった捕虜たちである。ところが、やっと日本兵のシベリア抑留などの話が理解できたのだ。ロシアは貧しく、国民全部が飢えているような状況だったのである。1944年地点でドイツに捕まったロシア人捕虜も500万人でそのうち200万人が死亡、100万人が行方不明という有様。ドイツも実は困ったのである。飢餓といってもあまりの大量の捕虜の数に対応できなかったのである。だから、どっちもどっちとも言える。ロシアに捕まったドイツ兵たちも辛酸をなめさせられ、多数が死んでいる。

西独政府捕虜史委員会の報告をもとに書かれている。この本のことを書きだしたらとても収まらない。私は頭を殴られたような心境である。日本男児は全員この本を読むべきであろう。

 

 「なぜ、君は絶望と闘えたのかー本村洋の3300日」 新潮社。1365円。門田隆将著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

そう、ご存じの例の光市母子殺害事件。書評で評価が高かったので読んだ。買ってからしばらく放置していた。今は裁判員制度のこともあるし、司法のことを詳しく知らないとならないような時代になった。ドラエモンポケット弁護団、正義を貫いた検察。いろいろわかる。それにしても、彼はすごいね。たいしたものだ。皆が読むべき本だろう。
 

 『駅路』

 AKI評価:☆☆☆☆☆

『駅路』は、定年やターニング・ポイントなどの時に訪れる人生の“駅路”をテーマにしたミステリーの名作。人はなぜ生きるのか。そしてその人生の終着点に近づいた時果たして何を思うのか。物語の終盤でさりげなく語られる主人公の言葉は、それらの問いかけに一つの答えを与えてくれる。
 

 「渥美清の肘突きー人生ほど素敵なショーはない」福田陽一郎著。岩波書店。2500円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初の1−2ページ読んだだけで、良い本にめぐり合ったと思った。文章がきれいで頭にすっと入ってくる。題名はミスだと思う。人生ほどが主題で渥美清のほうを副題にすべきだったのではないかと思った。この福田という人はその世界では有名な人らしいのだが、私はあまり知らなかった。彼が手がけたものを知ってわかった次第。どういう人かというと、一言で言うと、三谷幸喜の大先輩っていうところ。50歳以上の人は読むといい。読むべきとは書かない。読んだら楽しく、思い出にひたれるよ、って感じ。値段が高いが、払ってもおつりが来るくらい良い本だった。渥美清のことも時々触れているんだけど、ますます寅さんが好きになるね。お勧めの本だ。
 

 父子鷹(上・下) 子母沢 寛 講談社文庫

 AKI評価:☆☆☆☆☆

篤姫の人気が高いが、勝海舟が最近よく出てくる。私は勝海舟を非常に尊敬しているのであるが、ガキの頃、テレビで父子鷹をやっていたんだ。すごく良かったので、本も読んだ。ものすごく感銘を受けた本で是非とも読んでもらいたい。勝海舟があのようになったのは父親の慈しみのある教育のおかげなんだ。
 

 三国志:吉川英治著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

レッドクリフ:評判が高いので見に行った。あの映画、女性客も多かったが、女性向きではないなあ。男性は皆楽しめると思う。CGをあまり使ってなくて、人民軍も出ていると聞いた。監督は黒澤監督の影響を強く受けており、馬を使った戦闘場面では七人の侍を大いに参考にしたようである。赤壁の戦いは、三国志にも出てくるよね。張飛と関羽と孔明ばかり印象が強くてよく覚えてないなあ。三国志をまた読むかね。吉川英治の書いた本が読みやすいよ。
 

 決断力:羽生善冶。角川。686円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

羽生のイメージは、私にとってはテレビのドキュメンタリーによるものが大である。だから、これを読み始めて、どうも最初はしっくりこなかった。ところが後半からはすごく言ってる事に迫力が増してくる。彼が引用しているエジソンの言葉がある。「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」この言葉が全てを物語っている。相場にかかわる人には一読を勧めたい。読み方としては、最初はチンタラと読破する。次は、赤鉛筆を競馬のおじんのように持って、大事な箇所を赤線を引いていく。これがお勧めである。羽生君も言っておるで、近道はないってよ。持続こそ力なりだとよ。
 

 「おそろし」宮部みゆき:1785円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

三島屋変調百物語事始。旅に出る時に本屋にちょっと寄って目にした本。違う世界の本を読みたかったし、宮部みゆきなら失敗はないだろうと思ったので買った。結構、怖い場面もあったりして、分厚い本だったが、比較的短時間で読んでしまった。要するに面白かったということで、さすが宮部みゆきって感じ。高いから文庫本になってから読んでもいいと思う。
 

 「将軍家御典医の娘が語る江戸の面影」 安藤優一郎ー平凡社新書735円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ちょうど篤姫をやっている時代背景と同じなので読者には入りやすいのではないか?幕臣たちが維新後どういう運命をたどるようになったのかがよくわかる本。昭和10年ごろに、今泉みねが80歳を越えて語った「名ごりの夢」という聞き書きの本が元になっている。静かにしみいるように当時の様子が頭に描ける優良な作品である。一読を勧めたい。
 

 市場の神々

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私の本。うちの若いものが言うには、読む人間のレベルによってこの文章から受ける印象は違うらしい。為替を始めたばかりの頃に1度。そして半年経ってから1度。そして1年経ってから・・・そうやって何度も読み返しているようだ。是非試してもらいたい。
 

 伝説のディーラー(8割の男・改定)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この本の主役”北原”のモデルとなった、当社顧問の中山氏の推薦の文を紹介しよう。
これまで、わたしたちディーラーの生態を描ききった小説はなかった。おそらく、これからも無理なのかもしれない、と思い込んでいた。そこに、この小説があらわれた。わたしも、この作者から取材を受けた一人だが、この小説は、じつにみごとにわたしたちの世界を描ききっている。ディーラーの勝負師としての緊張感、息遣いまで、生々しく伝えている。プロのわたしが読んで、一箇所のまちがいもなかった。しかも、ディーリングの歴史、日米関係もわかりやすく書いてある。為替相場の入門書でもある。また、為替相場だけでなく、あらゆる勝負に共通するノウハウ、教訓、若い哲学もこめられている。わたしは、ついに滅びていく主人公を他山の石とし、明日からも戦いをつづけていくつもりである。
 

 「日本の選択」ビルエモットとピータータスカの対談集

 AKI評価:☆☆☆☆☆

そう、エモットは例の「日は昇る」、「日はまた沈む」を書いた有名な人だ。最初のうちは、タスカがしゃべりすぎるせいか、彼の箇所が多すぎて、どっちが何を語っているのかわからなくなったりしたが、基本的な流れは私の考えと一致していたので、ドンドン読み進んだ。先週は、日経の書評欄で取り上げられていて☆5個だった。私も☆5個の評価である。皆さんにも是非一読してもらいたい
 

 「敵兵を救助せよ」恵隆之介、草思社。1700円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

そう、最近つぶれてしまった良心的な本をたくさん出していた出版社だ。フジテレビーアンビリバボーで紹介。感動の秘話。これが真の武士道だ。1942年3月、スラバヤ沖海戦のあと、武士道を発揮、危険をおかして英兵422名を救出した工藤少佐の感動の物語。となっている。工藤少佐は眠そうな顔をした人で最初のほうはあまり面白くなかった。ところが四分の一程度読んだ辺りから俄然面白くなった。駆逐艦雷の艦長だった人だが、180センチ以上ある長身で、眠そうな顔は、実はきわめて温厚な人柄のためだと知った。

当時、敵兵の救出には潜水艦の攻撃などがあり、下手をすると自分たちの船もやられるというくらい危険な事だったようだ。救助した甲板上で、工藤艦長は、「諸君は勇敢に戦われた。いまや諸君は、日本海軍の名誉あるゲストである。私は英国海軍を尊敬している。ところが、今回、貴国政府が日本に戦争を仕掛けたことは愚かなことである」と英語でスピーチをしている。海軍兵学校の教育、この駆逐艦の救助劇、その後の駆逐艦雷の運命というような流れになっている。

戦後、この話を出版するような話もあったらしいのだが、当時は軍隊や兵隊に対する蔑視はひどく、出せないうちに流れてしまっていたようだ。この工藤少佐は恐ろしく権力とか、私的なことには無縁の人のようで、戦後も海上自衛隊へのカムバックの話も断り、大企業への就職も断ってひっそりと地元山形から埼玉に移って暮らしていたようだ。どうして出版になったかというと、英海軍からなのだ。当時救助された人たちは、皆工藤少佐の人柄を尊敬しており、恩義を忘れずに、戦後、ずっと彼のことを探していたらしい。ところが、海上自衛隊でも見つけられなかったようだ。それがひょんなことから、わかったのだが、そのときにはすでに工藤少佐は亡くなっていた。

私は、この本で初めて英海軍の事を知った。米海軍とは大違いで、さすがに伝統の海軍であり、私は英海軍に大変に好意を持つようになった。また、工藤少佐の人柄を知れば知るほど、まことに立派な海軍軍人であり、私は今までいろいろな軍人の本を読んできているが、一番尊敬できる人かも知れないと思うのである。ぜひとも一読し、わが国にもこういった人物がいたということを知り、日本民族に誇りを持つべきであろう。
 

 重臣たちの昭和史

 AKIの評価:☆☆☆☆☆

アキの戦争シリーズ
 

 歴史街道

 AKI評価:☆☆☆☆☆

歴史街道という雑誌は面白そうだね。まだ買ったことがないのだが、新聞のCMで見かける。1月号は、あの最強とうたわれた零戦パイロットの坂井三郎氏の話だ。以下のような説明になっている。
太平洋戦争時の日本の傑作戦闘機・零式艦上戦闘機。その零戦を愛機とし、日中戦争から8月17日の最後の空戦までを戦い抜いた撃墜王が、坂井三郎です。彼の操縦技術、64機という通算撃墜数もさることながら、特筆すべき点は、戦いを生き抜いたことでしょう。絶体絶命の危地に何度も陥りながらもそれを突破できたのは「不撓不屈」、すなわち最後まで絶対に諦めない彼の生き方でした。その気迫を現代人に問います。http://digimaga.ocn.ne.jp/magazine/124003.html ここで立ち読みを部分的にできるようだ。彼の本は、昔からもう5冊以上読んでいる。大空のサムライが最後だったかな。今でも書棚に何冊か置いてある。生き残った数少ないエースパイロットの話だから、すごく面白い。右目の視力を失い戦線離脱となった。

坂井 三郎(さかい さぶろう)大正5年(1916年)8月26日 − 平成12年(2000年)9月22日)は、大日本帝国海軍の戦闘機搭乗員(パイロット)。佐賀県佐賀郡西与賀村(現在の佐賀市)出身。太平洋戦争終戦時は海軍少尉、最終階級は海軍中尉。太平洋戦争時における日本のエース・パイロットとして知られる。戦後に海軍時代の経験を綴った著書「大空のサムライ」は世界的ベストセラー。

このような紹介もあるね。代表作となる戦記『大空のサムライ』は各国語に訳され、世界的ベストセラーとなった。因みにイラク空軍でも、この作品をパイロットの必携書として義務付けていた。晩年、『朝まで生テレビ』に坂井が出演した際、戦争の是非や戦争への構えかた等についての彼の発言に対し、周囲に陣取った反戦系の論客は何一つ反論できなかった。実戦を体験した者のみが持つ言葉の凄みが彼らを圧倒した。また現在の若者への苦言を期待された質問には、「自分の時代にも若いやつは駄目だと言われ続けた」とかわすと、スタジオ内で観覧していた若者から拍手が起きた。

飛行する敵国機は軍民・武装の有無を問わず撃墜する命令が出ていた。容易に撃墜可能であったが、坂井はこの機に敵の重要人物が乗っているのではないかと考え、生け捕りにしようと味方基地へ誘導するために輸送機の横に並んだ。この時、坂井は輸送機の窓に震え慄く母娘と思われる乗客たちが見えることに気づいた。これを見て「逃がそう」と思った坂井は手を振ってその場を離れ、帰投後上官には「雲中に見失う」と報告した。命令通りに撃墜せずに逃がしたことは恥ずべきことと感じていた坂井は、戦後の著作にもこのことを記述しなかったが、年を重ねるに従って考え方が変わり、終戦から50年近く経った頃の講演会で初めてこのことを明かした。なお、これと同じ頃、当時機内から坂井機を見ていたオランダ人の元従軍看護婦が、「あのパイロットに会いたい」と赤十字等の団体を通じて照会したところ、当該パイロットが有名な坂井三郎であることを知り、非常に驚いたようである。2人は再会し、互いの無事を喜び合った。

彼は亡くなっているんだね。まだ存命かと思っていた。なんで今回、彼を取り上げたかというと、イージス艦の情報漏えいの話で、あまりに自衛隊の士気がお粗末なので頭にきたのである。逮捕されたあいつは、鞭打ち千回の罰だよ。なるほど自衛隊が軍隊ではないのだと実感させられた。米軍が呆れて怒るのも無理ないよ。国防予算3割カットすべし。

 

 「みんな、野球が好きだった」小田豊二&根来広光著。ホーム社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2年前に刊行された本だ。これを読んで、今の50歳以上でノスタルジーに浸れない奴はおかしいと思わせる本である。

根来と言えば日本一の大投手金田。6大学のヒーロー長島が巨人に入団して、金田との初対決をするのだが、その時のエピソードから始まっている。金田は根来と飯を食いながら、「いいか、ゴロ、よう見ておけよ。長島がどんなにすごいと言ったって、所詮アマから来たばかりのルーキーや。こっちはプロで何年もメシを食ってる。プロの力がどんなものか、明日、この俺が長島に教えてやるから。俺は絶対にあいつに打たせない。ゴロ、いいな、よう、その目に焼き付けておけよ。」と語る。金田のすごさは、この勝負に4打席4三振に長島を押さえ込んだ事だ。金田の記録はいまだに破られていないのが多い。400勝投手。防御率2.34.365完投。4490奪三振。64回無失点記録。14年連続20勝以上。完全試合。根来は、この本の中で、その後の長島の立ち直りをみて只者ではないといたく感銘を受けている。

この本にはデータもたくさん出ているんだよな。昭和42年のベストナインをちなみに書いてみよう。セリーグ:小川健太郎(中日)森(巨人)王、高木守道(中日)長島、一枝(中日)、江藤慎一(中日)、中(中日)、山本一(広島)パリーグ:足立(阪急)、野村(南海)、大杉(東映)、ブレイザー(南海)、森本(阪急)、大下(東映)、張本(東映)、土井(近鉄)、長池(阪急)。まあこんな具合で懐かしい名前が年代別に全部掲載されている。野球の好きな人にはたまらない本だろう。なつかしい写真もたくさん出ている。
 

 「私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか」島村英紀著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初はチンタラと、後半になると凄みを増してくる本。国民必読の著だと思える。我々はいつ誰でも国家権力にふりまわされる存在になるかわからない。最初の冒頭から事件つくりについて書かれている。検察は、このやろう、と思った奴は必ず捕まえるのだそうだ。まず、マスコミにリークする、マスコミは検察からの情報が途絶えるのが怖いから従う。マスコミはストーリーを作るのが得意。そして、世間的に悪者に仕立てる。そこで社会的抹殺となる。悪者にしてから白馬の騎士として検察が登場する。

国家の意思に背いた者には制裁という構図だ。検察とはテレビドラマの検察官シリーズとは大違いの連中である。これほど奢った組織が存在するのかと慄然とする。中には良い検事もいるわけだから、あまり全員一緒というようには考えたくないが。だが、この法治国家でこのようなことが行われているとは驚きである。そして、我々の誰もがこの大学教授のようにされるかわからないという事を知っておいたほうが良い。いくら自分が正しいと考えることでも、彼らの考える正しい事とは異なるのである。やはり、一読すべきだろう。
 

 滅びゆく国家 日本はどこへ向かうのか(立花隆)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この日経の本高いなあ。2310円もする。立花氏は私が一目置く人である。そう、よくNHKに出てくるよね。おばさん的顔の人。彼の本は、臨死体験、宇宙からの帰還、を読んだ事があって、それ以来のファンだね。ドキュメンタリー番組での解説も気に入っている。いやあ、この本、面白い。まだ途中なんだけどね。ホリエモンの件でもリーマンの儲け独壇場とか、闇の世界の話とか興味津々。若い人読むといいよ。年配者は考えが固まっている事が多いので柔軟性が必要だ。
 

 シドニーシェルダン

 AKI評価:☆☆☆☆☆

シドニーシェルダン死んじゃったね。89歳だったから結構小説は遅いデビューだったようだ。ゲームの達人にしても真夜中は別の顔血族神の吹かす風明け方の夢星の輝き遺産私は別人天使の自立明日時間の砂陰謀の日女医、これ全て読んだと思う。どれも全て面白かった。訳もうまかったと思うね。この人は尊敬するよ、あれだけ面白いものを書けるんだからね。読んでない人も是非読んだらいい。古本屋にたくさんあると思うよ。問題は読み出すと夜中も眠れなくなってしまうことだ。合掌。
 

 黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて

 AKI評価:☆☆☆☆☆

うーーーむ。なかなかの名著だったぞなもし。最初はあまり読んでいてもそれほど面白くなかったのだが、ページが進むにつれ読み応えが出てくる本だ。日米の映画文化の違いというよりも、日米の文化比較論と言ったほうが良さそうだ。黒澤監督がどうしてトラトラトラの監督から解任されたのかという観点から、日米の契約社会の違い、情報の違い、組織の違いなどが触れられている。2500円とえらく高い本なのだが、図書館で借りても良いと思う。ってなわけで久しぶりに読み応えのある本に出会った。
 

 「竜馬が行く 1-8」 (司馬遼太郎)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

坂本竜馬:何だか昔から有名だったと思ったのだが、どうも違うようだ。何でも日本海海戦に連合艦隊が出航した日、明治天皇の奥さんが夢を見たんだそうだ。坂本竜馬が自分が創建した日本海軍を護るといって、あらわれた。宮内省は、伏見の寺田屋の主人が大阪にいることをつきとめ、宿にあった竜馬の手紙をゲットして、上奏したそうだ。坂本竜馬が有名になったのはこの時からなんだって。国民的英雄になったのは、司馬遼太郎の「竜馬が行く」が発表されてからなんだそうである。竜馬が行く、あの本、いいよねえ。男子であの本読んでいない人いるのかね??
 

 「よく見る夢」 (上) (下)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

例のシドニーシェルダン。彼の小説は面白く一気に読み終わらせてくれる。ダラダラと読み続けないとならない宮部文学とはまた一味違う。シェルダンの本は面白い代わりにあまり頭には残らない事が多い。だがこの小説は頭にこびりついてしまった。多重人格、言葉を変えると悪霊、って世界の話だけど、何がすごいって、最後の1ページがさりげなく大逆転だからだ。いやあ、このシドニーシェルダンと言う人はすごいね。脱帽だ。
 

 ベスト&ブライテスト (上) (中) (下)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

良い本だよ。今アメリカがイラクでやっていることを比較して読むとこの昔のベトナム戦争当時の米政府の中枢を批判したノンフィクションはすごく面白いかも知れないね。誰が書いたかわからないけどネットに出ていたものを下に掲載。著作権違反?だって、誰が書いたのかわからんのだよ、検索したら出てきたものだし。どうも書評みたいだなあ。

アメリカの著名なジャーナリストであるD・ハルバースタムが記したベトナム戦争に関する良質なノン・フィクション。『輝ける人々Best&Brightest)がなぜベトナムの泥沼に嵌っていったか』を膨大なインタビュー取材を元に、克明に描き出した作品です。アメリカという国の政治というものがどういった人々によって担われているのか、どういった価値観の中で動いているのか。時代は変わっても変わらずに残っているアメリカの姿がここにはあるように思います。ここに語られるのは『間違った人々』の物語でもあるわけですが、その間違いを断罪しようとするのでは無く、ただ事実を積み重ねることで何かを語ろうとする著者の視点の置き方が、非常に好ましく、また他人に対して口を開く際の一番フェアな立ち位置なのだと思っています。(ジャーナリズムの仕事として最上のものと言って良いでしょう。)現在入手できるのは、3分冊で出版されている朝日文庫版ですが、できれば、倒産してしまったサイマル出版会版を図書館とかで読んで頂きたいなと。本文は朝日文庫版と変わりませんが、序文として「娘への手紙」という短い一文があり、これも一読する価値があると思いますので。D・ハルバースタムは他にもたくさん著書がありますが、どれも素晴しく、尊敬するジャーナリストの一人ですね。

私も全く同感なのである。絶対にお勧めだね。惜しい人が亡くなったね。交通事故とはね。
 

 遺したい日本の風景ー駅舎(光村推古書院2310円)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

これは実に美しい写真集だ。駅舎だけ集めてあるのは初めてではないか?子供の頃の原風景がそのまま残っている。記憶に残る駅舎写真が多いが、中でも日本唯一というかやぶき屋根の会津鉄道湯野上温泉駅が良い。この温泉は昔よく行ったものだが、新幹線の新白河から車で40−50分というところだ。だが、今度行く時はやはりこの会津線に乗って行きたい。門司港駅も素晴らしい。是非一度行きたいと考えている。この写真集を眺めているだけで旅情にひたれる。2310円は高いと思わない。こういう古い駅でなんともぴったりあっているのが、ポスト。今の角型のポストもあるが、それはいまいち。昔の丸いポストが駅舎にぴったりだ。何がしらけるかというと、飲み物の自動販売機。あれは全く興ざめの代物である。お勧めの一冊だ。80から90の駅が取り上げられている。
 

 美しき日本の残像

 AKI評価:☆☆☆☆☆

題名にひかれて、何かのコメントを読んで買った。日本人皆がアメリカ人に日本文化の事で説教されて、すみません、と反省させられる本。

彼は本当に日本を愛しているんだなあ。それだけに批判も厳しい。日本、特に京都に厳しい。京都人は日本文化を本当は好んでいないとまで書いている。彼がほめているのが、大阪。外人は皆大阪に住むべきだとまでほれこんでいる。

日本ほど、自国の文化と歴史を大事にしないで壊している民族はいないってさ。どんな田舎に行っても、鉄塔、電柱、電線、パチンコ屋 の行列だと。パチンコ屋が景観を壊しているのは認めるけど、しょうがないんだよ、この国の政府はカジノは違法だ、500円のトトカルチョも逮捕、だけどパ チンコだけは全部OKって国なんだから。そうか、政府自ら景観を壊しているのね。電力会社も。

まあ、これは一部なんだけど、日本文化の将来に対して危惧する人は絶対に読むべきだろうね。しかし、参ったなあ。この著者は私とさ ほど年齢が変わらないけど、私がアメリカ人になって、彼が日本人になったほうがいいかも。それから、驚いたけど、日本の歴史的な古いお寺の住職の半数以上 が外人だってさ。

 

 セブン・イヤーズ・イン・チベット   (映画版) (書籍版)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

本もあるし、映画もある。私は映画の方を鑑賞した。実話に基づいた話である。ブラッドピットとデイヴィッド・シューリスと監督が無期限中国入国を禁止された。オーストリーの登山家と幼少の頃のダライラマとの交流を描いた作品。音楽はジョンウィリアムズだから当然いい。ダライラマ役の少年もすごくいい。

チベットが毛沢東共産党に征服される。8000人対9万人の戦争で11日で陥落。その後もチベット民衆が100万人殺されたと最後に追記が出てくる。インドに接するチベットが欲しかったのか詳しいことは勉強不足で知らないのだが、要するに我々が思い浮かべるのに適しているのは、例のブータンが中国共産党に占領されるという感じだろうか。日本も満州を占領したし、ソ連はチェコを60万の軍隊で制圧したりしているから、私は、その面では中国の事をとやかく言ってるわけではない。だが、何しろ、この映画に出てくる共産党軍の将軍たちがあまりに無礼、傲慢だったために、強烈な印象を残している。ってことを考えると日本が満州を占領したことを文句言うのもおかしな話ではある。

中国で上映禁止になった作品であるが、映像美と音楽がいい。チベット仏教の聖地の感じもすごくいい。あの仏教国と中国共産党は全く相いれないなあ。ブラッドピットがすごくいい。ぜひ、映画を鑑賞して欲しい。

 

 淀川長治自伝ー上巻:1340円。中央公論。(下巻)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1985年作品。98年に89歳で亡くなっている。途中で、あれ?上巻だ、と思った。時々私は上巻を買って面白ければ下巻を買うと言うことをする。

この著書を読んで、この人の事をもっと知っておけば良かったと思った。映画ファンにはたまらない作品である。しかし、大正時代、昭和の初めにそんなに日本人が映画に夢中になっていたとは知らなかった。アメリカの映画もよく見ていたようだ。太平洋戦争勃発の日までやっていたのだそうだ。古すぎて知らない作品が多いのだが、さすがに昭和10年を越えてくると、知っている名作がいろいろ出てくる。駅馬車と言う名画も彼が命名したようである。彼のホモ説についても触れられている。いやー、この人はすごい。下巻を注文したのだが、早く来ないかと待っている次第である。

 

 風が強く吹いている

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2006年の作品。知らなかったなあ、2007年にラジオドラマ化、漫画化、2009年に映画化、となっているそうだから、私が疎かったのね。だから、多くの人に知られた作品なんだと思う。箱根駅伝の小説なのだが、最近ジョギングやったり、マラソンやっている人たち多いらしいが、読むといいよ。非常に面白く、作者はいろいろなことを伝えたかったのだと思うが、ジョギングやマラソンをやり続けるのが楽しくなる話だ。これを読んで、来年の正月の箱根駅伝をテレビで見ると一層楽しめるだろう。長編であるが、気楽に読めて、楽しくなる作品だ。☆5個。
 

 「横道世之介」吉田修一著

 AKI評価:☆☆☆☆☆

3年前の作品。この著者は、映画にもなった「悪人」を書いた人だ。驚いたなあ。こういう小説の書き方というのは初めてで面食らった。読み応えのある厚さ。途中から、おかしくて、おもしろくて、寝床で笑いをこらえるのが大変だった。それからだんだん引きづりこまれていって、読み終わる頃には涙が出そうになる作品。座布団5枚だなあ。後からわかるのだが、本当の事件を題材としている。非常に心に残る優秀な作品だと思う。是非とも一読を勧めたい。
 

 平家物語(吉川英治著が一番わかりやすい)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

平清盛:視聴率が最低になっても私は気にしないで見てきた。最初は、貴族の連中の顔化粧が気味悪かったけど。人気がないのは、今の時代の潮流にあっていないからだけだと思う。後は勝手な理屈付け。神戸の連中は見ないといかんでしょ。繁栄の源を作ったのだから。

前回放送の重盛の箇所はなかなか良かった。「衣の下に鎧がちらつく」という諺まで生んだ、有名な父子対面のシーン。聞いたことあるセリフだなと思っていたら、重盛だったんだね。忘れていた。「忠ならんと欲すれば孝ならず。孝ならんと欲すれな忠ならず。重盛の進退ここにきわまれり」と、ハラハラと泣く。

テレビでは、この重盛を後白河法皇は利用したというのだから、悪だねえ。悪に見えるからあの役者はうまいのだろう。

どうしても大河ドラマの平清盛を見たくないなら、平家物語(吉川英治著が一番わかりやすい)でも読むべきだろう。一気に読めるだろうし、人生の何かを強烈に教えてくれる書である。

 

 「海賊とよばれた男」 (上巻) ・ (下巻)。百田尚樹著。講談社。1600円+悪税。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

本屋で何気なく取り上げて買った本。表紙は大事だと思ったね。表紙だけで手に取ってみたからね。

出光興産の出光佐三氏の伝記。上巻の途中で、持ち上げ過ぎだなあ、なんて考えていた。次第にそんなことはないことがわかってくる。圧巻は下巻のほうだろう。下巻は面白く、寝床で眠りに入れずに困った。出光石油の乾坤一擲のタンカー日章丸に暗号発信、アバダンに向かえ、の箇所はスリル満点であった。戦後の経済史、石油がらみ、大変に勉強になった。イランの苦しみが良く理解できた。

あまり本を読まない人たちにも比較的わかりやすい本だと思う。だが、今いちばんこの本を読むべき人たちは、苦境に陥っている経営者たちだろう。苦難に向かう勇気を与えてくれる。☆5個。

 

 「64」横山秀夫著。文芸春秋。1995円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この著者は、半落ち、臨場、クライマーズハイなどで有名である。空港で時間つぶしに眺めていたが、過去の著書からつまらないはずはないと思い、購入した。最初の2−3割程度はなんだか焦点が定まらず、あまりページが進まなかった。ところがどっこい、後半の7割程度は一気に熱を帯びてきて、筆のタッチもリズム感が出ているのがわかった。なかなか面白かった。☆5個。正月のお勧め本。

 

 ジェノサイド:高野和明著。2011年発刊。角川。1890円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

13階段を書いた著者だ。このミステリー何とか賞1位、本屋大賞2位とかいろいろな賞をとっている。カスタマーレビューでは、1から5まで分かれている。1はつけたらいけないよ。著者に失礼だと思うよ。本を執筆するってえのは大変な事なのだ。グチャグチャ言ってる書評など読まずに、黙ってお勧め。座布団5枚。感想?おもしろ〜〜〜〜〜〜〜〜い、ぞなもし。

 

 「ノルゲ」佐伯一麦著。講談社。2205円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2007年野間文芸賞受賞。以下のように説明されている。「佐伯文学の真骨頂、六年の時を経て完結! 妻の留学、自身の精神の快復を求め一年の滞在で旅立ったノルウェー。人、北欧の季節、未知との出会いの日々。主人公の一年の意識を通して描く希望の再生の物語。」やはり、キーはノルゥエーではないか。私自身は1968年にアメリカの土を初めて踏んだ気持ちを彷彿させてくれたし、ノルゥエーに魅力も感じた。読んでいくうちにズルズルと引きずりこまれる作品。読書の好きな人には高評価、本を読まない人には理解ができないかも作品。私は座布団5枚。

 

 「日日平安」山本周五郎著。新潮文庫。660円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

山本周五郎の戦前、戦中、戦後の短編集。江戸時代の話がほとんどだから、いつ書かれたかは関係ないだろう。日日平安もこの短編集の中の一つ。私は、しじみ河岸というのが一番良かった。心に残る情的なものが多く、日本人にしかわからないのではないか?とも思わせるが、最近、外人の方がよほど日本的なので何とも言えない。お勧め。座布団5枚。

 

 「人間臨終図鑑」  (第1巻 ・ 第2巻 ・ 第3巻 ・ 第4巻)山田風太郎著。徳間文庫。720円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

デフレなのに文庫本が720円とは物価なんて下がっていないじゃんか。それはどうでもいいのだ。最初から座布団5枚。

この図鑑は別に絵が挿入されているわけではない。第一巻は49歳までに亡くなった人が対象となっている。この本を読んでいて、私は思ったよ。いくら私が知識が多いなんて言っても、歴史や人物に詳しいなんて言っても全然話にならないくらい知らない事や知らない人物が多いので衝撃を受けたってこと。どういう死に方をしたのか、死そのものに向き合ってみて、いろいろ考えさせられることが多かった。

一番面白いと思ったのは、第4巻だと思うのだが、106歳で死んだ爺様が、長寿の秘訣を聞かれたときに、「夏の夕方、街を若い女性が薄着でぶるんぶるんとお尻を振って歩く。それをとうもろこしをかじりながら眺めているのが長生きのもとです。」と答えたやつだね。なお、この第一巻で著者がもっと生かしておきたかった人物2名をとりあげているのだが、それが夏目漱石と島津斉彬だった。一読を強く勧める。

 

 「リクルート事件・江副浩正の真実」改訂版:中公新書。1000円

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2010年。衝撃の本であった。今月亡くなったから、この本の2年半後に死去。中央公論がよく出したなって感じ。マスコミ、特に朝日新聞、特捜、検察、これらの権力の構図が浮かび上がる。誰も彼と同じ立場に追い込まれる可能性があり、自分とは無関係とは思わない方が良いだろう。あの村木厚子女史の検察に対する挑戦でずいぶんと変わったが、彼女の執念にも頭が下がるのであるが、人々は権力を持つとどうしてここまで変われることができるのだろうか。法曹界の異常さも知ることができる。可視化が必須だと思う。

江副氏の人生とはなんだったのだろうかと思いをはせる。何しろ裁判13年間である。出る杭は打たれるの見本みたいな人ではある。政治家たちとのつきあい、実業界での立ち位置等、彼は終わりにそういったことの反省も書いている。何にせよ、マスコミについては、日経新聞やNHKくらい中道であってほしいと思う。朝日や検察の反論も読んでみたいとは思う。でないと、一方的な理解となってしまう。座布団5枚

 

 「人間臨終図鑑」第2巻。山田風太郎著。徳間文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

再び参ったね。人生とは何かを強烈に語りかけてくる。軍人では、伊藤整一中将、安達二十三中将、栗林忠道中将の評価が高い。山岡鉄舟の豪快な死に方も脳裏に残る。特高の甘粕、この男は反吐が出る。明治時代にはまだ宮本武蔵は有名ではなかったらしいね。秀吉の辞世の句は彼のものではないらしいね。

みんないう、いつか死ぬことはわかっている。しかし、今死にたくないのだ。死の瞬間に何びとも悟るだろう。人生の目的なるものがいかにばかばかしいものであったかを。自分の死は地球より重い。他人の死は犬の死より軽い。是非とも一読を。

 

 「あかね空」  文春文庫660円。山本一力著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2004年直木賞作品。はい、座布団5枚。豆腐屋の話だ。江戸時代だ。最近この手の日本の暖かい作品に出会わなかったので新鮮であった。さわやかな気分になる。途中で読むのを止めるのが大変。いい話であった。一読を勧めます。
 

 「人間臨終図鑑」第3巻。山田風太郎著。徳間文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

65歳から76歳まで。解説は三浦しおんが担当している。どうも多数の小説家や文芸人たちがこの本を読んでいるようだ。なんともいろいろなことを考えさせる本で、知識も豊富に得られる。下手な歴史の書より、為になる。大佛次郎の箇所が心に残る。再び座布団5枚。
 

 「人間臨終図鑑」第4巻。山田風太郎著。徳間文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

とうとう、4巻全て読んだ。最終版は、77歳から100歳以上までだ。山田風太郎氏は、12年前に亡くなっている。誰かが引き継いで、この12年間に亡くなった人たちを追加していくと良いと思ったのだが、誰も手を出さない理由が何となくわかる。風太郎しか書けない文体と内容なのである。

「人間には早すぎる死か、遅すぎる死しかない。」「意味があって長生きするわけではない。」「別れの日。行く人、やれやれ、送る人、やれやれ。」「生者は死者の為に煩わさるべからず。」若い人も読むといい。下手な人生論よりも、よほど為になるだろう。たびたび、この欄でも人物を取り上げさせてもらおう。再び座布団5枚。

 

 春告げ坂:安住洋子著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2011年作品。小石川養生所の若い医師を取り巻く、江戸の庶民たちの話。読みやすく一気に読める。読んでいる間中、さわやかな、暖かい風が心を吹き抜けていく感覚となり、自分の心も洗われていくような気持にさせてくれる。座布団5枚。

 

 「聖の青春」 大崎善生著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

東の羽生、西の村山、と呼ばれた青春将棋物語というところ。村山は、幼少のころからネフローゼという難病をかかえ、それでも将棋の道を目指すのだが、名人に届く前に29歳の若さで命をたたれた。師弟愛、家族愛、友情を通して描く感動ノンフィクションと書かれている。座布団5枚。

 

 「清貧の思想」中野浩次著。草思社。1992年作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

本のタイトルは聞いたことがあったが、そんなに有名な作品だったとは知らなかった。たちまちベストセラーになったのだそうだ。ちょうどバブル破滅のタイミングに出版されたものらしいが、意図的ではなく、たまたま合致した。

この本で取り上げられている主な人物は、本阿弥光悦、鴨長明、良寛、吉田兼好、池大雅、与謝蕪村、橘曙覧、芭蕉。これだけでだいたい予想できるだろう。古い文章もあるのだが、簡単な訳がわかりやすい。読んでいるうちに、次第に背筋を伸ばしたくなる本。この本を学校教科書に導入しなかった文科省や教授たちは、後ろめたかったのだろうか?英語を導入するのも結構だが、この本で日本文化の神髄を教えることはもっと大事だと思うね。読みたくない人も読みたい人も、日本国民が皆読むべきだろう。我々の先祖たちが残した日本文化と国民性を思い出すべきだね。高尚な本のわりには、スムーズに読めた。座布団5枚

 

 「ぺコロスの母に会いに行く」 岡野雄一著。西日本新聞社。2012年作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

62歳の漫画家が描く、認知症の母との可笑しくも切ない日々と表紙に書かれている。これは、最初自費出版だったようだ。ラジオのインタビュー番組に著者が出ていて、話を聞いている内に、これは読んでみたいと思ったのだ。親、介護、認知症、家族、人生、いろいろ考えさせてくれるのだが、漫画とエッセイ―の構成になっている。何ともホンノリと心に残る作品である。座布団5枚

 

 一路:浅田次郎著。中央公論。( 上巻下巻 )

 AKI評価:☆☆☆☆☆

星ひとつが多く、いまいち人気に欠けているようだ。私は違うな。座布団4−5枚あげるよ。中山道(中仙道)を参勤行列をする集団のお話で幕末。浅田作品は、どれも大体外れがなく面白い。読者が何を求めるかだと思う。これは面白かった。ただ、馬同士の会話だけは、横道にそれすぎて、気に入らなかったけど。気楽に楽しめるだろう。

 

 「タイム誌が見た日本の50年」 上巻。タイム編集部。プレジデント社。越智道夫氏訳。(下巻

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1998年作品。表紙には美智子妃殿下の若い時の写真が掲載されている。これは、若い連中が読むべき本だね。10代、20代、30代だ。どうして日本は強かったのか、どうして、こんな風になってしまったのか、振り返って若い人たちに学んでもらいたい。まだ、上しか読んでいないのだが、下を読むのが楽しみだ。上巻は田中元首相、中曽根元首相のところまで。アメリカ人たちの視点が非常に新鮮である。翻訳も良い。上巻は、復興と繁栄、下巻は、栄光と試練。座布団5枚。

 

 「おちおち死んでられまへん 斬られ役ハリウッドへ行く」 創美社。2004年作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ご存じ、福本清三の話。ラストサムライで、寡黙なサムライとして、一躍表舞台に出てきた斬られ役。死んだ回数5万回とか言われる。皆も顔を見たらすぐにわかる。私は騒がれる前から彼の事は気が付いていた。本当に悪人面なんだよね。いつも悪役で出てきたからね。悪人面というだけなら私でもできそうではあるが。しかし、彼が仁義なき戦いにも目立たないながら出ているとは知らなかった。

小田豊二という人が聞きながら書いたもの。彼の人間性がそこかしこににじみ出ており、素晴らしい。いわゆる我々がイメージする日本の男そのまま。座布団5枚。読むことを是非お勧めする。肩もこらずに読めて、後は涼しくなる感じ

 

 「タイム誌が見た日本の50年」 下巻。プレジデント社。沢田博氏訳。 (上巻)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

今度の表紙は、雅子さん。副題は、栄光と試練となっている。日本の絶頂期、バブル、大蔵省疑獄、バブル崩壊って流れ。忘れていたことを思い出させてくれた。これは若くない人も読むべきだろう。再び座布団5枚。

 

 「大往生したけりゃ医療とかかわるな」 中村仁一著。幻冬舎。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1年半前の作品。久しぶりの骨太作品。私の人生観に多少なりとも影響を与えた。この本は、60歳以上が読むべき本で、50歳以下の人が読む必要はない。一番大事なテーマは、60過ぎれば、体も下降に向かうのが当然であって、死ぬまでの残りの人生の生き方を考えなさい、ということ。70歳で、人間ドックなどやって悪い箇所をみつけることは何の意味もないと。座布団5枚。還暦後に必読すべし。

 

 「あなたが知らない太平洋戦争の裏話」 新人物文庫。新名丈夫著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

旧題:昭和史追跡ー暗黒時代の記録。1970年の作品。これは、お客さんから頂いた本。

著者は、戦前戦後の毎日新聞記者。多くの人の書いた現代史は信用しないとしている。それは残された文献を調べて書いたものだからだと言う。従軍記者だった彼が直接見聞きしたものだけを書いているとしている。マスコミが軍部の台頭を許した。そのため、後年、真実をマスコミは書けなくなったとしている。昭和の初めにマスコミが本当の事を伝えていたら、もっと違っただろうとしている。ここにいろいろ出てくる話の中で衝撃的だったのは、あまりにお粗末な軍の将軍たち。こんな将軍たちに命令されたらたまったものではない。極東軍事裁判で死刑になったのは、7名。ところが、海外の各地で裁判が行われ、4200人も銃殺もしくは絞首刑となっており、その多くが、上司に罪をきせられた、恨みによって断罪された類で、裁判の体をなしていなかったようだ。ガダルカナル以降は、もう戦略も何もなく、追い込まれていく日本の姿に悄然たる思いを改めて持つ。座布団5枚。

自衛隊が強くなるのは結構であるが、文民統制がきちんと行われること、マスコミが時流に流されない事、戦略をきちんと描ける軍隊である事などが必須である。ことさら感情的に、軍備増強を唱えてもダメである

 

 冬の伽藍:小池真理子著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

14年前の作品。最初は、これ、恋愛小説?エロ小説?って感じだった。えらく長い恋愛小説。話半ばあたりから、話は急変する。これだけ長いストーリーだと心に残ってしまう。女性の書く恋愛物っていうのは、こういう感じねと思った。記憶から消えないのだから、座布団5枚かな。
 

 「わかっちゃいるけど、やめられない」植木等伝。戸井十月著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2007年。植木等への鎮魂歌と言う感じ。途中から、ぐっと展開が面白くなってくる。付き人だった小松政夫のところが、一番植木等の人間性を表してくれている。私は、子供のころに楽しませてくれた植木等とクレージーキャッツに感謝したい。団塊の世代以上は、皆同じ感情だと思う。座布団5枚。http://www.youtube.com/watch?v=Pn029qV9U9I
 

 戦争の世界史:ALサッチャー著。大谷堅士郎訳。祥伝社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

副題:燃え続けた20世紀、それは大英帝国の凋落から始まった。ズバリ言って、名著。太平洋戦争の事ばかり考えていても意味なかった。全ては欧州から始まっている。ヒトラーの怪奇性、ムッソリーニの狡猾さ、チェンバレンのアホさ加減、チャーチルとルーズベルトのすごさを知った。当時のアメリカが、引っ込み思案で動かなかった理由もよくわかった。パリ陥落で初めて目が覚めた。欧州全土はナチに席捲されたわけだが、残るイギリスも風前の灯だったのがよくわかった。あの破竹の勢いでは、日本がドイツと接近したのもわからないではない。ただ、ここに出てくる連中をみていると東条英機は非常にまっとう。もしもであるが、連合軍が負けていたら、ドイツと日本が分け合うなんてありえない話で、アーリア人しか人間として認めないナチと日本が衝突したのは100%確実だろうね。どちらにせよ、あの時代の全ての背景を知ることができて、非常に学べた。中高で教えている近代世界史の教科書なんて低級。最初からこれを読ませておけば、当時の世界の構図を簡単に描ける。というわけで、必読の書として座布団5枚。
 

 殺戮の世界史:ALサッチャー著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

燃え続けた20世紀。シリーズ物の第2弾。ここに書かれている衝撃の事実を書こうかと思ったが、やめておく。500万人死んだとか、1000万人死んだとか読んでもピンと来ないだろう。まさに、学校の教科書不要の世界歴史絵巻。昔、NHKでやった20世紀の映像を、もっと詳しく書いたものと言っていいだろう。学校の先生は、教科書で子供たちに教えるのでなく、この本を皆に読んで聞かせると良い。これらの著書を読まないのは、すごく損な話である。知識が、増えるわかめ的に脳に入ってくるって感じ。まさに、必読の書と言えよう。座布団5枚。
 

 「ペン字練習帳」30日できれいな字が書けるー宝島。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

紀伊国屋に行った時に買ってしまった。私は、ひねくれているから、世間が英語だと騒ぐと国語をやろうと思うのである。最近、ハガキで自筆で書くようになったので、自体が乱れ、漢字を忘れと、おそまつなことになっているので、以前から気になっていたのである。知り合いが達筆で、というか、きれいな字なのでうらやましいと思っていた。ってわけで、ひらがな、なんてなぞって書いていると、背筋を伸ばして、小学生の気分である。

 

「道、果てるまで」戸井十月。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ユーラシア大陸横断3万キロ。著者は私より多少先輩であるが、バイクでまわるのである。過去には豪州、北米、南米、アフリカと4大陸10万キロも走破している。いろいろ、ここに書き連ねても良いのだが、やはり直接読んで感激、瞑想、思考をした方が良いだろう。素晴らしい旅日記である。私はこの手の類は、小田実の何でも見てやろう以来、ほとんど読んできている。是非、あなたにも読んでもらいたい。20代、30代、40代、50代、60代、男性女性、それぞれ読後感想は異なるだろう。四の五の言わずに座布団五枚。

「散り椿」葉室麟著。角川書店。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初から読みやすい。いわゆる時代劇シリーズ的。直木賞作家の云々と出ている。内容はともかく、読みやすく、おもしろかったので、それだけで座布団5枚。読んでいる間は、他の事を忘れられる。

 

 「わが母の記」井上靖著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

なんとこの本は、1975年の作品である。手元には、しっかりとしたカバーのついた単行本がある。当時の値段で1600円である。どうしてこの本を読んだかと言うと、同名の映画が発表されて、賞を受賞したんだよね。それで本を入手した次第。著者自身は、1991年に84歳で亡くなっている。あの有名な恍惚の人は、1972年で、映画は1973年で社会的衝撃を与えたことはよく覚えている。つまり、あの当時にすでに現在の社会現象の源が出始めていたんだね。いろいろと考えさせられる書であった。しかし、小説家が母親の事を執筆すると、こういう書き方になるのね、と思ったよ。座布団5枚。

 

 「小野田寛郎の終わらない戦い」 戸井十月著。新潮社。単行本。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

小野田少尉の本は、多数読んできたので、これも読んだ事あると思っていたが、読んでなかった。あらためて読むと考えさせられる事が多かった。若い人たちは知らないかもね。戦後30年間、フィリピンルパング島で戦い続けた日本兵。知っておかないとならないのは、彼は通常の兵隊でなく、中野学校から派遣されたスパイだったということであり、上官の命令があるまで、解散ということにはならなかったこと、そして、中野学校の教えは、絶対に死んではならない、生き続けて情報収集と後方攪乱を続行しないとならなかったこと。世界で、ほめられる日本人であるが、ここには、外人の知らない我々日本人が知っている嫌らしい日本人たちが多数出てくる。マスコミ、政治家、その辺の市井の人びと。彼が帰還した時の背筋を伸ばした兵隊姿は今でも覚えているが、その後の彼の過酷な運命もたどられている。日本人必読の書と言えよう。座布団5枚。

 

 「銀漢の賦」 葉室麟著。文春。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

時代小説。この著者の本は、パターンがあるようで読みやすい。江戸時代の友情みたいなものを描いた作品。小説の利点に、読者を心地よくする、浮世を忘れさせる、というのがある。それを、大きなポイントに入れれば、座布団5枚となる。本が知識を得るもの、学ぶもの、という観点だけならつまらないだろう。肩の力を抜いて読める作品。イメージ通りの時代小説。

 

 「空白の5マイル」 角幡唯介著。集英社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

副題は、チベット、世界最大のツアンボー峡谷に挑む、となっている。ラジオ深夜便だったか、彼が出ていて、話を聞いているうちに面白そうだから、読んでみようと思った。冒険家というのはとんでもない種族だと思っていたが、彼も例外ではなかった。なんでそこまでしてと思ったが、ひとつの生き方なのだろう。中国当局の事や、携帯電話の普及が印象的だった。自分が行けない、やれない世界を見せてくれたというところ。開高健ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。労作に座布団5枚。

 

 「団塊の秋」堺屋太一著。祥伝社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

団塊の一番下に属する私も読まなければなるまいと思って、本屋で手に取って買ったもの。気分暗くなるだろうなあ、と思いつつ、読んでいった。堺屋氏の著書は読みやすいのが特徴で、そのために暗くなるような話も多少ソフトになる。登場人物たちが何人かいるのだが、私も自分の事を振り返ってしまった。50歳以上の人はやはり読んだ方が良いだろう。若い人も現代と将来を考えた時、読んだ方が良いかもしれない。読むべきとして座布団5枚としておきたい。

 

 「人生がときめく片付けの魔法」近藤麻理恵著。サンマーク出版。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

テレビで何気なくドラマ?映画を見たのだ。仲間由紀恵が主演だった。彼女のファンなのであるが、片付け?お掃除?なんとか会社の社長で、すげええ、面白かったのである。あまりに面白かったので原作を探したら、この本だった。巷にこの手の本が多数出ているのは知っている。この本は、もう断然、座布団5枚。私も早速やろうと思っている次第だ。一人住まいの人はすぐにできるだろう。非常にためになる良い本である。お勧め。

 

 11/22/63 ()。スティーブンキング著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

単行本で上下1000ページを超える分厚い本。本屋で積んであったので、取ってみて、ぱらっと見て、購入。いろんな賞をゲットした本。この著者も有名なようである。うんざりるするくらい長いミステリーであるが、なんとなくやめられなくなってしまう本。アメリカの宮部みゆき的。発想も題材も良いと思う。タイトルでわかると思うが、ケネディ暗殺日。座布団5枚。

 

 「父の帽子」 森茉莉著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

これがエッセイーかとうならせる書。文筆が優れているのは当然で、森鴎外の娘。実に文体文脈がきれいで、読みながらその風景が頭に描けるくらいだ。

一例をあげると、「赤坂溜池の電車通りに店を出していた、禿げた大きな頭の清蔵というお爺さんの握ったお寿司が、錦手の大皿に色とりどりに盛られて、それが二枚も三枚も持込まれた。光る藍色や赤、緑、白なぞの、美しい複雑な模様を染めつけた大きなお皿に、淡桃色の透った鮪。柔い黄色い卵焼。白い鳥賊。白と紅の混りの海老。薄い緑や紅に鈍く鯛や鮃。藍色と銀のこはだ、このしろ。蛤やあなごの上にはとろりとした「たれ」が薄茶色に、光っていた。黒い艶のある海苔巻は干瓢の見える真白な切り口を見せて二段にも三段にも、積み重ねられている。お寿司の廻りには海老の形に截り込んだ濃緑の笹の葉が、ぴんと出ていた。母はお寿司がなにより好きで、御飯の直ぐあとでも、「お寿司の入る所は別よ」と言って、沢山たべるのだった。」

彼女は父親の鴎外に溺愛されるのだが、あまりにも御嬢さんとして育ったために、二度の結婚に失敗している。そのかたわら、最後に出ている彼女の作品集を眺めると、膨大な著書を残している。多数がエッセイである。この父の帽子も日本エッセイストクラブ賞を受賞している。大正時代、戦前の昭和の東京が静かに描かれている。まるでドラマでも見るように読めた。唯一、夢というエッセーは理解できなかったので通読した。彼女のこの作品で、鴎外という人物像がくっきりと見えた。鴎外の書は読んできているが、再度読みたいと思った。座布団5枚。

 

 「テロルの決算」 沢木耕太郎著。文春文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1978年原本執筆。深夜特急以来の沢木ファンであるが、やはり期待を裏切らず。私の小学生の時の事件だから、多くの人は知らない。だが、ガキの記憶にも鮮明に残っている事件である。当時の庶民人気一番の社会党委員長浅沼稲次郎が日比谷公会堂で17歳の山口二矢という右翼テロリストに刺殺された事件である。この二人の物語と周りの人々と当時の政治情勢など、ノンフィクションとして描いている。地道な調査をしている。力作である。座布団五枚。

 

 「春秋山伏記」藤沢周平著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1984年の作品。時代小説だから、いつ書かれたというのはあまり関係ないけど。藤沢ファンは多いよね。非常に読みやすく、興味深く、楽しく読めた。山形庄内鶴岡の辺りの村の人々の生活がメインである。作者のこだわりで、庄内弁がそのまま文体に出ている。作者は方言が衰退するのではないかという危惧があるようで意図的に庄内弁で押し通したようだ。江戸時代の農村、村人たちの生活がよくわかり、面白い。座布団5枚進呈。

 

 「新幹線をつくった男ー島秀雄物語」高橋団吉著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

初版2000年。鉄ちゃん、鉄子がこれを読んでなければ失格という感じの書物である。私は新たな知識を得て、非常に得した気分になった。新幹線の最初の計画が、昭和14年というのだから驚いた。東京ー下関、そして、壱岐と対馬をつないでトンネルで釜山へ。そこから、満州の新京と中国の北京までつなぐという壮大な計画。関係者たちの非常なる苦労と努力で完成した新幹線であるが、その苦労と努力が並大抵のことでなかったので、運賃が高くても、はい、結構ですよ、なんて言ってしまいそうである。明治からの汽車、電車の歴史が網羅されている。やはり、たくさんの海外渡航をして、学べるものは学ぶという真摯な姿勢が肝要である。座布団5枚とし、多くの人に読んでもらいたいと思った次第である。

 

 「邂逅の森」 熊谷達也著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

山本周五郎賞と直木賞受賞作品。11年前の作品。何かで褒めてあったので読んだ本だ。熊を追う猟師の物語。自然とのふれあいがどうのこうのと説明されているが、やたらと性的描写が多く、驚いてしまった。話は、大正から昭和の初め。秋田、山形地方。最後の結末は、すさまじいものとなった。この猟師の話で、私は全く知らない世界を知ることとなった。1日たっても頭から離れないので、やはり優秀な小説なのだろう。座布団5枚進呈。

 

 「プルーフ・オブ・ヘブン」 エベン・アレクザンダー著:早川書房。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

アメリカで45週連続でトップセラーとなった本。死後の世界は存在するという著作なのだが、キーは著者である。なんと彼はトップクラスの脳神経外科医なのである。彼は臨死体験をするのだが、戻ってきてから、自分の脳のカルテ(病で1週間昏睡)を調査研究をする。彼の脳は動いていなかったのであるが。彼自身は患者たちの臨死体験などは聞いてきており、はなから信じていなかったそうである。まあ、そういうことを信じない人は、どんな人が書いても信じないのだろうから読んでも仕方ないかもしれないが、私は読んでよかった。私は、100%信じるよ。脳細胞なんかの詳しい話の箇所は、私にはチンプンカンプンなので通読した。1980年代にキュープラスロスの死後の世界の話があって、あれは読んだことがあり、とても良かった。欧米では、死後の世界の研究が盛んのようだ。座布団5枚は当然。

 

 「浮雲」林芙美子著。新潮文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

古い話。彼女が執筆開始したのは、私が生まれたころだもの。放浪記は読んだことがまだない。浮雲は本格的小説となっている。今の人たちが読んでも、面白くもなんともない作品だと思う。書評の評価が高いのは知っている。誰かが良いと書いているからこの本を買ったはずだし。暗い気分になる。離れられない男女を描いた作品で心理的描写も良い。もしかして、彼女の半自伝?彼女を褒める声が多すぎて、いまいち、とは書けない感じ。他の著書を読めばよいのだろうし、私の読解力がたいしたことないと言われればそうかもしれんし。

 

 「お別れの作法」 矢作直樹著。ダイヤモンド。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

東大病院のERの部長ってとこかな。ERの現場で、人の死を見つめていくうちにいろいろな体験をして、人々に情報を発信している。

あの世の研究では、欧米と日本の研究レベルの差が、あまりに違い過ぎて、日本ではあまり学べないかもしれない。アメリカでは、あちらの世界の研究は、各大学の大学院が競って研究している。向こうには、研究対象が多数いるのだが、日本では同じような体験をしても多数が語りたがらないのだそうだ。変人扱いにされるからだろう。戦後の教育のせいかもしれない。ちなみに、こういうことを信じない人は、考え方の違いだから読まなくてもいい。

1958年と50年後の2008年の調査があるのだが、驚くべき結果が出ていた。2008年というのは、大震災以前なので、現在はもっと比率は上がっていると思う。あの世の存在を信じるかという設問。一番信じる人が多い地域は、なんと四国。それも22%→61%と急増している。一番信じていない人の多い地域は、なんと近畿。20%→29%。兵庫、大阪、京都、滋賀、奈良,、三重、和歌山辺りでは、この手の話はしないほうが良いのかもしれない。近畿地方は意外も意外だった。四国では気楽にしゃべれるのではないか。ちなみに関東は17%→38%。九州は昔も今も同じで31%→37%となっている。

知り合いで、この手の話を信じないで、それでいて、死を怖がっているのがいるのだが、何ともなあ、と思ってしまう。この書では、現世での生き方の知恵や倫理が書かれていて、きちんと生きていこうと思わせてくれる。良い本だ。座布団5枚は当然。

 

 「かすていら」  さだまさし著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

以前ここにも触れたが、テレビドラマで見たのがきっかけ。ドラマが良かったので、本も読もうと思った。ドラマもなかなかの出来であったと感じた。さだまさしと彼の父親との思い出をつづったものだが、なかなか良い。面白いし、リズムよく読める。座布団5枚進呈。

 

 「死の淵を見た男」 門田隆将著。PHP.

 AKI評価:☆☆☆☆☆

初版は2012年暮れに出ている。だから、もう1年半たつ。新聞の広告でよく出ていたので、いつか読もうとは思っていた。おそらく、多数の人が読んだのだと思う。私は、この本を読んでいて、一番思ったのが、再稼働の事。崩壊寸前が天恵によってこの国は助かったのだが、よく簡単にこういったことを忘れるよね。日本人ほど過去を引きずらない国民はないのだが、それにしても、こればかりはそうはいかないだろう。基本的には、全てありえないという思い込みと油断と自惚れが原因となっているのだが、もし、それが原因なら、日本の原発の将来が何とかなっても、必ず他の国で事故を起こすだろう。それにしても、最悪、チェルノブイリx10だったとは驚いた。黒澤監督の「夢」みたいなことが本当に起きるとはなあ。経済成長、コスト、金儲け、天変地異、いろいろなことを常に考えるために、日本人は皆この本を一読しておくべきだろう。座布団5枚。

 

 「食品の裏側2」安倍司著。東洋経済。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

東洋経済がこういったものを出すところが、なかなか良い。日経と一線を画している感じだ。

私が食品に興味を持っていたのは、アレルギー問題なのだ。最近やたらとアレルギーの話ばかり耳や目に入る。アレルギーで死ぬなんて考えられない。私のガキの頃は、クラス55人のうち、アレルギーで皮膚が荒れるとか、咳をするとかいうのはいたことはいたが、一人か二人程度の話で、さして重症でもなかった。それが、今見ればわかるでしょ。それで、まあ、食品や食事に興味があったんだよ。

この本は衝撃の本で、結構売れているらしいし、最近は、この手の食品の話が人々の興味をひくらしいね。私は、この著者がメーカーや商社の必殺仕掛人にやられるのではないかと心配したくらいだ。まず、気にしたら切りがないから無視というのは、その人の勝手だから別にかまわないが、子供がいる家庭は絶対に知識を持っていた方が良い。親として当然の義務だと思うよ。

コンビニやスーパーなどのカット野菜がいかに添加物で危ないものになっているのか、中国の食べ物は食べないという人でもファミレス系のサラダバー食べ放題で食べる野菜が、消毒剤などでどんな化け物になっているのか、知らないといけない。インスタントラーメンを食べながら、減塩醤油を使う人もラーメンの塩分を調べたほうが良い。以前、鎌倉に行ったときに駅前の肉屋で鎌倉ハム買ったんだけど、高かった。だが、世間のハムがどうやって作られているのか聞いたとき、私は非常に納得したのである。パンも山パンでなくて、街のパン屋で買うとかね、工夫が必要だ。

野菜でも見た目の良いものが安全とは限らない。曲がっているキューリやナスがまともなのかもしれないのである。コンビニ弁当やおにぎりや、なんとか弁当屋の食品が、どんなものなのか、知らないといけない。私は、これを読んで、この20,30年のアレルギー症の急増は、食品添加物であると100%確信したね。ってなわけで、長くなったがこれでも短く書いた。子供のいる親は必読だぜ。座布団5枚。

 

 「殺人犯はそこにいる」清水潔著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

年末に発売された。子供のいる両親が読むのは当然。私は、検察、警察、裁判所のような権力が嫌いであるし、マスコミも嫌いである。

私はこのような真実を報道した日本テレビや、出版した新潮社と、当たり前であるが、この記者にも深い敬意を払いたい。権力というのものが、いかに恐ろしいものであるかを知らしめるもの。例の冤罪の菅家氏の足利事件で彼が無罪となった、女の子5人の殺人犯はその辺にいるのである。この記者はそれをつきとめて、警察や検察を問い詰めるが権力は動かない。国会議員たち有志、首相まで出てきても司法は動かない。動いてこの人物を捕まえると非常に都合の悪い事実があるからである。もう一つの冤罪があるのだが、その人はすでに死刑にされている。それが冤罪だとわかってしまうからである。つまり、司法=正義なんて嘘なのである。

桶川事件なども出てくるのだが、我々に無関係ではないのである。いつ、刑事たちが突っ込んできて逮捕!なんてことがありえないわけではないからだ。我々誰もが、いつ殺人犯にでっち上げられるのかわからないのである。どうしてそんな不条理なことが起きているのかを書いている。そして世に問いている。殺された女の子5人の無念を晴らすためが最初の動機だったが、よくこの清水氏は取材したものである。金箔座布団5枚。

もともとやらせとは思っていたが、私は、沢口康子の科捜研も検事名取裕子も検事朝比奈耀子も十津川警部も大ファンであったが、もう見ないことにしたのである。ちなみに、事件報道のテレビや新聞は、99%警察発表を鵜呑みにして、そのまま出しているのだそうだ。

 

 「「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい」」 森達也著。ダイヤモンド。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

彼の事はあまり知らなかった。ずいぶんとネットの匿名で売国奴だとか、おまえは日本人ではないとか批判されるようだ。書評で1にしているのは、そういう人たちなのだと思う。ああいうネット批判を見ると何だか戦前の雰囲気と同じ印象を持ってしまう。

最初はチンタラと読んでいた。しかし、次第に、ふ〜む、そういう視点もあったか、なるほど、そういう見方もできるのだなと、感心することが多くなった。あまり固定観念に捉われずに読むと良い。なかなか良いことを言ってると思う。バランスがとれている。座布団5枚。

 

 「詐欺の帝王」溝口敦著。文春新書。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

おれおれ詐欺、未公開株勧誘、ヤミ金etc.裏社会のシノギ、驚愕の手口。まあ、表紙に書かれている通りのお話。驚くことが多かった。著者は、詐欺師の隆盛は続くと結論付けているが、私も同感だ。興味深かったのは、大金を稼いだこの連中の金の使い道。いろいろ私がここで述べても意味がないことで、読むのが一番。読んだ方がいいでなくて、義務として読みなさい。座布団5枚。

 

 「村上海賊の娘」 ) 新潮社。和田竜著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

週刊新潮に2年間にわたり連載されたもの。広告がよく出てるから知られている作品。本屋大賞。彼の前回の「のぼうの城」も確か同じ大賞。本屋さんに好かれる作家なのだろう。

最初、語りが現代語だったりする場面が多いので、読みにくかったが、その後はそういうこともなくなったか、慣れたかで普通に読めた。結論から行くと面白い。座布団5枚。

戦闘の場面は脚色もあると思うが、あまりこの手の作品が多くないので新鮮ではあった。私が驚いたのが、最後に出ている参考文献の多さ。私が感心したのが、登場人物たちのその後。要するに、よく調べているのである。テレビがない時代に、いろいろな時代小説が流行ったが、この小説もネットが、なければもっと読まれていたと思う。

まあ、読書と言うのは、やらない人は、ほとんどしないし、する人は黙っていても勝手にやっているので、その辺はご自由に。私の方は、残り人生が長くないので、なるべく多く良い本を読みたいと常に考えている。だから、つまらない本に出会うとがっくりしてしまう。どんな本でも最後まで読むことにしていたが、今後は、半分読んでつまらないなら捨てようかと思っている。

 

 「下町ロケット」池井戸潤著。小学館。2011年直木賞作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

以前から気になっていた本。買おう、読もうと思いつつ、日が過ぎていってしまった本。たぶん、すでに読んでしまった人も多いと思う。

ご存じ、半沢直樹を書いた作者であるから、面白くないはずはない。最初は、大銀行と大企業の悪代官的なものばかりが目立っていたが。途中から俄然と面白くなってくる。後半は、面白くて、睡眠を削ってまで読み終わらせたものだから、眠くて仕方がない。読みながら思い出していたのは、日本の高度成長期。こんな企業ばかりだったろうなあ、役所も官僚も今のように足を引っ張るのでなく、国策が経済成長だったから後押しも強く、1億人全員が目標を持っていた時代、そんなことを思い出していた。

そして、この本は、日本人にプライドを取り戻させて、なおかつ、元気にさせてくれる作品である。これを読んでも元気が出ない日本人なら、アホではないかと思う。座布団は圧倒的5枚。老若男女、皆に読んでもらいたい作品である。しかし、この作者は、読者の心をひきつける力が並ではない。

 

 「太平洋の試練」 ()。真珠湾からミドウェーまで。イアン・ドール著。村上和久訳。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

アメリカ側から見た太平洋戦記であるが、いやあ、実に面白かった。読みながら頭の中に大パノラマが展開する感じ。

非常にフェアに書いている。あの南雲司令官をかばうような事を書いているのは目を引いた。確かにそうだ。もともと不適任人事だしね。ミッドウェーまでは読んでも楽しい。ミッドウェー前から、読むスピードが激減する。元気なくなるよね。結果もわかっているし。あの海戦がどのくらいの影響度があったのか、その前の珊瑚海海戦がどのくらい影響度があったのか、よくわかる。アメリカ人たちが何を考えていたのかよくわかる。

今年、ミドウェー以降の海戦をたどった続巻が出るようで非常に楽しみだ。第二次世界大戦のアメリカの戦史の中心は欧州戦線であり、陸軍史らしく、海戦史は珍しいらしい。戦記物の良いところは、心理学、戦略、いろいろな事を研究、学ぶことができることだ。座布団5枚。日本男児諸君、是非とも読んでもらいたい。

 

 「坂本龍馬を斬った男」幕臣今井信郎の証言。今井幸彦著。新人物往来社刊。新人類文庫

 AKI評価:☆☆☆☆☆

仲の良いお客さんから贈られてきて読んだ。最初は特に何も感じなかったのだが、途中から終わりまで、この今井信郎という侍の後半生の激動を読んで、いたく感動した。こんな話は知らなかった。昔から謎の龍馬殺害事件の概要をよく知ることができた。座布団5枚。

 

 「死刑執行人サンソンー国王ルイ16世の首を刎ねた男」集英社。安達正勝著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

仲の良いお客さんから贈呈されたのだが、嫌なタイトルなのでいまいち乗り気でなかった。静かに読み始めたが、後半は、涙が出そうになった。事実の話なのである。フランスの最後の王様、ルイ16世、奥さんのマリーアントワネット。ナポレオン。フランス革命。いろいろ絡むのだが、200年くらい前の話。あの当時の欧州の歴史は、実に知る価値のあるものだ。知らない世界だったので、私には新鮮で、非常に感銘した。座布団5枚。

 

 「マーケットの魔術師」エッセンシャル版。小野一郎訳。ダイヤモンド。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

う〜〜ん。マーケットの魔術師と新マーケットの魔術師が秀作だったので、何もあえて短縮版を出すこともないと思ったけど。逆にあの二冊が光ってしまう。あの二冊も必ず読むと言うことならば、座布団5枚進呈。

 

 「サイゴンから来た妻と娘」文春文庫。近藤紘一著。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私がサイゴンに行った頃に、この人は産経のサイゴン支局長だった。ここに出てくる話が、すっと入ってくるのも同時期に私もサイゴンにいたからだろう。最初から、とても面白い。楽しく読めて、笑える。次第にいろいろ深い話になっていく。含蓄があり、全てにわたって是非とも読んでもらいたい本。去年、再刊されて20版を重ねている。それで、この著者の事を調べたら、「サイゴンの一番長い日」を執筆している。昔読んだことがあるので、ああ、あの著者かあと思った。当然、座布団5枚進呈。さっき、1986年に45歳の若さで亡くなっていることを知り、衝撃。

 

 「絶望の裁判所」 瀬木比呂志著。講談社新書。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

衝撃の本。わかりやすく書いたと著者は言ってるが、やはり素人にはむずかしい。それでも細かいところは飛ばして、通読をすると全容は理解ができる。訴訟を起こした人の満足度は18%だそうだ。私も最近の裁判に違和感があったので、納得はできる。裁判官というのは、我々の想像を絶する人種らしい。何かあったら裁判で決着をつけたいなどと思ってもあまり意味がないらしい。面倒だから和解勧告の連発らしい。我々一般人は裁判所に疎い。だからこそ、読んで知識を得るべきなのだと思う。なお、著者は元裁判官。座布団5枚。

 

 「ウォール街欺瞞の血筋」英語のタイトルは、すっきりのBlood on the Street. チャールズガスパリ―ノ著。田村勝省訳。東洋経済。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初から座布団5枚の大著。著者はミズーリ大学卒だし、訳者は私と同い年だから、馴染みやすかった。著者は元ウォールストリートジャーナル紙の記者。しかし、日本ではどうしてこの類の本が出版されないかねえ。1億儲かった話だとか、儲ける方法とかそんなのばかりだものね。

ナスダックが400くらいから5000越えまで暴騰して暴落した90年代から2000年当時のストーリー。事実であるが、まあ、呆れる呆れる。アメリカ人というのは、というかウォールストリートは金まみれで狂っている。たぶん、こんな経過をたどったにも関わらず、リーマンの伏線だったのだと思う。シティ、ソロモン、ゴールドマン、モルガンスタンレー、メリル、まあ、悪ばかりだよ。そして、金まみれは、弁護士連中も同じ。政治家も同じ。

アナリストたちがバブルを醸成したとなっているのだが、その起点から結末まで、丁寧に描かれている。金融証券界の事を知らない人でも引き込まれる話だと思う。恐るべしアメリカの金の亡者たち。あまりに桁が違うので茫然自失である。SECは監督庁だが、あまりにいいかげんだったことも知った。スピッツァーはNY司法長官で追及したほうだが、その彼も名声を受けて、それを土台に知事になっている。裏話、和解案、まあなんでもあり。是非読むと良い。読みがいがある。

 

 「夢をかなえるゾウ3」水野敬也著。飛鳥新社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1と2で280万部とは驚き。最初は、三番煎じだなあ、とあまり気乗りせずに読み進んだ。途中から、俄然、勢いを増してきて、ズンズンと心に入ってきた。再び学ぶこと多し。このシリーズが学校教育に取り入れられるようになれば、教育界も変わりそうだ。取り入れるだけの度量があるとは思えないが。再び、座布団5枚。ところで玄関にガネーシャ像が座っている。数年前にカンボジアで売っていたので買ったのだ。

 

 「あっちの豚 こっちの豚」佐野洋子著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

風呂の中で読み終わってしまった。その割には高い。作家は5年前に亡くなっている。読後、なんだろ、何言いたいのだろう?時間を置けば、何かわかるかもしれないと思った。表紙を読んで、さらに考えて、なるほどねと思った。大人と子供のための名作絵物語となっている。今も脳裏に残っている。座布団5枚。

 

 「日本軍と日本兵」−米軍報告書は語る。一ノ瀬俊也著。講談社現代新書。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

捕虜になった日本人が語った事や、日本軍と対峙した米軍人たちの意見などを参考にして、米軍は小冊子にして全軍に配布していたようだ。あまりにも無残に太平洋の島々やビルマ戦線で負け続けるので、嫌になってくるが、さすがに、フィリピン戦線、沖縄戦線では、満州の陸軍の第一師団が出てきて、相当に米軍もてこずったようだ。圧倒的に兵器が足りない状況で、戦う前線から学ぶことは多い。なお、沖縄や硫黄島では、太平洋の島々と違って、本土から近いので、食料などは豊富にあったようだ。我々は、歴史から学ばなければならない。座布団5枚。

 

 吉村昭著の戦艦武蔵

 AKI評価:☆☆☆☆☆

武蔵の事で話題もちきりだね。武蔵を知るには、やはり、吉村昭著の戦艦武蔵を最初に読まないといけないだろう。それから、他の武蔵関連を読んだ方がいいね。肝心な時に石油不足で活躍できなかった優れた戦艦であるが、補給という発想がなかった軍部の犠牲になったというところか。アキの書棚にないね。でも事務所の本棚にはあるから、20年以上前に読んだのだろう。

 

 「ソロモンの偽証ー決意」宮部みゆき著。新潮社。単行本。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

3部作のうちの2部目。1部はずいぶん前に読んだのだが、読む本が多すぎて、後回しになってしまっていた。ところが映画をやるというので、慌てて購入して読んだ。しかし、こんな分厚い3部作を映画で2時間?無理だと思うんだけどなあ。今のところ、座布団5枚は必至だけど、現在、三部作目を読み始めた。しかし、すごい執筆力だなあ、彼女は。アシスタントたちも多いのではと思うけど。彼女の作品は、外れがない。全て面白い。

 

 「原発事故で、生きものたちに何がおこったか。」永幡嘉之、写真、文章。岩崎書店。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

先月出版されて、すぐにあちこちで売り切れになって、手に入れるのが大変だった作品。私がとやかくいろいろ書く必要はないと思う。読んでから何日もたつが、脳裏を離れない。あえて二つばかり書くとすると、遺伝子が壊れるというのと、30−40年後でないと本当の事はわからないという事かな。写真は大きく、本も大きい。文章は長くない。別に原発批判をしているわけでもない。淡々と今の実情を写真と共に語りかけている。原発再稼働を目指している人たち、当然と考えている人たち、原発誘致をしようとしている人たちは、絶対に読むべき本と言えよう。文句なしに座布団5枚。

 

 「ポーツマスの旗」吉村昭著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

久しぶりに寝るのも惜しく読みふけった本。35年前の著作。内容は、日露戦争後の日露外交交渉にあたった小村寿太郎外務大臣を中心としたドキュメンタリー風物語。物語と言っても事実なのだが、物語風に読めてしまう。

私は、明治時代の政治家、軍人、官僚に強い尊敬の念を抱いているが、偉大さを再確認させてくれた。当然ながら、昔の事は良く書かれることが多いので、その辺は差し引かないとならないのだが。この外交交渉は、外交の歴史の浅い日本人にとっての教科書と称されている。その駆け引きがゲームのように感じられる。

物語は、終戦交渉締結までと、締結後の話と両極端に分かれている。前半は、胸躍る、ハラハラとした展開、後半は、沈む展開で気分が塞いでくる。けっこう、私はこの時代の事は知っているつもりであったが、新たな知識を得ることができた。日本海海戦で海軍は大勝利を収めたのだが、満州戦線での陸軍と露軍の戦いが、日本の財政事情もあり、陸軍も政府も、戦争継続ができないとしていた。露軍のほうが圧倒的に強いのは、その後のノモンハンの戦いで惨敗を喫したことからもよくわかる。負けたから事変などという言葉でごまかしているだけ。

問題は、当時の政府も軍部も懐が空っぽで、戦争継続は無理ということを国民に言えなかった事。言えば、ロシアは協定締結などしないし。そういったことを知らない国民やマスコミは政府批判と小村殺せの運動を展開して、暗い動きに転じる。外交関係の本で、これほど面白いものはないだろう。しかし、日本人というのは、普段はおとなしいのに、突然豹変して傍若無人となる。

あらためて、明治の先人たちの努力と苦労に頭を垂れたい。座布団5枚。

 

 「心のふる里を描く」原田泰治著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

恥ずかしながら、この人の事を知らなかったのである。ラジオ深夜便をよく聴くのだが、彼がゲストとして出ていて、再放送もあったので、頭に残っていて、この本を購入した。1800円であるが、3000円出しても良いと思った。座布団も5枚でなく、10枚出したい気分である。素晴らしい絵である。この人の絵をパラパラ見ながら、技術革新のIT時代に、我々日本人が得たものと失ったものが、くっきりとわかる。必ず、諏訪の彼の美術館を訪れたいと思う。是非とも皆さんにも読んでもらいたい。感動を共有したい。

 

 「足元の小宇宙」 埴 沙萠著。NHK出版。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

82歳の植物生態写真家が見つめる生命 非常に高評価な作品。私も座布団5枚。知る人ぞ知るで、この人の植物写真とストーリーは、何度かNHKで放送されたらしい。以下が彼のブログ。

http://ciabou.com/ciabou/index.html  美しい植物の写真集をテレビ映像でなく、本の写真でどうぞというもの。徐々に感動が湧きあがってくる。私の植物を見る目も変わると思う。何気なしに見逃していたものがあまりに多かったと実感した。写真と共に彼のコメントが味わい深い。是非、見てほしい作品である。

 

 「東京新聞の筆洗」 瀬口晴義著。廣済堂新書。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

朝のラジオで、エコノミストの内橋克人氏が勧めていたので読んでみた。内橋氏は、一般人にもわかりやすく解説するので評価の高い人だ。

最初は、民主党、次は自民党となるのだが、批判ばかりで、辟易していたのだが、そのうち、新聞は、政権批判をすることも大事な役割なのだと改めて感じた。つまり、戦前の愚を起こさないためには、言論の自由を失ったら、元も子もないわけで、批判精神は常に持つべき媒体なのだと思う。ただ、何でも批判することよりも、良いことは良いと認める姿勢も大事だとは思うが。

新聞が政府と同じような事ばかり言ってるのでは、不要な存在だ。新聞、報道の正しい姿勢は、真実を伝えることに尽きると思う。権力にとって都合の悪い事でも暴くべきだろう。読んでいるうちに、つまり、この4−5年程度の事なのだが、忘れていた大切な事をいろいろ思い出させてくれた。そして、大切な事を再考させてくれた。いろいろな観点から、座布団5枚進呈したいと思う。青臭い事も書かれているが、それはそれなりに良いと思う。検察、特捜を持ち上げてヒーローにしてしまい、鬼平どころか、ゆがんだ正義感、傲慢な世直し姿勢、などにより、いろいろ不祥事を起こした。マスコミにもその責任はある、としているのだから、ダメだったことはきちんと認める姿勢のようだ。
 

 「恋文」 連城三紀彦著。新潮社。ハードカバー。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

作者は2年前に亡くなっている。直木賞受賞作。恋文も含めて短編5部作。最初の恋文は、いまいち好きになれなかったが、残り4作は非常に心に残る。直木賞の選考委員たちのコメントも非常に評価が高かった。読めば読むほど味のある作品集である。文句なく、座布団5枚進呈。友人が最近座布団5枚が多いと言っていたが、そうでないと困る。こちとら、大事な時間を読書に振り当てているので、外れの作品にあったときのショック度も大きいのだ。
 

 「逃亡」 吉村昭著。文春文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

実話のようだ。小説より奇なり。海軍にいた若い兵隊が事件を起こして逃亡するのだが、なんともすさまじい逃亡劇で、後半は息もつかせぬ展開。白黒画面が似合う小説って感じ。座布団5枚。
 

 「蛍草」 葉室麟著。双葉社。単行本。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

評価は高い。彼の作品はいくつか読んできている。この作品のイメージは、昔のテレビの時代劇。いわゆる悪い奴をやっつけるというタイプのもの。読んで楽しいかと言われれば座布団5枚、心に残るかと言われれば5枚、皆に必ず読んでもらいたいかと言われれば、3枚程度。割安な文庫本もある。
 

 「黒鉄の志士たち」 植松三十里著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

佐賀が日本で大砲を進化させた藩だとは知らなかった。藩主の鍋島直正が相当な名君だったようである。欧米に追い付けという大砲の技術革新をするのだが、その努力に頭が下がるのだ。こういう武士たちが明治以降を作ったのだと思った。歴史的にも参考になる話が多く、花燃ゆ、を見るなら、この本を読んだ方が良いだろう。座布団5枚。力作である。
 

 「馬券偽造師」 中山憲治著。アールズ出版ー幻冬舎。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2001年作品。これも読んでみてくれと言われて、読んだ本。まず、タイトルが失敗だと思う。これでは、最初から読者層が限られてしまう。読みながら、よくまあ、こんな人がいるものだと呆れていた。全く知らない世界であるが、こういうことに手を染める人種の心理が徐々にわかってくる。この本の最大の読みごたえは、警察に捕まった後の話。実に面白く、一気に読み終えてしまった。最後は楽しい気分になる本で、座布団5枚進呈。
 

 「群青」 植松三十里著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

副題は、日本海軍の礎を築いた男となっている。矢田堀景蔵という人物を知らなかったなあ。すごく良い。読みごたえがある。臨場感も一杯。男子諸君は是非とも読んでもらいたい。NHKも花燃ゆでなく、この作品を大河ドラマにした方が良かったのではないのか?官軍側から書かれたものより、負けた幕府側から書かれたものの方が、歴史がわかりやすい。座布団5枚。
 

 「咸臨丸、サンフランシスコにて」 植松三十里著。角川文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この作者は相当に詳しく調べて書いているね。すっかり、男性作家だと思っていたら、女流作家だった。ますます驚き。非常に良い。秀作である。一気に読んでしまった。いろいろ考えさせてくれて、学ぶことも多い。座布団、当然5枚。
 

 「優しさごっこ」 今江祥智著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ずいぶん古い作品で、1977年作品。自伝的作品。離婚して、男親と一人娘の物語。NHKで放映されたこともあり、当時のベストセラー。作者は今年亡くなっている。静かに流れる作品。迷って座布団5枚。いちおう心に残ったので。
 

 「桜田門外の変」 上下。吉村昭著。新潮文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この本のおかげで睡眠不足になる事数夜。全体がドラマ、映画という感じ。NHKも花燃ゆ、でなくて、この本でしょ。視聴率15%は硬い。井伊大老サイドから見るものと水戸藩から見るものでは、全く異なった世界になると思うが、安政の大獄に至るまでが強い流れ、襲撃殺害で再び大きな山場。それでおしまいでなく、実行犯たちのその後を丁寧に追いかけている。映画で描かれている雪の中の襲撃は、そんな映像のようにきれいなものではなかった。作者の地道な取材と研究に頭が下がる。非常に心に深く残る作品で、これが座布団5枚は当然のことだろう。女性読者が好むかどうかはわからないが、男性諸君はおそらく、寝る間も惜しんで読み続けるだろうと推測できる。この8年後、明治維新となる。強く一読を勧める。
 

 「敗戦」 川島高峰著。読売新聞。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

副題が占領軍への50万通の手紙となっている。安保論議が現在活発であるが、この書を読んで、日本人の本質を見つめると良いと思う。戦前戦後の半年間での日本人の変貌ぶりに愕然とする。都合の悪い事は忘れるのが得意と言われる日本人であるが、まさにその通り。どうしても極端から極端に走りやすい。普段おとなしいから、ひとたび配線を間違えると一直線。手紙の中には漢字+カタカナという私の苦手のものがあるが、無理に読まずにそういう箇所は通読にした。読んでおくべき本として、座布団5枚としておきたい。若い世代が読んだら、呆れるのではないだろうか?
 

 「脳の強化書」 加藤俊徳著。あさ出版。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

これは以前書かれたもので評価が高かったものだが、この後に出ているものも結構売れているようだ。あまり無理に書かれている通りにやろうと思わずに最初は読む。二度読みを勧める。二度目は、やれることをやってみたら良い。それなりに学べる本。座布団5枚。読んでみるだけの価値はある。
 

 「軍艦長門の生涯」 

 AKI評価:☆☆☆☆☆

阿川弘之が亡くなった。彼の著書はよく読んだ。心に残っているのは、「軍艦長門の生涯」かな。最後、アメリカの核実験の材料(長門だけでなく世界の古い戦艦も)にされてしまうのだが、人の一生が終わったみたいで、今でも読後感を覚えている。座布団は当然5枚で誰も文句ないだろう。
 

 「父の肖像」 辻井喬著。新潮社。( )。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私は読むのが速い。通読ができる。だが、この本には時間がすごくかかった。通読させてくれないのである。辻井喬は、西武セゾンの堤清二氏の事であるが、西武王国を築き上げた父・堤康次郎氏の事を書いた著作である。当然ながら清二氏本人も下巻では頻繁に出てくる。この人の文章は美しい。一字一句読まないとならないような気分にさせられる。読書好きには堪らない本である。

堤康次郎氏の破天荒ぶりもすごい。日本の傑物と言えよう。そして、詩人、小説家としての清二氏もすごいと思うのである。西武王国の崩壊を改めて調べると、この一族、血族、では結末は致し方なしと思わせる。なんともおかしな気分になる。清二氏の経営者としての資質には疑問符があったようだが、この本を読めば、彼にあまりそんな気もなかったのがわかる。2年前に亡くなったが、久しぶりに読書をしたという感動がある。座布団5枚。
 

 「銭天堂」 廣嶋玲子作、JYAJYA絵、偕成社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

新聞の下段の広告を見て、絵が面白そうだし、ふしぎ駄菓子屋なんて副題も面白いと思って買った。面白かった。大人も楽しめると言うのは本当だ。これ、本来は小学生向けかなあ。イソップ童話日本版みたいな感じ。五巻まで出ているので、第二巻をいつ買うか考えている。読む本が今たまっているからね。座布団?5枚ですよ〜。
 

 「ふしぎ駄菓子屋・銭天堂」2:廣嶋玲子作。JYAIYA絵。偕成社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

アマゾンも困るなあ。1を読んだ後、パラパラとたまに誘いメールが来る。それで買ってしまったわけである。再度面白かった。座布団五枚。大人向け童話、子供も読めるってやつかな。遊び心が必要だよ。こういう本を読まない奴が、路上ライブ禁止とか、屋台は禁止とかやるんだよ。そう、江戸時代の役人と武士みたいな連中。江戸っ子は、この本を楽しく読んで、粋に生きるのさ。
 

 どぜう屋助七:河治和香著。実業の日本。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初からスローなスタート。読み進むにつれ、面白さが拡大してくる作品。ご存知、駒形どぜうの物語となっている。あの店は江戸時代の後期に開店して、この話は三代目を中心としている。時代は、幕末が迫るころ。江戸っ子、江戸の言葉をたからかにうたいあげる。上方では七味唐辛子というらしいが、江戸じゃ、なないろ、に決まってるだろ、って感じ。むらさきも同じようなものなのか。非常に上方を意識しているのが江戸というのがわかる。

読み終わると、あとがきにかえてというのがあって、それを読むと、登場人物たちの事がわかると言う次第。私があの店に初めて行ったのは、35年くらい前の事。だから、あの店の佇まいを思い出しながら読んでいた。今度は、ドジョウ鍋だけでなく、どじょう汁、鯨も食べてみないといかん。今でもゴボウのささがきは手製だそうだ。それにしても三代目の親友があの有名な鰻屋を始めた人物だったとはね。この本は、東京の連中だけでなく、関西の人も読むと楽しめると思う。座布団5枚。
 

 「翼はいつまでも」 川上健一著。集英社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

坪田譲治文学賞作品。最初は石坂洋二郎の陽の当たる坂道を思い出し、スタンドバイミーを思い出し、日本テレビのこれが青春だと思いだして読んだ作品。明るい青春物で中学生の恋、スポーツ、学園生活を描いた作品。なんだかほんわかした小説。後で見ると作者は私と同い年で、おそらく、これは自伝的作品ではないかと思った。本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1となっている。座布団5枚。
 

 「艦爆隊長の戦訓」 阿部善朗著。光人社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

戦記物は何十冊も読んできているので、おのずから焦点は、私が知らない事、新しい視点を探すことになる。その点については、申し分がなかった。まだまだ知らない事も多いなあと実感した。著者は真珠湾攻撃にも参加して、最後まで生き残った軍人。真珠湾戦争は不要だったと言う話も興味深かった。読者層は限られると思うが、読みやすくなっており、座布団五枚進呈したい。
 

 「僕の死に方」 金子哲雄著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私は彼の事をあまり知らないのだが、聞いた事がある程度。世界でもあまり例のない病気になって亡くなったわけであるが、41歳。家族が早死にしているようでDNAかもしれない。その彼が病気というか、いつ死んでもおかしくない宣告を受けてからの心の葛藤を死の直前まで書き連ねたもの。終わりに残された奥さんのコメントがあるのだが、さすがにあれは涙腺が緩む。60歳以上はともかくとして、60歳以下の人は読むべき本だと思う。そして、いずれ誰にでも来る死について考える良い機会になると思う。良書と言えよう。座布団5枚。
 

 「立花隆の書棚」 中央公論。3240円。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

こういうものまで税金を取るのは良くないよ。本屋で見かけて皆驚く厚さの本だよね。私も買ってからしばらく放置していた。圧倒的な知の世界と書かれているが、まさにその通り。あのおばさん顔の立花氏のテレビなどでの解説を聞いているととてもわかりやすく、頭のいい人だという印象は昔から強い。この本では、私の知らない事ばかりで、まさに彼の授業を受けている気分になった。ためになるとかそういう観点でなく、新しい知識を得る喜びみたいなものを感じる。本が分厚いのは写真のページが多いからだ。字体は読みやすい。彼の蔵書は10万から20万冊というのだから、もうびっくらである。あらゆる階層の人々に読んでもらいたい座布団5枚の強烈な本である。私は再読しようかと思っている。ただ、持ち歩くには厚すぎるので、読めるのはトイレ、お風呂、寝床に限定されるけど。
 

 「トランクの中の日本」 ジョー・オダネル写真、ジェニファー・オルドリッチ聞き書き。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆☆  座布団が5枚しかないのが残念。

座布団が5枚しかないのが残念。久しぶりに衝撃を受けた。

多数の人がこの中にある写真のどれかを見た事があると思う。核と戦争を考えるロングセラー写真集となっている。全世界の人が見るべきだろう。彼は従軍カメラマンで日本敗戦後、佐世保、長崎などを中心に写真を撮りまくった。彼は日本を離れてから、忘れたい記憶としてネガ300枚をトランクにしまいこんで封印していた。この本には57枚の写真が掲載されている。

1949年から5代の大統領の写真をとり、キング牧師、あの暗殺事件の時のケネディー夫人、マッカーサーなど撮った写真は有名である。それで私は彼の名前を記憶していた。1968年に、当時長崎を歩いたために原爆病になり、一線を20年遠ざかる。1989年にテネシーで写真展を開くものの賛同者も多かったが、反対するものも多かった。南部では特にそういう傾向が強い。1995年にスミソニアンに写真展示を企画するものの、反対派の圧力で潰された。2007年長崎原爆投下の日に亡くなる。その後、日本でも各地で展示が行われたようで、テレビでも紹介されている。

私は怒りを覚える。アメリカ憎しと思った。落とさなければ米軍が100万人死んだ等という馬鹿げたプロパガンダを信じているアメリカ人たちに憎しみを覚える。だが、アメリカ国内でいくら非難を受けながらも、原爆は悪であるとして、訴え続けたアメリカ人もいるのだという事実に救われる思いだ。

残酷だなと思った写真は一枚だけで、後は静かな写真ばかりである。そして、その一枚一枚の写真が我々に何かを語りかけてくる。後半では私は涙を抑えるのが大変であった。戦争の結末というのは、こういうことであると見せてくれている。2500円であるが、倍以上の価値があると思う。書棚に残して、子孫に見せるべきものだろう。感動の写真集である。白黒写真の良さが100%出ている。
 

 「終わりに見た街」 山田太一著。小学館文庫

 AKI評価:☆☆☆☆☆

山田太一の作品なら、外れはないだろうと思って読んだ。いちおう反戦小説。日曜日のラジオ小説で以前やっていたのを思い出した。ラジオは最終回まで聞かなかったので結末は知らなかった。現代から、戦争時代の昭和19年にタイムスリップする話。最後が衝撃の結末。
 

 「小さな会社の社長の戦い方」 井上達也著。アスカ。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

非常に面白い経営の本だ。この手の本で、目からうろこって事はあまりないのだけど、これは、うなづくことが多かった。一般の人が読んでも頭に入るのでお勧めだ。とても読みやすい。座布団5枚進呈。
 

 「ぼんぼん」 今江祥智著。理論社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

もともと岩波少年文庫だから、少年向けの作品だが、作者は大人にも読んでほしかったようである。童話の方に分類されているようだ。小学生の男の子の戦前戦時体験を中心としている。大阪が舞台。言葉は関西弁。良書と言える。しみじみといろいろ感じさせてくれる本。静かな反戦物語と言える。座布団5枚進呈したい。
 

 「卑弥呼のサラダ・水戸黄門のラーメン」食から読みとく日本史。加来耕三著。ポプラ社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

幅広く知識を会得してきたと考えてきた私も、知らないことが多すぎて、最近は戸惑いすら覚える。この本は、学校の教科書の日本史と交換すると良いだろう。いろいろ学べて楽しい。しかし、昔から、牛乳やチーズみたいなものが精力剤だったとは知らなかったなあ。当人たちも知らなかったようだが、資料分析するとそうなってしまうのだそうだ。紫式部が50年前に日本から唯一世界の偉人に選ばれたらしいが、フランス人たちは、現代の女性と思ったらしい。謙信の強さのもとも披露されていたりして、入れ替わり人物が登場して、やはり面白かった。座布団5枚進呈。
 

 「深川恋物語」 宇江佐真理著。集英社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

吉川英治文学新人賞作品。彼女は先日亡くなったんだよね。私と同い年。それで読んだことがなかったので、取り寄せてみた。短編集6編が収められている。江戸深川辺りの人情を扱っている。江戸っ子言葉が、とても小気味よく、物語に花を添えている。ホロリとさせられる。心に残る。読書中は、江戸下町に自分もいる気分になる。座布団5枚。
 

 「新橋烏森口青春篇」 椎名誠著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

自伝的小説だが、エッセーのようにも感じられる。彼の最初の就職先が雑誌の会社。30年前の作品で、NHKのドラマにもなっており、当時話題になった。私の最初の就職先が銀座松屋裏の雑誌社で、最初読みながら、ニヤニヤしていた。あまりにもそっくりだったのでね。彼は私より5歳も上だから、私は当時彼の会社から近いところで同じような会社で同じようなことをやっていたわけだ。私はせいぜい1年だったが、彼はこの会社に数年いて編集長になっている。当時、つまり、1970年代の世相、社会、文化が匂う。若い人が読んで、うそ〜って思うかも知れないが、時代検証を思い浮かべながら読むと面白いだろう。迷ったが座布団5枚。
 

 「明日のことは知らずー髪結い伊三次捕物余話」宇江佐真理著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

面白かった。読んでいるうちに、電車乗り過ごしてしまったもんね。それだけで座布団5枚。江戸情緒に富んでおり、楽しく読めた。気楽にお勧めだね。
 

 「雨の狩人」大沢在昌著。幻冬舎。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

さすがにやっぱり面白い。読み応えたっぷり。サスペンス、ミステリー。これを映画化、ドラマ化するのは相当に大変そうだ。省かないと終わらない感じ。単行本で分厚い。文句なしの100点。座布団5枚。しかし、彼の作品でつまらなかったものないなあ。
 

 「さらば新宿赤マント」椎名誠著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

週刊文春に23年も連載したものの完結編とのこと。とても面白く、とても楽しく、とても役に立ち、さすがシイナクンってところだ。エッセイ集だが、一部一部が長くないので読みやすい。ぜひともご一読を。損はしない。座布団5枚。
 

 「特攻」栗原俊雄著。中公新書。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

航空特攻だけで4000人というのだから、相当なものである。テーマとして、彼は、戦後、生き残ったトップの連中が、特攻の責任を大西中将一人に負わせている、つまり、死人に口なし、だけど、本当にそうなのか?という疑問点が起点のようだ。多くの将軍たちが、特攻作戦にかかわってきているが、私から見れば、敗戦の時、将軍たち全員切腹が妥当だったと考えている。歴史的にも昔からそうではなかったのか?上が責任をとるのではなかったのか? 飛行機がなくなってからの特攻については、あまりにも常軌を逸しているので、語る気にもなれない。 大西司令長官は相当に人間的に魅力があったように見受けられ、私も当時若くしてパイロットだったら、彼の命令に従ったかも知れないと思うのである。特攻は、いろいろな事を考えさせてくれるが、永遠のテーマとして、常に読み続けていかなければならないと思う。姿勢を正して、座布団5枚。
 

 「真実の一球」 松井優史著。竹書房。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

だれでも江川は知っているだろう。栃木県小山、そして作新学院、そして法政、そして巨人だが、あくまで高校時代に絞っている。1973年は、日本中が江川フィーバーだったそうだ。騒がれていたのは知っていたけども。江川が最高だったのは、高校二年。確かに、掲載されている成績表を見ると、すさまじい。奪三振数や完全試合、ノーヒットノーランの数もすごい。松坂、ダルビッシュ辺りは論外みたいな感じ。その江川を巡るドキュメンタリー。丁寧な取材が好感される。著者の熱い思いに座布団5枚。
 

 「江戸捕物帳の世界」 山本博文著。祥伝社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この人は、よく歴史物のテレビに出てくるね。面白いというより、為になる、勉強になる、知識が増える。大岡越前や遠山の金さんや鬼平も出てくる。鬼平のところは興味津々であった。知らなかった人物も多い。これで、今後の時代劇を見る楽しみができた。と言っても、時代劇やってないなあ。NHKのは面白いの?面白くなさそうだから見てないだけけども。とにかくそういうわけで、座布団5枚。
 

 「富嶽」 前間孝則著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

副題が米本土を爆撃せよ、なんてなっているから、また提督の決断のようなフィクションものだと思って、放置していた。読む本がたくさんあるので、順番が回ってきたわけ。な、なんと、これが、座布団5枚だったのだ。

著者は、IHIで航空宇宙のジェットエンジンを担当していた人。富嶽の事は知っていた。あのB29よりも大きな長距離爆撃機でアメリカ本土を狙ったやつ。中島飛行機という会社があるのね。その創業者の中島という人が、巨人中島と呼ばれるくらいのすごい人だったのだが、彼を中心として話が進んでいく。中島飛行機は現在の富士重工だね。それで、大正、昭和にかけて、飛行機時代がやってくるのだが、中島氏は飛行機を戦闘用に考え出した人で、戦争の行く末も見事に的中させてしまったくらいの傑物。

飛行機、航空から見た太平洋戦史と言えるもの。今まで、そういう観点であの戦争を分析したものを読んでなかったので、非常に新鮮で、深い知識を得ることができた。日本は、誉という当時の世界水準のエンジンを開発したのだけど、彩雲という偵察機にもついていた。このあたりの飛行機名は全て提督の決断で覚えたからね。戦後、米軍が来て、彩雲を飛ばさせたらしい。ガソリンをハイオクタンのものにして、飛ばしたら、あまりのすごさに米軍もびっくり。作ったほうも、悪質なガソリンのせいで冴えなかったことがわかった。それで、その彩雲は戦争中でも米軍の戦闘機が追い付かなかったのだけど、終戦頃の最新鋭のベアキャットという戦闘機がかなわかった。アメリカが、日本に長いこと飛行機の自主生産を許さなかったのも理解できる。だからこそ、三菱の飛行機に感動する人たちも多いんだよ。

日本の技術はやはりすごいのだ。男子諸君は、ぜひとも読んでもらいたい。
 

 「義輝」 宮本昌孝著。徳間書店。単行本の

 AKI評価:☆☆☆☆☆

文庫本もあるようだ。足利義輝、剣豪将軍となっている。知らなかったね。足利将軍は、似たような名前が多いので、ごっちゃになっている。小説とは、事実と虚構の間の薄い紙と言われているが、まさにそんな感じで、本当のところはよくわからない。江戸時代になって、結構いろいろな歴史が幕府の意向に沿って、変えられたという話もあるし。時代背景としては、塚原卜伝、信長、信玄、謙信、松永弾正がいた戦国時代末期。長い小説であるが、力作と言えよう。上と下でずいぶん内容が変わるが、下のほうが面白いかもしれない。いろいろ考えたりして、小説として楽しめる。著者も結構研究している。座布団5枚。
 

 「哀しすぎるぞ、ロッパ」 山本一生著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

分厚い単行本。古川ロッパという喜劇役者は、私が子供の頃に亡くなった人で、よく聞いた名前であるが、知らない。彼の膨大な日記から抜粋されている彼の人生と彼を取り巻く芸能界の話とその時代背景などが書かれている。後半生があまりに悲しいものになっている。座布団5枚にすべきか迷ったが、5枚にしておこう。読後にいろいろ思いをはせることがあるからだ。まっこと、人生とは終わってみなければわからない。読む人によって読後感は違うと思う。
 

 「時代の風音」 堀田善衛&司馬遼太郎&宮崎駿。朝日文芸文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

三人の対談集。1997年出版だから、相当に古いよね。しかも、二人はすでに亡くなっているし。ただ、読み方としては、その後の推移を思い浮かべるとよい。ずいぶん知らなかった知識を得た感じがする。そう、学んだ感触。知の指針として、とても良い本である。相変わらず、☆一つを入れる人がいあるが、無視して、ぜひ読んでもらいたい。座布団5枚。
 

 「ほっぺん先生と帰らずの沼」 舟橋克彦著。岩波少年文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

初版は1974年と古いがその後新刊として出ている。著者の最後の言葉が良い。子供たちに読ませたい本であるが、大人の我々が読んでも学べることが多い。どうして、この本がいまだに人気を保っているのかわかるような気がする。座布団5枚。
 

 「羊と鋼の森」 宮下奈都著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ブランチブックアワード大賞とか本屋大賞を受賞。ピアノの調律師の事なんかまったく知らなかったし、興味もなかったし、それでも読んでみた。読みながら、昔ピアノがあったころの調律師の事を考えていた。総合評価として、秀作である。知らない世界の事だったが、知ってる知らないは関係なかった。作者の最後の謝辞もとても良い。人物の掘り下げが薄いとかということで、☆一つにするような人たちがいるが、理解できない。評価できなくても、せいぜい☆3だろう。感動ものという扱いでないと思う。この物語がこの主人公を介して、何を説いているのか考えるべきだろう。座布団5枚。
 

 「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」 くさばよしみ。中川学。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

過去2年で29版となっている。27万部突破と出ている。これは絵本になっている。小学校中級生から読めそうだ。簡単に読み終わるので値段が高い気がする。ただ、頑丈にできているので、長く家庭に置いておける本だと思う。この人の事はあまりにも有名になったので知らない人はいないと思う。この人の人相が全てを表している気がする。大人にもぐさっとくるもの。座布団5枚。読んでいるときに、日産のゴーンがテレビに映っていたので、彼に違和感があったね。
 

 「ただ栄光のためにー堀内恒夫物語」 海老沢泰久著。文芸春秋。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

30年も前に書かれたもの。彼の書いた名著と言っていい美味礼賛からもわかるように、非常に丁寧な取材と執筆が光る。堀内はジャイアンツ全盛期の9連覇の時のエース。そんなこと誰でも知っているのかと思ったが、知らない世代が多いので驚いてしまった次第。私の留学時代に最高の活躍をしているので、当時の騒ぎはこの本で知った。私は特にファンだったわけではないが、名前が同じなので、知識はそれなりにあった。スポーツ小説やドキュメンタリーは、だいたい面白いものだが、この本もごたぶんにもれず、とても面白かった。野球ファン、特にジャイアンツファンは必読すべきものだろう。なつかしい選手たちの名前がいろいろ出てきて、なつかしかった。座布団5枚。
 

監督

 「監督」 海老沢泰久著。文春文庫。1979年に初版新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

いや〜〜〜〜〜〜、面白かったなあ。若い人は知らない?広岡達郎。まあ、その広岡がお荷物球団ヤクルトを優勝させた物語なんだけど、広岡を追い出したジャイアンツにリベンジする話ね。相手は長嶋で、その昔、サード長嶋、ショート広岡という鉄壁の三遊間と言われてた。何しろすげえ面白いから、野球の事わかるなら、読まなきゃ損損。座布団5枚。野球小説の金字塔って書いてあるよ。
 

 「高熱隧道」 吉村昭著。新潮文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初は1969年発行。黒部の太陽の黒部第四ダムの話でなく、戦前の黒部第三ダムの話。相変わらず丁寧な取材と研究が行われたことがよくわかる。多数の人が亡くなっているのだが、黒部という自然の驚異と人間との戦いのような観点。熱意があふれた作品で、座布団5枚。
 

 「漂流」 吉村昭著。新潮文庫。初刊は1976年。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初から座布団5枚。感動巨編。人間と自然。寿命と人生。生きる力。生き抜く力。これらすべてを強烈に我々に教えてくれる小説。これは事実をもとに書かれている。歴史的記録に肉付けするには、この作者の地道な取材と研究が当然ながら必須の事。

物語は、1785年から始まる。天明。天明の大飢饉で有名な時代。浅間山が大噴火して2万人死んだりして、田沼意次の時代。土佐の船乗りたちが、難破して4人が鳥島にたどりつく。その後、大阪の船乗りたちが難破して鳥島にたどり着く。その後、鹿児島の船乗りたちが難破して同じくたどりつく。土佐の船乗り長吉を中心に話が進む。長吉は生き残り、13年後に生還を果たす。24歳が37歳になっていた。大阪の連中は10年、鹿児島の連中は7年。この絶海の孤島で生き抜いた。合計14人が一緒に生還するのだが、10人程度は途中で亡くなっている。

このアホウドリしか生存しない孤島で年半分は鳥たちはいない。火山なので木も草もない。まあ、書いていると切りがないのでやめておくが、この絶望的な状態からどうやって生還を果たしたのか。発見されたのではないのだ。自力で脱出したのである。鳥島ー青ヶ島ー八丈島ー伊豆と地図ばかり眺めていて地形を覚えてしまったよ。長吉は60歳で人生を終える。絶望的な、これでもかこれでもかの苦難、語る言葉もない感動の物語であり、作者吉村昭にも敬意を表したいのである。これを読んで感動しない人がいたらお会いしたいものである。
 

 「荷風と東京」 断腸亭日乗私註。川本三郎著。都市出版。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

分厚い本で読破するのに時間がかかった。当初は、いまいち興味わかず、チンタラであまり進まず、途中から俄然読むのが楽しくなり、終わらせるのがもったいなく進まず、という感じであった。作者の永井荷風に対するゾッコンぶりがよくわかる。また、永井荷風がどうして、いまだに人気があるのかこれもよくわかる。

明治後半から終戦後までの日記が主体であるが、大変に勉強になった。東京を知ることができる本だね。私はずっと多摩だから、麻布から向こう浅草、本所、隅田川、玉の井、向島、亀戸、市川辺りは全く知識がないので新鮮であった。今度行ってみたいと思う。当時の女性たちの姿も理解しやすい。知らないことも多く、驚いたことも多い。

関東大震災後の昭和元年から昭和10年くらい、東京は高度成長したんだね。そして、一番平和だった時代。日中戦争始まって、昭和13年くらいから、すでに食糧事情は悪く、よくまあそんな状態で日米開戦に向かったものだとひたすら驚いた次第。荷風が静かな批判的論調で書いているのですんなりと心に入った。震災後、大東京の中心は浅草から銀座に移ったのだけど、銀座の当時の全盛期は今とさして変わらないのでさらに驚いた。和光の時計台も昭和4年完成らしいし、三越前駅は三越が作ったらしいね。銀座線が浅草ー上野だったのが、銀座まで延伸したことによって、銀座の繁栄が確定したようだ。松屋、三越、松坂屋など勢ぞろいとなった。

まあ、そんなこんなで、東京に興味ある人や、荷風に興味のある人にとっては、心に響く本である。私は荷風に非常に興味がわいた。四畳半の本を買おうと思ったら、完全品切れ。あったとしてもとんでもない値段がついているのだろう。座布団5枚。作者の川本氏は、いまでも新聞で古い時の東京と比較したエッセイをよく書いているようだ。
 

 お迎えされて人は逝くー終末期医療と看取りのいま:奥野滋子著。ポプラ社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

読むべし。座布団5枚。
 

 「大晦日のローストビーフ」 秋山ちえ子著。23の物語。文化出版局。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

今年春に99歳で大往生したエッセイスト。この本は1976年に刊行されたもの。40年前のものだが、全く色あせない。読み進むにつれて、味わいが深くなる名著。昔、TBSラジオで彼女の語りがあり、よく聴いていて、それ以来のファンである。ほのぼのとする彼女らしい本だ。座布団5枚。
 

 「りんごかもしれない」 ヨシタケシンスケ著。ブロンズ新社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

絵本。2013年絵本屋さん大賞。産経児童出版文化賞、美術賞、リブロ絵本大賞、などなどいろいろ獲得している。3年たっても売れ続けているのだからすごい。大人には簡単に読めてしまうのだが、1日経過してもいろいろ考えさせられる。考える頭があれば、世の中は果てしなくおもしろい。と書かれている。面白いかも。座布団5枚進呈。
 

 「ぼく東綺譚」 永井荷風著。岩波文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

1937年作品。文庫は1947年出版。荷風の最高作品と言われている。映画化は3度されている。挿絵が素晴らしい。小説に合っている。読書家には座布団五枚。読書をあまりしない人には、この小説の良さはわかりにくいかも。断腸亭日乗を読んでいたので、私にはすんなり入ってきた。この昭和12年とか昭和の初めの時代ってすごくいいね。
 

 「人間の目利き」 吉村作治、曽野綾子対談。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

最初から座布団5枚。いやあ、面白かった。全然知らなかったことばかり。どうしてイスラム教があれだけ拡大しているのかもよく理解できたし、日本とアラブの大きな差異も理解度が深まった。これを読まないと、世界でいろいろ起きていることが判読できないのでは?と思う。
 

 「F1地上の夢」 海老沢泰久著。朝日新聞社。1987年発刊。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

著者の取材能力が発揮されていて、いつも通りに海老沢タッチの読み物が面白い。本田技研物語って感じ。F1の歴史もわかる。1987年以降、どうなっているのか知らないのでこれから調べてみようと思っている。車好きにはたまらない書物だろう。座布団当然5枚。実に面白かった。私は自分の車のエンジンをふかしてばかりいて気分が高揚した。一度見に行きたいものだと思って調べたら、実にお値段が高いので驚いてしまった。自分の車を限度の260キロは怖いから無理としても、180キロや200キロ出してみたいと思って、サーキットを調べてしまったよ。残念ながら、私の年齢からちょっと、、、、。残念である。
 

 「欧米に寝たきり老人はいない」 宮本礼子著。中央公論。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ヨミドクター。ベストセラーのトップにあったので、読んでみた。読んでいて実に嫌になる。日本では好きに死なせてくれないのだそうだ。過剰なまでの延命治療。読んでいて思ったのだが、どうも全てのガンは医師のようだ。医師たちが発想や思考方法を変えてくれないと今のやり方が大きく変遷することは無理な気がした。こうなるとこの本のように世間に情報発信を続けていくしかないようだ。座布団5枚。どの人も、近しい人に死が迫っていると思われるから、読んでおいたほうが良いだろう。見守る側の問題も大きいと思った。
 

 「天狗争乱」 吉村昭著。新潮文庫。元は朝日新聞社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

毎度毎度、吉村氏の取材力、研究力、分析力に頭が下がる。真実を強く反映した小説を書き続けていた人。この小説をNHKの大河ドラマでやったら、1年では終わらず、2年はかかるだろう。たった150年前の話である。

それにしても、人はあそこまで非情冷酷になりうるものかね。若年寄の田沼など名前を忘れないだろうなあ。徳川慶喜については昔から、なんだかすっきりしない、はっきりしない人物だと思っていたが、その通りであった。どうも好きになれなかったんだよね。この天狗争乱の始末で、こんなでは幕府が崩壊したのも当然かもと思ったが、当時の多くの人々も同じように思ったようだ。天狗党の事は知っていたし、この中の人物たちも知っていたが、まさかあんな結末を迎えていたとは知らなかった。後半読み切るために寝床で読み過ぎて今は眠い。当然、座布団5枚進呈。
 

 「ナショナルジオグラフィックが見た日本の100年」 日経BP.2012年発刊。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

高価な本であるが絶賛したい。明治から現代までの日本と日本人がよくわかる。あまりに昔と今が酷似しているので驚く。写真は何気ないものが多く、その普通の写真が素晴らしく語る。座布団5枚。
 

 「不当逮捕」 本田靖春著。講談社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

30年前の作品。講談社ノンフィクション賞。読売新聞花形社会部記者と検察の内部闘争と新聞業界を巻き込んだ話。ハードな内容。強烈な印象。著者の丁寧な取材と調査の力作。ここで暗躍していた検事たちは皆すでに亡くなっていると思うので権力争いとは何だ?と思わせる。座布団5枚。
 

 「大君の通貨」 幕末円ドル戦争(このサブタイトルは頂けないけど)佐藤雅美著。文春文庫。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

この本は、当初、講談社から出たらしいのだが、これが難解で、いろいろ加筆修正などをして文春から出したようだ。この本を一番読むべき人は、官僚たち。財務省、日銀、外務省のトップは全官僚に手渡して学びなさいと言うべきだね。この著者は相当に研究、取材などをしていて、力作、労作と言える。

こんな幕末の歴史なんて知らなかったなあ。学校で教えてくれたっけ?アメリカのハリス、ヒュースケン、イギリスのオールコックたちに詐欺のように幕府が富を強奪されたなんて。ゴールドラッシュが起きた話は以前聞いたことがある。ハイパーインフレが起きて、それが幕府を崩壊して明治維新が成功した背景なんてね。恐れ入りました。

ただ、アメリカとイギリスの政府たちは日本から富を強奪するなんてことは考えていなかったようで、国の命令に背いて、あの外交団が勝手にやったようだ。金や銀やドルとの交換比率で騙されたのだけど、通貨価値の重要さがよくわかる。幕府の役人たちも研究不足。唯一理解していたのが水野という人だが、ハリスやオールコックに幕府上層部は騙されて、彼らにとって目の上のタンコブ水野を左遷してしまうんだよね。この辺りの話になると、日本人なら皆頭にくると思うよ。座布団五枚。
 

 沈黙。遠藤周作

 AKI評価:☆☆☆☆☆

映画の影響で本が増版続きのようだ。古い本を持っていたのに誰かに持っていかれた。5千円に値上がりしていた。高校時代に読んで、それ以来、遠藤周作のファンになった。そのつながりで北杜夫のファンになった。強烈なインパクトを私に与えた本。映画が小説に勝るとは考えにくいが、映画の出来も気になるところだ。
 

 「君死に給ふことなかれ」 古川薫著。幻冬舎。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

著者は怒ってこれを書いている。信じられない事なのだが、特攻機がなくなってしまい、最後は木と紙でできた練習機赤とんぼで出撃した話。驚くことに駆逐艦一隻沈没させたのであるけど。こんなことをさせた軍首脳部や国に対して不信の一語。私はこの手の本を多数読んできているけど若い人はぜひ読むべきだろう。
 

 「心を整える」 長谷部誠著。幻冬舎。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

150万部以上売れたベストセラー。印税は全て寄付のようだ。評判の本だったので読んでみた。私はサッカーについては、常識程度しか知らないのだが、彼の名前は知っていた。読んでいて、なるほど売れているのも納得できた。非常にさわやかな奴って感じだね。還暦前の人は読むべきだろうね。私のようなおっさんには、苦い思い出がよぎったりするものだ。彼の説いていることは極めて正論だね。
 

 1Q84:村上春樹著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

3巻もあるので読むのが大変だった。村上氏は私と同い年なので、ある程度理解できると思ったが、関係なかったね。発想がすごいね。話の組み立て方もね。途中で読むのを断念する人もいるようだが、あるところまで行くと、すっと理解できるようになる。座布団5枚としておこう。
 

 「バブル」永野健二著。日経。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

評判が高かったので読んでみた。著者は私と同い年だから、同じバブルの時代を生きてきている。バブルを知らない世代が増えてきている。どこまで人はアホになれるのかみたいなものがバブルだが、バブルの怖さは、全く関係ない生き方をしてきた人まで巻き込まれる事だと思う。この本は途中までいろいろ思い出しながら読んでいたが、一番良かったのは後半だと思う。バブルを知らない世代は読んでおくべきだろう。座布団5枚。
 

 クアトロ・ラガッツィ(天正少年使節と世界帝国)若桑みどり著。集英社。

 ( 上巻下巻 )。大仏次郎賞。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

名著と呼べる。著者はすでに他界しているが、千葉大名誉教授。さすがに大学の先生で読んでいるうちに次第に大学の講義でも受けている気分になる。16世紀に欧州に渡った伊東マンショ。千々岩ミゲル。原マルチーノ。中浦ジュリアンが中心なのであるが、特に彼らだけに焦点が当てられているわけではない。信長とキリシタン、秀吉とキリシタン、徳川とキリシタンという感じで、宗教と権力、宗教と時代性、そういった観点からの歴史書と言える。キリシタンを通して見た歴史書という感じかな。長編であるが、読んでいるうちに、知識欲が満たされていくという満足感が染み渡る。よく理解できないところは飛ばした。座布団5枚。
 

 「破獄」 吉村昭著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

時間待ちで本屋で見かけて購入した。吉村昭氏の著書で面白くなかった作品はないので安心感がある。風と太陽みたいな話。本当にあった話を小説化するのがこの作者の真骨頂で、その綿密な取材力には頭が下がる。この本も巨編である。座布団5枚は当然である。ドラマ化されて放映されたが、これから録画を見てみる。とてもこの小説を2時間以内にまとめあげるのは不可能だと思うのだが。。。
 

 「南鳥島特別航路」 池澤夏樹著。新潮。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

彼の本は読んだことがある。南鳥島、マーカス島と呼ばれているはるか彼方の島。ただ、この本はそれだけでなく、12の地域が取り上げられている。いろいろ学ぶことができた。知らないことが多かった。すぐれた旅行記になっている。座布団5枚。
 

 「一汁一菜でよいという提案」 土井善晴著。グラフィック社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

お客さんから頂いたもので、しばらく置いておいた。読みだしてから、すぐにわかったね。これは本当に良書だってね。これ読みだしてから、味噌汁を作るようになったけど、いまだに満足の味が出ない。それはそれとして、著者も彼の父親も有名な料理家だよね。この本を読み進むにつれて、日本の食文化は当然として、日本文化そのものの世界にまで入っていく。器の世界、農の世界、私も襟を正して、講義を受けている気分になった。読み終わった後の爽快感も良い。先日、NHKのクローズアップ現代にも登場していたね。座布団は当然5枚です。
 

 「勘定奉行・荻原重秀の生涯」 村井淳志著 集英社。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

誰かがえらく褒めていたので買いためておいた本の一冊。荻原重秀という人は知らなかったなあ。有名な天才経済官僚となっている。実際、読んでいると、バリバリのやり手で最後は勘定奉行になっている。新井白石や折たく柴の記は知っているよね。教科書に出てきていたから。歴史とは勝者の書き方次第でどうにでもなる。新井白石は、変な、嫌な奴だったとこの本では書かれている。新井白石が荻原重秀を追放した。この著者の大学の先生は、学生の歴史や社会の教科の不人気ぶりを憂いていて、文学者がいるから歴史は面白いので今の教育と教科書を嘆いている。江戸時代の経済の事に興味がなければ、読んでも面白くないが座布団5枚としたかったのだが、この本の後半を読み終えると、これはやはりこの分野に興味がなくても座布団5枚としたい。なんとも読後に気持ちに何かが残ったので。
 

 「砂のクロ二クル」 船戸与一著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆

サンデー毎日に1年半掲載された小説。各種の賞をとっている。書評も評価が高い。作家は、日本人全てに読んでほしいなどと書いている。中東の少数民族クルド人。その独立のための武装蜂起を話の中心にして、クルド・ゲリラのハッサン、革命防衛隊副部長ガマルと隊員のサミル、複雑な過去を持つ女シーリーン、そして日本人の武器密輸業者「ハジ」、そして別人だが同じ名前を持つもう一人の「ハジ」の思惑と戦いを描いた、1980年代末期のイランを舞台にした作品である。という説明になっている。えらく読むのに時間がかかった。全てを含めれば、座布団5枚ということになるのだろうが、私が勧めるかというとわからない。ただ、言えることは、この作品完成にかかった時間のすごさと作者の熱意がすごいということ。
 

 「祭りの日」慶次郎縁側日記。北原亞以子著。新潮社。

 AKI評価:☆☆☆☆

以前、テレビドラマで高橋英樹と石橋蓮司が好演したやつだね。読んでみるとあのドラマの出来が良かったことがよくわかる。シリーズものだから、続き物になっているが、基本的に江戸の小噺を集めたもの。気楽に読める。慶次郎、すまんが、座布団4枚だぜ。

 

 「ゆれるあなたに贈る言葉」 今井彰著。小学館。

 AKI評価:☆☆☆☆

例のNHKのプロジェクトXを作った人ね。今はNHKを辞めている。人によってこの本の重要度は違うと思う。サラリーマン諸君は読んだほうが良いと思うね。20,30,40代も読んだほうがいいね。私が驚いたのは、日本のサラリーマン社会ってすごいな、ということと、NHKという化け物みたいな巨大組織だね。若く、迷える人には読むべきことも多く書かれているから読むと良い。独立系のおいぼれの私には座布団4枚であるが、その他の人には5枚かもしれない。

 

 「はっきょいどーん」 やまもとななこ。講談社。

私の右に出ているような絵を多数描いてきてくれたななこさんが、初の漫画出版。相撲絵本。NHKのあさいちにも彼女出演したんだよね。相撲女子もここまでやるとなるとすごいね。出版おめでとう。

          

 「方丈記、徒然草、に学ぶ人間学」境野勝悟著。致知出版社。1890円。

私が選んだ本ではない。お客さんが贈ってきたのである。私は、この本を読んで、悟りを開けと言われたような気がして読んでみたのである。今は学校で古典を教えているのか知らない。何しろ、日本史すら教えないと言うおかしな教育界なので、理解ができない。

中学か高校でこれはある程度学んだので入りやすくはあったが、この歳になって読むとまた感想も違うものだ。なかなか良いことを書いてある。だが、この人の解説がないとわからない。著者は、日本語の奥の深さを説いている。世界に冠たる言語で、これを感覚的に理解できる日本人であることを感謝しなさいとまで説いている。700年900年前に書かれたものだが、今にも通じると言うのはすごい。日本三大随筆は、枕草子、方丈記、徒然草なのだそうだ。私より、今の若い人が読むべきではないかと思ったけど。

 

 「むかしのはなし」三浦しをん著。幻冬舎。1575円。
7年前の本だね。昔の昔話が現代だとどうなるかって話。不思議な世界に入った気分になる本
 

 「身を捨ててこそ」白川道著。1785円。

しばらくすれば1955円になる。幻冬舎。あれ、この本最近出たばかりだね。この人の著書を以前読んだのでまた読んでみた。株で栄光と挫折を味わったらしいね。小説は麻雀中心で昭和44年頃の話。1969年頃。軽いタッチの本。自伝的ギャンブル小説だそうである。

 

 「文芸春秋」とアジア太平洋戦争ー鈴木貞美著。武田ランダムハウス。2310円

高い本だから分厚いということはない。タイトルと新聞の書評で買ってしまったが、中身は私の想定していたものとは大違い。私は文学に興味があるから、まあ何とか読んだのであるが。文学に興味のある人には、絶好の読み物。文学に興味がない人にとっては、私が物理の本を読むようなもの。菊池寛が好きな人は読むべきだろうね。 全体的に読んでいて思ったことは、今の我々、マスコミ連中の人々は特にだが、いかに言論の自由が素晴らしいことなのであるかってことだね。私があの時代にいたら、国税庁の悪口で投獄、安住大臣への批判で投獄、警察と検察の巨大な組織的暴力への批判で投獄で、全て国家反逆罪にされて、いつも投獄されていることになる。

 

 「AYAKO」岡本綾子。太田出版。1260円。

1986年著だから、26年前の本だね。若い人は知らないかも。ゴルフ女子の樋口と岡本が双璧で、現在の日本女子ゴルフの隆盛の祖。岡本綾子の全てが語られているのだが、マスコミに苦しめられる場面が出てきたときは、非常に不愉快だったね。まさにペンの暴力だよね。それは今も変わらない。私は、彼女の弟子たちの活躍に今は期待している。  

 

 「舟を編む」三浦しをん著。光文社。1575円。

本屋大賞の本。評判だったので読んでみた。読んでいるときにラジオで彼女が出てきて、話を聞いているうちにさらに4冊も買ってしまった。そうね、今まで読んだことがない分野だね。辞書編集という言葉からは、読みたいという気持ちは出てこないのだが、私は辞書とはこんな地道な作業の上に成り立っているのかと知っていろんな感情が湧いたね。彼女は、よくこんな薄暗い世界に光を当てたと思う。着眼点がいい。面白いから読むといいよ。肩は凝らないし、知らないことを知ると言う喜びを持てるだろう。

 

 「まほろ駅前番外地」三浦しをん著。文芸春秋。1575円。

まほろ町の多田便利軒のお話。なんとなく面白いタッチのお話。発想が面白いから、楽しく読める。表紙のデザインと帯が非常に印象的でナイス。

 

 「ひとり夜風」河治和香著。角川。660円。

面白い。続きを注文してしまった。柳橋芸者の見た幕末世情と幕末の人間像という斜から眺めたお話。色気満載であるが、こういうエロチックさのほうが、近来のギラギラエロよりも良い。気楽に読めるし、面白いからお勧め。

 

 「時雨ごこち」河治和香著。角川。650円。

ひとり夜風、紋ちらしのお玉の完結編。この芸者は実在らしいね。柳橋ではないようだが。携帯小説が本物の小説になったものらしい。

引き続き芸者が見た幕末の江戸事情と人間関係。非常に読みやすく、なるほどあの当時、江戸市民、江戸の町はこうだったのかとわかる。朝から銀色の雨がしんしんと降っている、などこの作者の文体はきれいである。タイトルも同様だ。気楽に読めるし、楽しめるからお勧め。

 

 「北天蒼星」伊東潤著。角川。1985円。

何かの書評に出ていたので読んでみた。負けた側からの視点で書かれた小説。上杉家の内紛、上杉ー北条ー武田の組み合わせで話が進む。

この小説では敵方にあたる樋口与六というのが出てくるのだが、途中で、あれれ?大河ドラマの天地人の直江兼続じゃないの?あまりに悪く書かれているので、はて?同人物かと思って調べてしまったよ。歴史は勝者が作るものとよく言われるし、資料不足で想像で書かれることが多いのだが、これはまさにそのままだなあ。新撰組にしてもそうだよ。ず〜と悪く描かれていたけど、司馬遼太郎で日の目を見たわけだし。まあ、勝者の側から書かれたものが多い中で、敗者側から見るとこうなるのかということで、その点では面白いし、いろいろ考えさせられる。

 

 「ビタミンF」重松清著。新潮社。1575円。

12年前の本。124回直木賞受賞作品。テレビドラマの「とんび」が気に入ったので彼の作品を読むことにした。それなりに彼のファンも多いようだ。若い家族の短編7つ。うーむ、私の眼力がダメなのかね?この作品が直木賞ですかってとこ。特筆はないです。

 

 「弧鷹の天」澤田瞳子著。徳間書店。

2010 年。2100円。えらく分厚い本。今の官僚たちが、襟を正して読むべき本と紹介されていた記憶がある。奈良時代かなあ、とにかく古い時代の小説なのだが、 あんな昔でも人間の営みも性癖も今と全く変わらないのが、逆に新鮮感を持たせる。誰かドラマ化しそうな小説。私は長いこと、この時代の小説を読んでいな かったので、なんとも不可思議な読後感。読むと宜しい。

 

 「日本中枢の崩壊」古賀茂明著。講談社。1680円。
これはアマゾンでなく、本屋でペラペラめくりながら買った本だ。売れている本だというのは知っていた。財務省が最強の役所で、傘下の国税庁の査察権を利用して、マスコミや政治家の弱みを握って、権力を維持している、というような事が書かれていたので、私も同感なので読もうと思った。 確かに財務官僚がそれほど日本の優秀な頭脳を集めた集団ならば、こんな国家財政状態にはならなかったはずだ。私は一切の増税に反対している。だから、増税に理解的なマスコミには冷ややかである。消費税を10%にして済む問題ではない。15,20%ときりがなく続くだろう。 私が国会議員の数を減らせと長年書いてきて、やっとそういうことを言う人たちが増えてきて良い傾向と考えていたが、死角があった。役人の数だ。彼らの給料と退職金とか無茶苦茶に高いと思っていた。この本でも一人の高級官僚を切れば、5人の失業者が救えるなんて書いてある。自分たちの懐を痛めないで増税かよ。こんな国家財政では、官もリストラをするのが当然である。 もう、嫌になるくらいの官僚体制への批判の嵐である。そこからは失望感しか生まれない。ただ、彼が書かなければ、こっちはそういうことはわからないわけ。マスコミはほとんどこのことに触れてきていない。仲良くやりたいからだろう。霞が関がどんな状態になっているのか知るには必須の本だとは思う。失望感を救ってくれたのは、この本の後半の終章の起死回生の策とあとがきである。私も同感である。この国はもはや若者たちに委ねた方がいいだろう。賛否あるだろうが、一読すべき書だと考える。
 

  「決断できない日本」文春新書。ケビン・メア著。820円。

勧められて読んだのだが、衝撃の本であった。マスコミというか、共同通信というか、恐ろしいところだ。この本を読んで、福島原発の時の日本中枢のお粗末さが露呈されていて驚いた。この国は戦争仕掛けれたら終わりだ。沖縄の事をよく知ることができた。読み終わって、この国はどうなるんだろう、とガックリきたね。皆、読んだ方がいいだろう。いつも読んでいる新聞との乖離がはなはだしい。新聞だけ読んでいても中途半端。

 

  「夜と霧の隅で」北杜夫著。新潮文庫。460円。

芥川賞受賞作品。1963年出版。彼の鬱病期の作品なのでマンボーシリーズとは異なる。他に4編短編が収められている。ナチスの精神病患者抹殺劇を通しての人間の不安、矛盾を追及した作品となっている。くらい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。皆に勧めて読んでもらうべきか迷う。評価は高いので、まあ、読んでみたら?私は暗い気分になったよ。

 

 江戸職人綺譚ー佐江衆一著。新潮社。1575円。

江戸職人の物語が9編収められている。しかし、職人の世界がこんなに多彩とは思わなかった。錠前師、凧師、葛篭師(つづら)、人形師、大工、化粧師、桶師。女刺青師、引札師。それぞれの物語が情緒的に描かれており、絵物語の世界に入った気分。すがすがしい気分になれる。一読を勧める。

 

 「木挽町月光夜咄」吉田篤弘著。筑摩書房。1890円。
何かの書評を読んで買ったものだと思う。不思議な本。本が好き、小説が好き、書物が好き、文学が好きという人が読むと俄然面白く、本をあまり読まない人にはどこまで受けるのかわからないというもの。私は彼の本は初めてであるが、印象はいい。文章の流れがいいと思う。
 

 「大人の流儀」伊集院静著。講談社。980円。
薄い本だ。特に読むつもりはなかった。ともだちが、文体が私の書くものとそっくりだというのである。 それで送ってきた。それじゃ、読んでみるか〜となった。彼の本は読んだことがない。調べると結構いろいろな作品を執筆してきているね。夏目雅子の旦那だっ たのね。それで思い出した次第。

うるさいこと言うおやじだなあ、なんて思いながら読んでいたら、彼は私と同級生なんだね。なるほど考えているようなことは似ているわ。 最初は気乗り薄で読んでいたが、途中からグングン良くなってきた感じでしっくりときた。最後に夏目雅子との出会いとその後、みたいのが書かれていて、それ は、丁寧な文章に一転して変わっている。この変わり方が非常に新鮮でなかなか良い本である。最後にしんみりさせるのはさすがというところ。一読を勧めた い。

 

 「北の海明け」佐江衆一著。新潮社。文庫。 
15年前の本だ。21年前の新田次郎文学賞受賞作。江戸時代後期に幕府から北海道に布教のため送られた僧たちの話。釧路の方の話であるが、土地勘がある北海道の人たちには読みやすいかもしれない。アイヌ人やロシア人たちが出てくる。後半は、遠藤周作の沈黙的になるので、あれれと思ったが、結末は異なった。アイヌたちに対する態度などはアメリカ人のインディアンへの態度を思い起こさせる場面も時々あった。仏教や宗教や先住民や蝦夷に興味ある人は一読すると良いだろう。
 

 「黄落」佐江衆一著。新潮社。1470円。

1995年。参ったなあ、この本は。老いは大多数の人に訪れる。死は全員に訪れる。そんな当たり前のことを胸に突き刺してくる。90代の親を70くらいの息子娘が看護する。そんな時代が来た。この本が出てから16年。この範疇に入る人が激増していると思われる。至極当然なことを皆は見たくないから避けたいものだ。だが、しっかりと見ないといけない。いずれ皆に訪れる。暗くなるのだが、やはり必読の本と言えよう。人生、考え込んでしまったよ。

 

 「夢紡ぐ人びと」笹本恒子著。清流出版。中古で2000円くらい。

ラジオを夜中に聴いていたら、彼女が出てきて、女性初のカメラマンとのことで、90歳を超えていた。当然ながら戦前からのカメラマン。その話がとても90歳を超えているとは全く思えず、声も若く、えらく感激したので、すぐに本を買ってしまった。彼女の本は別にこれだけではないのだが。うーん。これは読む人によって読後感は違うだろう。一隅を照らす18人となっているので、その選ばれた方々の多くは知らない人だ。問題は、10年前の本なのでこの18人の年配者たちの年齢も相当に高くなっていて存命かどうかわからない。頭を10年さかのぼらせて読まないとならないのが難点。今思うことは、もう一度最初から再読するのが良いという結論だ。

 

 池波正太郎が書いたもうひとつの「鬼平」「剣客」「梅安」 武田ランダムハウス1785円。

池波正太郎ファンなら絶対に見逃せない本。脚本だね。そう、舞台でやる芝居。だから、三幕目とかいう区切り方になっていて、舞台が変わる様子がわかる。テレビでやっていたドラマは全てこれが基本になっているんだね。舞台俳優を見ると、鬼平は松本幸四郎(今の中村吉右衛門の父なのかわからない)昭和46年だからね。剣客商売は加藤剛が秋山大治郎、昭和50年、必殺仕掛人は緒形拳が梅安。昭和50年。池波戯曲の面白さとなっている。普通の小説と違って面白かった。

 

 「通貨を知れば世界が読める」浜 のりこ著

PHP 890円。ともだちが読んでくれともってきたので読んでみた。最近、経済とか金融とか市場とかその分野、の本はあまり読まなくなってしまったんだよ。あまり面白いと思わないし、目からうろこっていうこともないし。ほとんど昔から読んできた本に基本が似ているしね。

彼女がこの本で書いていることはほとんど私も同じ意見なので、彼女のように目立ちたがる人は発信力も強いわけだから、いいのではないかね?ドル円が200円だ、1000円になるなんて本を読むよりいいだろう。最後の終章は著者には申し訳ないが、つまらないね。余分だったと思う。まあ、わかりやすく書いている本だから読んでみるといいよ。

 

 「超思考」北野武著。幻冬舎。1470円。

タケシ全開。よく私の語っていることが彼の語っていることと似ていると言われるのだが、なるほど私には読みやすいのである。彼の言ってることは90%くらい賛同してしまうのだ。彼が礼儀を一番重要視しているなんていうのは、ちと驚いたのであるが。肩もこらずに読めるから、是非一読を。

 

 「落としの金七事件簿」小野義雄著。産経。1000円。

何かの書評でほめていたので読んでみた。この人の書く警察物はファンがいるようである。良かったのは実際の事件の事が書かれていたことだ。その他はいまいちと感じた。捜査の弱点もわかるので、頭のいい奴は利用するのではないかと逆に心配してやったよ。

 

 「初陣ー隠蔽操作3.5」今野敏著。新潮社。1575円。

このシリーズのうちの1冊が何か賞をとっていたと思う。それで去年読んだんだ。本屋に寄ったら続編的にこれがあったので買った。今回は面白くて読みながらニタニタしていた。内容が面白いからニタニタではなくて、警察と言うか警察と言う組織の思考方法が、あまりにも一般世界、民間から乖離しているので苦笑いなのだ。これじゃお互い理解しあえるわけもないなと思う訳。いまだに薩長だ、東大が幅をきかせているあたりも驚いてしまう訳。私にはまったくついていけないなあ。若い時築地警察署に入らなくってよかった。一度行ったら歓迎されちゃってさ、親切にされたんだよね。私は警察とか自衛隊とか入りたいと思った時期があるわけ。だけど、この連中の出世の世界観なんて何か違うんだよなあ。っていうようなわけだが、面白いから読むといいよ。

 

 漂砂のうたう ー木内昇著。集英社。1785円。

前回ここに書いた直木賞作品がえらく良かったもので、また読んでみた。江戸末期から明治初期の頃の話。世間の評価は高い。私はいまいち乗り切れなかったなあ。各自、好みの作風なんかあるからね。読みたい人は私のこのコメントよりもアマゾンでほめている人のコメントを読んだ方がいいかも。

 

 「海辺のカフカ」村上春樹著。1680円。

そう、有名な彼の小説。実は彼の本を読むのは初めてなんだ。彼は私と同い年なので、そういう観点から読んでいた。面白いじゃん。とは言っても次に買った本は直木賞の別の本であった。彼が世界的な高評価を受けている理由はわかるようなわからないような、って感じ。

 

 「ギャンブルトレーダー」パンローリング。2415円。

アーロンブラウン著。パンローリングからプレゼントされて読んだ。この本、分厚いので、なるほど電子書籍が好まれるのかもなあ、と思った。

モルスタの奴だけど応用数学とか金融工学の専門家だ。この本はリーマンショックの前に書かれたものだと思う。ポーカーのプロ。ポーカーを中心に書いている。日本人は知らないだろうが、歴代の大統領や歴代のビジネス界の成功者の多くがポーカープレーヤー。ポーカーで起業資金を集めた大物も多い。もともと銀行から金を借りて起業なんて発想じゃないからね。

非常に優れた本で、ポーカーと現代のマネー、相場などについて書かれている。ポーカーがどのくらい相場とか心理学とか数学に結びついているのか日本人は知らないわけで、こういう本が日本で出版されてもこの本の良さはわからないだろう。そもそも、日本では賭博はご法度なわけで、子供にお金の教育をしても博打御法度では、この世界の門を狭められているようなものだから大変に残念である。

だから、今の日本から優れたトレーダーたちが出てこないんだよ。ポーカーやる人なら全員納得すると思うよ。たかが小さなトトカルチョですら捕まるんだから話にならない国だ。全ての事は表の世界、裏の世界、白があれば、黒もある。人の心には神と悪魔の両方が存在する。だから、道徳的に何でも禁止なんてやっていたら、詐欺にひっかかる正直者ばかりが出現してしまう。

カジノを開けばいいんだよ。ポーカーやブラックジャックを自由にやらせればいいんだよ。そのカジノでそういったギャンブルをしようとしまいと個人の自由だ。だが、禁止はいけない。間違っている。パチンコは良くてポーカーは駄目などとはおふざけである。パチンコよりもはるかにリスクの事を学べるだろう。多くのトレーダーにポーカーくらいやってもらいたいと願っている俺には非常に残念な日本の状況である。やりたくないならやらなくてもいいの。やりたい、やりたくないの選択肢くらいあってもいいのだ。ま、この本を読むとどうしてあの強欲なバンカーたちがばかすか出てきたかよく理解できるよ。

ポーカーわからない人が読む場合は、理解できる箇所だけ選んで読むといい。

 

 「秋月黒田藩第14代城主ー黒田長榮」

小田豊二。麗澤大学出版会。1575円。聞き書きという珍しいスタイルの本。そう、黒田官兵衛の子孫ね。昔なら殿様、若殿である黒田氏の生き方、考え方が述べられている。なかなか良い本である。若い連中!読んだらええで!

 

 「反転」 田中森一著。
相場が多忙で全く本を読めなかったのだが、ここ最近のどうしようもない往来相場に辟易して久しぶりに読書ができた。この本はベストセラーだったし、多くの人に読まれているようだ。この幻冬舎という出版社の宣伝はなかなかたいしたものだといつも思う。買って読んで見ようと思わせるだけたいしたものだ。

検察もここまで暴露する男が出てくるとは想像していなかったと思うのでショックも大きいだろうね。私が考えていた以上の世界だね、司法は。やっぱり、国の方針があって、あいつ気に入らないからやってしまえ、的なものが絶対にあると思ってきたから、読んでいてその通りだったので驚いた。権力を持った集団の怖さを感じるね。戦前の特高のような気がしたもの。

それにしても暴力団の組長と政治家とのからみなど、週刊誌によく出るような話だったが、本当だったんだね。だから、今、国会や世間で騒がれている政治と金の問題なんて本当なのかと思ってしまうよ。そして、国税庁や財務省の官僚たちがどっぷりと金に漬かっていたのを知って愕然としたね。あれでは、インドネシアとたいして変わらないし、江戸時代そのまんまではないか。官僚はまだ袖の下で裁量行政をやるのかね?だって、たった10年、20年前の話だよ。突然、クリーンになっているの?今、清廉潔白ならこれまた極端だと思うなあ。

まあ、元の職場の検察に刺されて、その仕返しに全て暴露したという感じの応酬であるが、この人も相当にドップリと漬かっていた感じがした。後から反省を書いているけどね。と言うわけで、それなりの著書なので、読んでおくほうが身の為だろう。いつなんどき巻き込まれるかわからないと思わせる世界だ。それにしても、全部実名だから慌てた人たちも多いのではないか?
 

 「トリックベイビー」ブルースインターアクションズ。1985円。

1年前の出版。何かの書評で☆5個もついていたので読んだのだが、うーん、5個ねえ。って感じ。詐欺師のコンビの話で1973年に映画化されている。1967年の出版。良かったものだけここに書くのだが、☆5個だもんなあ。新聞の書評を探してもう一度読んでみたら面白さがわかるかも知れない。映画のほうが面白いかもしれない。

 

 「坂の上の雲」と日本人
男が読むと大変に面白く、女が読むと20ページでさじを投げる本と言えよう。日露戦争当時の日本軍は世界の軍隊の鏡だったようで、日本男子はなかなか誇らしく読める。坂の上の雲を不滅の国民文学と書いているが、私もそう思うね。日本の高校生男子は国が命令して読ませるべしなどと思わせる名著だね。この解説書みたいな本は、最初はつまらない。後から面白くなってくる。当時、イギリス海軍が世界一だったのだが、ロシアは世界二位だったんだね。ただ、ロシアは戦艦の数に比較して、バルト海、日本海ー黄海、黒海と三分割されていたので兵力の分散になっていたようだ。これが日本には幸いするんだけどね。イギリスも世界の艦隊だから、分散されており、日英同盟が極めて大きな役割を果たしているのがわかる。
 

 「幸田文 しつけ帖」幸田文著、青木玉編集。平凡社。1680円。

編集は彼女の娘。若い人は知らないだろうが、私が中学高校の頃、幸田文の随筆が国語の試験や教科書なんかに出ていたんだよ。きれいな随筆を書く人だなあとは思っていた。それでこの本の紹介があったので買った。彼女の父上は、かの幸田露伴。最初の頃は私が生まれる前の話だし、文章についていけなかったが、それが途中から1960年代頃に移っていく。古い話もそれで納得ができる。皆が皆、読んで理解できるかどうかわからないけど、露伴の父親としての愛情がよくわかる。タイトルにも父親のしつけは、娘に贈る一生もの。と書かれている。全体に流れているのは、日本の心、日本の文化、って感じかな。

 

 「動かぬが勝ち」佐江衆一著。新潮社。1575円。

これも何かの書評で絶賛されていた。著者はすでに75歳であるが、まだ活躍しているようだ。数々の賞をとってきている。私はあまり知らなかった。この本は、江戸時代の短編集って感じ。心残る話が多く、7つの短編。読みやすいし、一読を勧めたい。

 

 「ドル亡き後の世界」副島隆彦著。祥伝社。1680円。

うちのお客が読んでくれと、寄越したので読んだ。私は碁石のあだ名のある親友チャーリーしか、白黒をはっきりさせる男はいないと思っていたが、他にもそんな日本人がまだいたんだ、というのが驚き。煽りまくるものは好まないのであるが、このくらい煽らないと印象に残らないのも事実だから仕方あるまい。彼の語っていることは本筋ではあっていると思う。いつ、そうなる、ということはちょっと受け入れにくい。時間軸は神の領域だと思う。なるほど、ここまではっきり書くなら、ファンも増えるはずだね。読み応えがあるし、面白いと思うから、一読を勧める。

 

 「親鸞」五木寛之著。講談社。1575円。

上下巻。実は五木氏の本を読むのは初めて。ラジオ深夜便でよく聴いていたし、青春の門のドラマはよく見たから親近感はあった。なかなかすごい人であるが、この親鸞、評判がえらく高いので気になって読んだのである。日本は宗教が弱いから自殺者が多いと思っているのだが、宗教観のない人も入りやすいから読むといい。流刑までで終わっているのだが、続きを読みたいと言う人がたくさん出てきたら書いてみたいと著者は語っていた。なんかわかるような気がする。望まれると筆は進むからね。

 

 「必中の急降下」海軍爆撃機戦譜。渡辺洋二著。文春文庫。600円。

面白いから是非お読みくださいと寄越された。参るなあ、なんて頭をかきながら、内心ニコニコしている自分がいる。

作者は私とあまり歳に違いがない。中国戦線に投入した九四艦爆から九六艦爆、そのあとは太平洋に投入された九九艦爆、彗星とくる。真珠湾の後、インド洋に向かってコロンボ近辺で英海軍と戦うのだが、このときの索敵、偵察の甘さがすでに出ていて、その後のミッドウェーの予兆があらわれていたのには驚いた。爆撃機の戦死率は高い。いろいろ勉強になるから一読を勧めたい。

 

 「チャイナアズナンバーワン」関志雄著。東洋経済。1890円。
どうも出版社と言うのは、目だ立たせようとしてあまり意味のないタイトルにしたがるものだ。私の友人の友人の著で読んでもらいたいと言われて贈呈された。

タイトルとは違って、私は久しぶりに勉強をした気分となった。今の中国の変貌は激しいが、グラフや資料を駆使してよく説明されている。最近の中国の金融経済状況を知るにはもってこいの著だろう。最後に日本に向けての提言がされているが、これがなかなか良かった。今や中国に負けないくらいの社会主義国と言われている日本であるが、彼の書いているような事が実現できないようでは将来は暗いままであろう。一読を勧めたい。

 

 「きよのさんと歩く江戸六百里」金森敦子著。バジリコ。1900円。

江戸時代の鶴岡の豪商の奥さんが書いた旅日記。女性の書いた旅日記というのは非常に珍しいのだそうだ。しかも、勝手気ままに書いているのも珍しいとのこと。

鶴岡ー日光ー江戸ー三島ー名古屋ー伊勢ー奈良ー大阪ー京都ー福井ー金沢ー富山ー新潟を巡る旅。108日に及ぶリッチな女性の旅。驚いたのが、1845年にすでに年刊ガイドブック旅鏡なんてものまで発売されていたことだ。関所、女郎、食べ物、いろいろ盛りだくさんで当時の状況が非常にわかりやすく解説されている。自分の地元が当時どんな状態だったのかわかって面白い。この方面に興味のある人には一読を勧めたい。時代劇はいつも侍中心だが、民衆も元気だったのだ。

 

 「日本のこころの教育」境野勝悟著。致知出版。1260円。

8年前に出版されて、現在13版。この人が宮沢賢治の故郷の花巻の高校で講演したものを題材としている。日教組必読の本。

日本→日の元の国。太陽を敬う国。国旗の日の丸の誕生の歴史なんて知らなかったのだけど、今回初めて知った。私が知らなかったのだから若い連中が知っているわけもないね。外国文化を学ぶのは良いが、日本人はもっと日本文化、日本のことを学ばなければならない。もっと、日本人としてのアイデンティティーを自覚しなさい、というような話。まことに日本人として当然ながらわきまえなければならないことであるが、若い人たちにも必読の本と言えよう。著者は親こそ先に読んでほしいと書いているけどね。私は背筋を伸ばしたのである。

 

 「この写真がすごい」大竹昭子編著。1985円。朝日出版。
何かの書評でほめてあったので気になって買っておいた。100枚の写真。撮影した人の名前は終わりに全て出ている。彼女の評ほどの感じを受けないと、うーむ、俺は写真を見る才能がないのかなあ、なんて落ち込んだりする。ただ、彼女は写真は見る人それぞれの見方があるから彼女のコメントはあくまで彼女が受けた印象だと述べている。変わった写真が多いから、感受性が強い人は読むと良いだろう。
 

 「先生、どうやってヤセたんですか?」ワック。山田春木著。857円。
ラジオを聴いていたら、この先生が語っていたわけ。それで常識を忘れなさいとか、中高年と若い人と男女と皆それぞれ異なるダイエットをしなさい的な話だった。お、俺は中高年と思って、すぐに本屋で買った。違う観点から書かれたダイエット本、というか、おなかがへこむやり方的なことが書かれている。中高年は読むと良いだろう。そういえば、覚せい剤でそんなにやせられるなら、それを俺のお医者さんも少量処方してくれんかね。
 

 「のぼうの城」和田竜著。小学館。1575円。
本屋大賞第2位ということで以前から気にはしていた小説だ。石田三成軍2万に2千で立ち向かった話であるが、確かに面白い。気晴らしに読むには最適の本と言えよう。半分くらい史実に沿っているようだ。気分が面白くない時に読むことを勧める。満員電車の中で読んでいれば、時間を忘れさせてくれそうだよ。
 

 隠蔽捜査ー今野敏著ー新潮社1680円。 (1)(2)(3)
飛行機の中で読もうと思って本屋であさった。吉川英治文学新人賞をとった作品だ。よくまあ、警察内部の事を調べて書いている。これの続編の隠蔽捜査(2)も何か賞をとっていた。実は2のほうがもっと面白い。だが、1を読んだから2がすごく光るわけで、これを読まないといかんでしょ。久しぶりに時間を忘れて読めたよ。面白かった。
 

 「大激震」堺屋太一著。実業の日本。1680円。
タイトルは気に入らない。こういうタイトルで人の目を誘うのは好まない。内容は◎。もともと堺屋氏のことを私は大変に尊敬しており、彼の講義を日本の大学で受けてみたいと思っているくらいである。目からウロコ的な発想が多く、あの年齢になってもそれが衰えていないことに感服する。非常に読みやすいし、わかりやすいし、ためになるから一読を勧めたい。それにしても、彼の本がそんなに英訳されて海外に出ているとは知らなかった。今こそ、明治維新的な大改革を、このサブタイトルの方をタイトルにすればいいのに。
 

 「なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか」北野一著。ダイヤモンド。1890円。
友人に贈られたので読んだ。最初の三分の一はえらくつまらない。公式だとか変なグラフみたいのを見せられると私は頭が痛くなってアクビしてしまうのだ。ところが、我慢して通読していたら、半ばあたりからやっと面白くなってきた。よくあるんだよ、いい本って最初はつまらない。後半は著者が何を言わんとしているのかやっとわかった次第。こっちの脳みその程度にもよるのであるが。なかなか優れた分析だと思う。問題はこの手の本に多いのだが、これは今回の危機の前に執筆されているようなので、現在の状況を聞いてみたくなるのだ。
 

 「江戸の下半身事情」永井義男著。祥伝社。
ちょっと、そこの兄さん、エロい事考えてるんだろ。この本、新聞の書評に載っていたんだよ。その辺、私はめざといから逃さなかったわけね。女性は変な顔するだろうが、男の脳みそはそうなっているので宜しく。この本、注文しようと見たら定価798円なのに1300円とか1600円になっているわけ。だから、古い本だと思った。そしたら、驚いたなあ、10月に出版されて今月第3版発行となっている。買い占められているのかなあ。私が購入したのは奄美大島の古物商だよ。永久保存版なんて書いてあった。そんな大げさなと思うけど。この本は、江戸時代のエロ考証から、当時の文化、歴史などを学ぶという感じの本。男性必見だね。江戸時代は、時代劇であの当時の懐古趣味があるけど、きれいごとばかり言ってるなよ、裏はこんなだよ、ってことが書かれているね。私は、当時の日本人のたくましさみたいのを感じたよ。
 

「清らかな厭世」阿久悠著。新潮社。1470円。
彼が亡くなって2ヵ月後に出版されたものだ。ラストメッセージと書かれているが、産経新聞の連載3年分を集約したものだ。連載分のうつしということで、どうも話題が飛び飛びというきらいがある。相当にブツブツ文句を言っている、という感じがしたが、3年分だからそういうわけでもないのだろう。彼の著書はほとんど読んできているので、このエッセイ集はいまいち私には感触が違って読みにくかった。
 

 アジア三国志−ビルエモット。日経。1890円。
彼の本は全て読んできている。どうも今回は、スムーズに読めなかった。タイトルもいまいち。翻訳がすっきりこなかった。とは言え、この翻訳者は表彰されるくらいの人なのだから、読んでいる私がおかしいのかも知れない。原文自体がいまいち?前評判が高すぎたと思う。後、どうしても過去の著作と比較してしまう。今回は私が知っている事も多かったという点もあるからだ。知っている事を読んでも面白くはない。そうはいっても、参考になることも多いので、読むべきであろう。
 

 「FX 市場を創った男たち」小口幸伸著。パンローリング。700円。
私も出ているので贈呈された。受け取って広げた感触はすごく悪かった。安物って感じ。全く、為替をやる奴らはどうしてこういうものに金をけちるのかなあ、と思ったのである。だが、中味は読み進むにつれ、なかなか宜しいと思った。

ここに出ているディーラーたちを全員知っているわけではないが、面白かった。私が覚えていなくて相手が私を知っていたりすることが多いので、誰誰は知らないとは口が裂けても言わない。相手に失礼だからね。覚えていないこっちが悪いのだし、こちとら歳も重ねてきているからね。

えー、とやかく言わない。個人投資家諸君、735円なんてランチ代程度なんだから買って読みなさい。昨日の私の食べたミソラーメン大盛りよりちょっと高いだけだ。君たちの取引しているネット画面の裏側がどうなっているのか、そして今皆が使っているネット画面までどうやってたどりついたのかよく理解できるであろう。また、どうして東京外為市場が急速に衰えていったのか良くわかるであろう。とにかくこの国の為替は話にならないんだよ。国際標準からちょっとずれているんだよね。小口さんはよくまとめたと思うよ。
 

 世紀の相場師ジェシーリバモア
世紀の相場師ジェシーリバモアって本があるんだけど、何でも絶版になっているんだそうだ。2001年の出版だから6年前だね。友人に聞いたら、中古本が6万円から10万円もしているんだって?びっくりこえてしまった。誰かに持っていかれないように慌てて押入れに隠した。うーん。記憶が薄いが、私の本は汚れていないし、あまり線も引いてないなあ。気に入るとボロボロになるまで読むのが私だからあまり感動しなかったのではないかなあ。欲望と幻想の市場は、私が取り上げてからずいぶん皆さん気に入ったようでどこでも推薦するようになったね。私は出版されてすぐに買った。この本はボロボロで線ばかり引かれているね。こっちのほうが断然良いと思うのだが、絶版というのは重みがあるのかねえ。
 

 10年後の日本
自分では勉強もし、知識人のつもりであったが冷水をかけられたような気分になった。と言うより、目からウロコ的な感覚かも知れない。
 

 「この国の終わり」 林 秀彦著。
これが何とも私が今まで遭遇したことのない類の本。いろいろ書かれているが、怒って書いているせいか、最初は支離滅裂のような感じがした。その後の日本文化への熱い思いを読むに従い、素直に読み通す事ができた。この著者は、きわめて日本文化と日本民族への造詣が深く、愛情に満ちているようだ。だが、今の日本人は今までの日本民族ではなくなりつつあると警鐘を鳴らしている。変なおっさんと思って彼の履歴を見てみた。柔道師範、ドイツとフランスの大学で学び、若者たち、50%視聴率の鳩子の海、七人の刑事たちの脚本をやった。現在72歳。大分の山奥に在住。私はこの本を推薦するわけではない。だが、こんな本があって、聞いたことのあるような話が満遍なく出てきたので触れてみたかったのだ。そして先日テレビを見ると、学校の運動会のリレー競争でバトンタッチができないでぶつかってしまう子供たち、玉転がしで自分が転がってしまう子供たちの話が出ていて、やっぱり何か変なのかなあ、とおもってしまう。皆さん、信じます?
 

 「さらば財務省」高橋洋一著。講談社。
参考になったね。官僚というか民間というか、想像以上に大きな溝があることがよくわかった。なるほど、こっちの論理が通じないはずだ。下手に頭がいいから弱ったものである。なんじゃら審議会が何をやっているのかもよくわかった。驚いたのが、日本は言われているような巨大な財政赤字国でないということだ。何が消費税だ、よく言うよ。増税する為の世論操作じゃないかと思ったね。まあ、官僚があそこまでぶちまけてくれたおかげで楽屋裏がよく理解できた。皆、読んだほうが良いだろう。今まで思い込まされてきていたことが真っ赤な嘘というのが多いし、今まで読んだ事のない類の本だ。それにしても呆れたのが社保庁の実態とマスコミの汚さかな。
 

 「評伝ー王増祥」久末亮一著。勉強出版。1800円。
副題は台湾、日本、香港を生きた、ある華人実業家の近現代史となっている。近現代史などと書かれていると腰の引けてしまう人も多いかも知れない。だが、そんなこともない。目次を見ると大体の概要が垣間見れる。序章:不思議な老人、その後から、台湾に生まれて、18歳の億万長者、香港、香港ダラー旋風、蹉跌ー王子製紙事件と片倉工業事件、迷走する人生、孤独の人、となっている。

現在81歳であるからにして、台湾生まれとは、日本の植民地時代の台湾である。韓国朝鮮と同じであるが、台湾統治は比較的穏健でうまくいっていたのでそれほどの差別はなかったと思う。結局、彼は日本人なのか、台湾人なのか、華僑なのか、という自分のアイデンティティーに悩み、また今でも悩んでいるようだ。日本人になりたかったがなれなかった、受け入れられたと思ったが実際はそうではなかったという話である。

私にとって興味深かったのは、日本の台湾統治の頃の話、戦後のドタバタの頃、まだ香港が急成長を遂げる前の香港の経済界の話、香港ダラーの総帥として兜町で仕手筋の一つとして捉えられた頃の話、大蔵省ー証券会社ー司法のつるんだ日本独特の金融鎖国の話、であった。香港筋と騒がれていた頃の話はよく覚えている。王子製紙のことはあまり覚えていなかったが片倉工業のことは覚えている。

しかし、大蔵省というのはとんでもないね。また司法もそうだけど、もう日本人のDNAかと思わせる。私が絶対に日本が金融立国にはなれないと書いてきたことをまさに実証するような話ばかりだ。あの当時のストーリーを読んでいると、ここ最近の村上やスティールパートナーズなどのゴタゴタとあまりに似ているので驚く。だから、日本は何も変わっていないのだ。そして、司法の投資に対するいろいろなコメントも納得ができるのだ。日本で投資で身を立てることはほとんど不可能だということだ。こういったことに興味のある人は読むと良いだろう。
 

 「仁義なき戦い」調査、取材録集成ー笠原和夫著。太田出版。3360円。
3年前の本だ。うちにはいろんな会員がいて、まあ、こういう本を探して送ってきてくれる人もいるわけである。手に入りにくかったらしくやっとゲットされたようである。副題は、戦後やくざ抗争事件史上最大の広島抗争はいかにしてダイナミズムあふれるドラマとなったのか?稀代の映画脚本家、笠原和夫の綿密かつ激烈な取材、調査録、と書かれている。
 
やくざの組織図が複雑でわかりにくかった。字が小さいので最近目がいまいちの私にはきつかった。本名、映画での名前は出ているのだが、該当する俳優名が出ていないので困った。これでは映画をもう一度見るしかないね。映画は、1973年に仁義なき戦い、同年、仁義なき戦い広島死闘編、同年、仁義なき戦い代理戦争、1974年に仁義なき戦い頂上作戦となっている。ここで出てくるヤクザでやけに脳裏に残ったのは、美能幸三、確か菅原文太がやったと思う。大西政寛、別名、悪魔のキューピット。この役は誰がやったかわからない。この二人はすごく印象が強かった。山村辰雄という親分は、金子信雄がやったが、この本の中でも嫌なやつって感じ。金子信雄の演技がすごく良かったということだろう。
 
広島、呉での抗争は昭和38年に終結。戦争前からの話が出ているが、戦後の復興期に朝鮮戦争で潤ったヤクザの世界が克明に描かれている。銃撃事件が多く、すさまじい話も多い。警察も検察も政治家も皆抱き込まれているんだから、呆れた。結局は市民運動がヤクザを駆逐したのではないかと思う。広島県の人には必読の本だね。読み終わって、もう一度、仁義なき戦いシリーズの映画を見たいと思う。あれは、やはり日本映画史上で輝く作品だと思う。あのまま実写って感じだったのではないかと思わせるくらいの傑作だったと思う。
 

 「私事」中村雀右衛門岩波書店。1680円。
3年前に出版されたものだ。歌舞伎の女形。人間国宝。恥ずかしながら、いまだに歌舞伎を見てないという日本人の私が読んだ初めての歌舞伎関係の本だ。女形なんて変なの?なんて考えていたのだから話にならぬ。女になりきるというよりも、観ている男たちが、命捨ててもこの女と一緒になりたい、と思わせるような存在らしい。なんだか、今の強い日本の女性たちに目指してもらいたいと思うのである。それにしても80歳にしていまだ完成せず、だもんね、参るよ。すごいね。黒白映画で佐々木小次郎をやった人だと知って、やっと誰だかわかった。この本の中で、彼が語っている言葉の中で、なかなか心に残るものも多く、最初は適当に読み始めたのであるが、最後は、背筋を伸ばして読んだのである。こういう世界がある、こういう人たちがいるということを知る事ができて良かったと思う。
 

 公認会計士VS特捜検察、細野祐二著、日経BP。
2000円近い本だけど確かに分厚い。以前も書いたけど、このような検察がどのくらい卑怯な手段をとってでも起訴するか、どうしようもない弁護士たちがいる、裁判官が世間から乖離している、そういうことが書かれている本が出る事自体、この国にはまだ言論の自由があるんだと思う。この著者もそうとうにクソ真面目な人だ。あまりに長いので疲れる。繰り返す箇所を減らして、もうちょっと簡略化したほうが良かったような気がする。

だが、冤罪とも言えるこの事件は読むに値する本だろう。一般の人には難易かもしれない。会計がからむし、金融関係がからむので単語自体がむずかしい。とは言え、我々はいつ彼と同じような状況に追い込まれるかも知れないのだから、読むべき人たちはやはり読むべきだろう。絶対に読むべき人たちは、当然ながら公認会計士とか税理士、法律事務所にいる弁護士たち、検事、裁判官だろうね。後、株式市場や財務にかかわる人たちだね。読み応えはあるよ。
 

 「覇者の謀略」実録プロ野球40年史。藤本定義著。
京都のお客さんから、読んでみてくれと頂戴した本だ。1983年発行。もう25年前の本だ。当然ながら藤本監督は今は亡くなっている。巨人と阪神の監督をやった人だ。それがさあ、参ったね、昭和10年ごろの野球から始まるんだよね。まさに日本のプロ野球の歴史でね。沢村やスタルヒンなんか出てくるんだけど。戦争時代とかもあって、特にすごいのが戦後のプロ野球の立ち上げ。セリーグ、パリーグはやっぱり喧嘩して分かれたんだね。挑戦状だとかすごいんだよ。四国の松山は本当に子規が書いていただけあって、野球のメッカみたいなところだね。

私の記憶は昭和35年くらいからだから、話が古すぎてついていけなかったのだが、読んでいくうちに面白くなった。日本のプロ野球興亡史を知りたい人には良い本だろう。これを読むと今の野球はやっぱりつまらないと思う。これはシリーズ物で、風雲の軌跡(三原)華麗なる波乱(水原)御堂筋の凱歌(鶴岡)猛牛一代の譜(千葉)48歳の青春(浜崎ーうん?忘れたなあ、この人)V9の闘魂(川上)というふうになっていて、野球殿堂シリーズだって。
 

 「極みのひとり旅」柏井壽著、光文社新書。780円
実は私は旅の達人なのだ。私はあまり人には言わない。大体今の昼間の温泉ブームだってそんなの流行する前から私はやっていたよ。いいもの教えると皆殺到するから言わないんだよ。意地悪なのだ。この柏井氏はその道のプロのようなのでほとんど隠さずに書いているね。ひとり旅の極意的なものは私はわかっているので読んでいてもほとんど知っていることなので何ということもなかった。でもあまり旅を知らない人には興味が出る話かも知れない。俄然面白くなったのは、ひとり旅実践編だね。書かれているのが、松山、松本、尾道、広島、仙台、湯河原、天橋立。これは良かった。私の知らない事がたくさん出ていた。感心したしね。天橋立以外は全て行ってるのだが、これを読んだら、私は旅の達人なんて言えなくなってしまったよ。と反省するのであった。780円だし、手軽に読めるから一読を勧めるよ。
 

 「社長、あなたの財務感覚はここが足りない」 実業の日本。長尾数馬著。1500円。
煽るようなタイトルの本はあまり好きではない。おそらく著者がつけたのではないのだろう。なんだか、題名を見て、私は、ギクッとしたのである。うん?これって俺のこと?って感じ。中味は75編に分かれている。全ての項目で2ページにまとめている。結論から行くと社長という肩書きをもっている人は読まなければならないだろう。理由は、この歳になっていまさらそんなこと聞けないとかいうようなものがわかりやすく書かれているからだ。また、知ったかぶりしていたこととか、絶対に知っておかなければならないこととか、そういうことがほとんど網羅されている。来月、税理士に会ったときに、偉そうに昔から知っていたような顔をしながら、説教たれてやろうなどと考えているのである。
 

 バイアウト:幸田真音著。1700円
マインというファーストネームらしい。花火でマインてあったような気がする。よく売れている金融小説のようだ。1700円、ちょっと小説にしては高いかな。ハードカバーだから最近はこのくらいが普通なのかも。この手の小説は、昭和30年代、40年代に結構出ていたような気がする。舞台は株式市場だが、昔の兜町的物語とは似ているようで異なっている。まず、女性がこの手のものを書くような事はなかった。と言うか、最近は証券市場も金融市場も女性が表に出てきているので私にとっては驚きである。昔は皆無だったからね。M&AやTOBが焦点になっており、気楽に読めるから、興味のある人は読むと良いだろう。こういう世界になっているのだと理解できると思う。
 

 『歴史街道』 闘将、山口多聞
私の好きな海軍提督である。歴史街道という雑誌に大きく掲載されていた。闘将、山口多聞。逃げない生き方。ミッドウェー海戦から65年、見敵必戦の闘志と責任感、この男をアメリカ海軍はもっとも恐れた、などと書かれている。あの大海戦で最後まで残った空母飛龍で戦った当時の書物を読むと、まるで絵に描いたように頭で描ける。空母飛龍の生涯とかいろいろ本が出ている。ほとんど読んだけど、戦記物が好きな人にはお勧めである。なお、山口提督は飛龍の沈没と運命をともにした。
 

 「マシアス・ギリの失脚」池澤夏樹著
文庫本だから字が小さく、読むのに苦労した。この小説は谷崎賞を受賞している。夏の暑い頃に読む本、南国が好きな人が読む本、海が好きな人が読む本。選んだ場所はパラオではないかと言われている。パラオも出てくるのであるが、ここがパラオの方がすっきりするらしい。島の地図もそんな感じだ。おとぎ話的に小説は進行する。文明への皮肉も込められている。全ての事象が経済的な論理や政治的論理だけで動いているわけではない事も語っている。ただ、そんな難易な事を書いているわけではない。作者の奥を探るとそんな感じがするのだ。この南国の島の大統領は日本とも関係が深く親日的なのだが、結局彼は失脚する。まあ、脳みその同じ部分しか使っていない人たちには、脳みそに違った風が吹きこむ、という感触で読むと良いだろう。なんとなく読後、心に残ってしまうという作品。
 

 小西甚一氏
訃報記事を読んでびっくりした。この人は日本文芸史古文研究法の第一人者で筑波大の名誉教授。なんでこの人を取り上げたかというと、高校時代、この人の参考書が面白くて、わかりやすくて、古文が大好きになったんだ。あれほど古文を親しみやすくした人はいないね。どの参考書も教科書もつまらなかったからね。しかも、古文の若先生が小西教授の教え子の大学院生だったんだ。なつかしい。説明に書かれているね。受験参考書「古文研究法」の著者としても親しまれた。あの参考書で成績はトップクラスになったと思う。
 

 世界秩序の崩壊:ソロス著。
自分さえ良ければ社会への警鐘という言葉とソロスということで買ってしまった。たいして厚くないのに2000円だ。読み終えるのに恐ろしく時間がかかってしまった。翻訳が難易すぎるのか、英文そのものが難易なのか不明だ。たとえば、標準としての再帰性という項目がある。再帰性は現実の人生でも起きる。しかし、金融市場の場合に比べて、分析も証明も難しい。その理屈は再帰性は偏在的だからである。それは標準からの逸脱でなく、それ自体が標準なのだ。このポイントを正しく認識するには、再帰性を暴騰ー暴落の過程と混同する過ちを回避しないといけない。云々。こんなもの読んで意味がわかる?私には100%理解ができない。本も半分過ぎてくると次第に彼の言いたい事もわかってくるのだが、だからと言って一般人にはたいして意味をなさないと思うのだ。安部晋三首相に読んで欲しいと書かれているが、そう、首相が読むべきであって、我々一般人は読む必要性を感じない。
 

 「天国への階段」幻冬舎。白川道著。巻。
セットで中古1360円のようだ。どうしてこの本を買ったのかあまり記憶がない。たぶん、何かの書評か、誰かのコメントでも読んだのだろう。気に 入るとすぐに買い込んでしまうからね。同名の韓国ドラマや昔のアメリカの映画なんてあったりして、つけやすいタイトルなのかも知れない。9年前の小説だ。 えらく長いミステリー小説だった。途中から、あれ?砂の器みたいだなあ、なんて思ったが、どんどん展開が切り替わっていくので驚いた。結末は最後まで予想 できなかった。終わってみれば、うーむ、あの結末しかないのだろうと納得したけど。読書の秋だ。面白いから読んだら?
 

 破滅の美学
シナリオライターの笠原和夫氏によると、普段自分が言わない言葉をやくざ映画では書けるので、それが楽しいらしい。島田昭吾だと、「おらあ六枚のカルタしかわからねえ男だ。面倒くせえ話あ、あの世に行ってからとっくり聞かせてくれい」という凄みを出し、高倉健だと、「お命、頂戴致します!」と礼儀正しくなり、菅原文太だと、「こん外道くそ、往生せえや!」とならないと感じが出ないのだそうだ。この人が一番好きな言葉は「国破れて極道あり!」敗戦後に焼け跡で叫んだ男の言葉なのだそうである。
 

 「翼に日の丸」 川又千秋著
真面目な戦記物だと思って、読んでいたら、どうも真珠湾攻撃で米空母が沈んだり、山本五十六が山木八十八だったりなのでやっと変だと思った。この著者は私と年齢が近いのであるが、やたら戦闘機に詳しい。パイロットか戦闘機作った人並みに詳しい。よほど勉強しないとあれだけの空戦の様子は描けない。文庫本で上中下なので結構読み応えがある。読み物としては大変に面白い。太平洋戦争当時の空戦や戦闘機やそういうものが好きな人にはお勧めの本だ。
 

 「奪われる日本」 関岡英之。講談社。700円
700円だから高くない。最初は読み出してもあまり面白くなかった。その内次第に面白くなってきた。終わってみたら、読後どう思おうと日本人ならばいちおう読んでおくべきだと思ったね。小泉ー竹中批判なのだが、日本がアメリカの属国になっていく様が描かれている。私の知らなかった事も多く、全ての論調に賛同しているわけでもないが、十分にありうることだと思うし、知識として知っておくべきだと思う。著者はアメリカに暗殺されるか、襲われるかもね、と思った。これがロシアについて書かれていたら、彼は今頃毒殺であろう。一番印象に残ったのは保険業界と法曹界だね。保険はアメリカの保険会社、つまりアリコを筆頭とする保険会社のロビー活動の凄さ、米政権への食い込みに驚いた。郵政民営化も郵便などどうでもよく、本丸は簡保潰し。アリコのCMなんて白々しくて見る気がなくなるね。法曹界は現在の日本の司法改革はアメリカの圧力で進んでいること。日本のような大国が弁護士不要という点をついてきた。アメリカのありあまる弁護士やローファームのビジネス拡大戦略にとって日本市場ほどおいしいところはないそうである。ってなわけだ。一読を勧める。
 

 マイブック。新潮社刊。
ラジオで取り上げられていたのですぐに買ってしまった。隠れたベストセラーらしく、毎年40万部売れているのだそうだ。表紙に2007年の記録と書いてある。手帳である。文庫本である。中には日付のみ書かれていて、後は全て空白。そこに自分で手帳なり日記なりにして好きに書いてくれというものだ。340円。外から見ると普通の文庫本だ。毎年11月になると発売される。高校時代、国語は学校で一番だった私もパソコンの発達に伴い、漢字執筆能力などに著しい退化現象が見られ、ペンでものを書くこともなくなってしまった。ペンでものを書くのがなつかしくなってしまうという時代が到来するとは予想だにしなかったね。
 

 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
筑豊での少年時代から、上京、東京生活、母の闘病、そしてー。
「en-taxi」で創刊時より連載していた、「東京タワー」がついに単行本化。装丁、写真、イラストレーションなどすべて自身で行った、初の長編小説。読んだ誰もがひとりでも多くの人に読んでほしいと心から願う一冊です。

このように書かれている。本屋で積んであって、ベストセラーだというので買って読んだ。著者の名前は聞いたような聞かなかったようなってとこ。なかなか良かったよ。ベストセラーみたいのはいまいちのが多いのだが、良かったと思う。母との情愛を描いたものだが泣けてしまう人も多いらしい。まあ、良い本だから親不孝している人は読みなさい。
 

 アメリカのやり方(東洋出版)
以前お客さんから頂戴した本なんだけど、すーーごく面白いよ。アメリカの素顔って感じで漫画で表現している。アメリカの事を知っている人も知らない人も楽しめる内容だね。厚くないのに1200円だが、決して高いとは思えない。是非とも一読を勧める。やっぱりアメリカは9−11からすっかり変わってしまったと思う。私ですら、あまり行きたくないもの。
 

 千円札は拾うな:著者: 安田 佳生
一時売れた本だと思う。友人が読んでみてくれと言うので読んだ。なかなか良い。経営者も当然ながら若い奴も読むと良い。発想の転換が図れると思う。サンマーク出版というところが出している。
 

 国家の品格
ご存知のベストセラーだ。著者は新田次郎の息子だったので入りやすかった。新田次郎の小説は結構読んだからね。武士道ブームになってきているようだが、なかなか良いではないか。新渡戸稲造の武士道は確か若い頃読んだ記憶がある。葉隠れの本はあまり面白くなかったが武士道はそれなりだった。映画「ラストサムライ」のまんまでいいんじゃないの?読んでない人は読むといい。日本民族の誇りを持てるようになるだろう。そして、日本文化の継承の重要さも知るだろう。小中高の生徒に読ませたら?確かに著者の言うとおりだね。学校で株式投資なんか教える必要ないよ。ガキの時から金金金でどうすんの?
 

 この国のけじめ:文芸春秋
お馴染みの今はやりの藤原氏の第二弾だね。特筆はないが、それなりに読むべき書物と思われる。前著よりもくだけていて読みやすいと思う。我々が知っておくべき常識的な事がちりばめられており、1250円でそれを学べるなら安いと思う。
 

 紫電改のタカ
お客さんが「紫電改」のビデオを送ってくれたので見ていた。そう、戦争末期の19年12月に完成した日本最優秀と言われる海軍戦闘機。今の新明和工業が作ったものだ。やっとこの飛行機の設計で初めて米軍飛行機並みにパイロット席の防護を頑丈にしたものだ。米軍にとってもこの飛行機には驚いたらしいよ。ゼロ戦はもうやられていたからね。初戦は呉空襲の編隊に松山203空として飛び立ち、被害17機、撃墜57機という戦果をあげてグラマンが負けたと言う代物。だが、出現が遅すぎて生産はたったの400機。えりすぐりの最後の優秀パイロットを集めて編隊を組んだが、パイロットの命を粗末にしてきた咎めが出て、120人だけ。最後の出撃は昭和20年7月24日で九州。B29編隊500機に対して、最後の20機で突っ込んでいった。日本に現存するのは引き揚げられた愛媛の一機。後2機は米軍の博物館。私にとってこの戦闘機がなつかしいのは、昔のちばてつやの漫画、紫電改のタカ、を覚えているからだ。

紫電改のタカ(ちばてつや)
戦争末期、日本海軍が本土防衛に投入した局地戦闘機「紫電改」。かつて少年たちは、この戦記漫画によってその名を記憶したものだった。“逆タカ戦法”の滝城太郎を主人公とする少年飛行兵たちと、物量で圧倒する米軍との戦い。1963年7月から65年1月まで「週刊少年マガジン」に掲載された。

「源田サーカス」の異名を取り、真珠湾攻撃の作戦参謀だった源田実大佐(1904〜89)を司令とする部隊がモデル。しかし好敵手の米パイロットと心を通わせたり、サーカス顔負けの操縦で死地を脱したりと、夢のような物語でもあった。戦局が窮迫し、特攻隊員にされると知った滝は「おれたちは爆弾じゃないんだ。命を持った人間なんだ」と怒りをぶちまける。だが平和への希望を振り捨て、仲間たちと出撃していく

 

 戦争経済〈ウォー・エコノミー〉に突入する日本

 (見せかけの「景気回復」の陰で国が企んでいること)

今まで気にもしなかった副島隆彦氏の書いた本、見せ掛けの景気回復の陰で国が企んでいること、世界同時株安から統制経済へ、75年前の戦前と現在の驚くべき符合とは?などに興味をそそられる。ありうると今は思っている。
 

 山元五十六
尊敬する元帥の本は多数読んできているのだが、いつ読んでも新しい発見がある。対英米戦反対派は、ほとんど元幕府の諸藩の出。開戦派は、ほとんど官 軍の諸藩の出、なんて初めて知った。今の若い連中が元帥の事を知らないとか、知っていても凡将と思っているのも多いと書いてあってびっくりした。ミッド ウェーの海戦を読んだのだろうね。

いろいろ読んでいると、ガダルカナル戦でのヘンダーソン飛行場争奪戦が最後の勝負だったようだ。角田提督が強気で一気に全軍投入す べし、全戦艦と全空母出動を強く迫ったものの、軍令部の実は油が足りないんだ、の返答に意気消沈する局面は印象的だった。敵の強気提督ハルゼーは一気呵成 に全軍を投入した。投入できたんだよね。この個所の話は興味津々であった。その時、米軍が戦力的に苦しい立場になっていたことはあまり知らなかった。ハル ゼーが来るまで米軍は息もたえだえだったとは。

日本軍は勝てる戦さを石油不足で失った。強気のハルゼーを任命したのは、ニミッツ。このニミッツ提督の凄さをこの本で改めて教えられた。山本五十六とニミッツ、恐らく実力伯仲だったのだろうが、国力の差が大きなハンディとなったようだ。ニミッツに軍配が上がるかな。

 

 検証 戦争責任。 読売新聞戦争責任検証委員会
アキの戦争シリーズ
 

 チャーリー中山の投資哲学と堀内昭利の相場戦陣訓

長尾数馬が編集している。一番苦労してまとめたのは長尾かも知れんね。やっと6月17日販売だ。

チャーリーの話は面白い。言いたい放題って感じ。私のは、恐ろしく真面目。だからつまらんかもよ。でもいいんだ。これで言いたいことは全て書いた。もう説教もしないよ。つまらなかったら、1時間で10万円儲かる本でも読んだら?

ってなわけで、チャーリーが表に出てくることはもう二度とないし、私もそういう気持ちは失せている。この歳になって、相場があればいいのであって、目立ちたいなどとは全く思っていないからね。ま、そういうわけだ。シャンシャン。

 

 「大相撲の経済学」中島隆信著
会員の方に勧められて読んだ。相撲の好きな人には、ためになる本で、相撲に興味ない人には、つまらない本。9年前の執筆なので、最近の話が入ると面白いので、続編が出ると良い。私はガキの頃から相撲ファンで、相撲ばかりとっているので、おふくろは私が相撲取りになると思っていたようだ。そんなわけであるが、知らない知識も多く、この慶大の先生の話は参考になった。
 

 「新釈遠野物語」井上ひさし。新潮文庫。540円。
1976年作品。柳田国男の名著、遠野物語を井上ひさし風にちゃかした感じで書いた短編集というところ。秋の夜長に気楽に読む本。おとぎ話は空想ではない。おとぎ話に比べれば、他の一切のものの方が空想的である。チェスタントン。ということらしい。
 

 「ダイナー」平山夢明著。ポプラ社。1575円。
3年前の作品。表紙が大きなチーズバーガーの写真だものね。日本なのか海外のどっかの国かよくわからない。ただ、それは枝葉末節だという事が後からわかる。残酷。たけしも真っ青って感じの表現。うげぇと思って途中で読むのをやめようかと思ったのだが、書評は☆5と☆4ばかりなんだよね。だから我慢して読み続けた。途中から面白くなったけど。作者もその辺のことはわかっており、あとがきでいろいろ述べている。人の「狂気」「恐怖」を描いて当代随一の平山夢明が放つ、長編ノワール小説。となっている。大藪春彦賞を受賞している。まだ読後感が残っているから、ヘビーな本だったのだろう。
 

 「間抜けの構造」ビートたけし。新潮社。680円+悪税。
本屋に用事があって行った時に、ウロウロしていたら、目に入ったのでこれともう一冊を買った。たけしの本は、ほとんど読んできている。いつもののりで、一気に読める。ただ、今までの彼の本と比べると、鋭さが鈍ったような気がした。読みやすいから、気楽に読むといい。相変わらず役立つことが書かれているし。
 

「いねむり先生」伊集院静著。1680円悪税込。
伊集院氏は、私と同学年だから思考形態は理解しやすい。この先生と言うのは、麻雀放浪記の阿佐田哲也氏。彼との交流を通してのストーリー展開。井上陽水も出てくる。阿佐田哲也がどんな人物なのかこの本で理解した次第。不思議な人物だ。彼は麻雀をギャンブルからカルチャーに引き上げたとか言われているけど、本物のギャンブラーだね。ラスベガスにも数百万現金を持ち込んでバカラをやるというのだからね。あのペーパー王子みたいのはギャンブラーとは呼べない。彼は競輪をギャンブルの一番上に置いているね。印象的な言葉は、色川(阿佐田)はギャンブルから学んだ人生観を相撲の勝敗に例え、「9勝6敗を狙え。8勝7敗では寂しい。10勝を狙うと無理がでる」と述べたことがある。また、「幸運が続きすぎると危ない」という考えからギャンブルに大負けすると「ここで不運を消化しておけば安心だ」とよく語っていたという。いねむり先生のコメントはあちこちで散見されるので、私はあえて書かないが、私は阿佐田哲也の書いたものをもっと読みたくなった。直木賞も含めて多数の文学賞をとっているんだよね。彼は60歳で一ノ関でなくなったのだが、ジャズ喫茶ベイシーを知って、移住することにしたみたいなんだけど、ベイシーって、去年ひょんなことから知って行こうと企画した店なんだよね。
 

「遠い町から来た話」ショーン・タン。岸本佐知子訳。河出書房。1800円+悪税。
うーむ。絵本だとは思わなかったね。大きな本だ。この作者はえらく有名なんだね。幻想的世界に入るって感じかな。けっこう激賞されているね。代表的なものを選ぶと、福井新聞のがある。以下。

町はずれの空き地に住む巨大な水牛に相談ごとをすると、どっちの方角に行けばいいのかを黙って指し示してくれた/枯れ枝に土くれをのっけた棒人間たちは、子供がからかっても踏みつけて粉々にしても、いつも無抵抗に突っ立っている/地図の端っこみたいに町は突然ぷつんと切れているのか、僕と兄さんは探検旅行に出かけることにした――。

 15編の謎めいたショートストーリーと丹念に描かれたイラストで、読む者は日常に紛れ込んだ小さな異界に引き込まれることになる。そこは懐かしいようで、どこかよそよそしい。ぬくもりにくるまれて、でもひんやり寂しい。かわいらしいけれど不気味にも思える。あなたは不思議な読後感を味わうことになるだろう。

 イラストの多くに小さな鳥がいて俯瞰の構図を取る一方、切手やボタンなどちっぽけな物に視線が注がれる。鳥と虫の目を持つ著者は、オーストラリアのイラストレーター・作家。幻想文学、SF、児童文学の各分野で名だたる賞を受け、移民を題材に細密なモノクロ画だけで構成した前作『アライバル』は、世界中でヒットした。絵本をアニメ化した作品は、本年度のアカデミー賞短編アニメ賞を受賞している。

 手書き文字を記した紙切れを並べてつづった作品、国際郵便物を模した目次、細かいスケッチをぎっしり詰めた見返し……隅から隅まで意匠を凝らしたつくりの絵本だ。しわやシミまで印刷されている。本が好きな人に贈ったら、きっと喜ばれる。

 

 「辛酸なめ子の現代社会学」 幻冬舎。2011年。1260円。
え?彼女が漫画家だ?知らなかった。本を開いたら、ほとんど漫画だったので、びっくり。私は昔そうとうに漫画を読んだのであるが、今はほとんど読んでいない。昔の漫画はシリーズで保存してある。売らないもんね。彼女を知ったのは、ラジオ番組に時々出ていて、コメントが面白いこと、あのだらしないしゃべり方が非常に新鮮である事、などである。名前がいいよね。気楽に読める。私の知らない社会学だ。
 

 「離婚」 色川武大著。文春文庫。562円+酷税。
昭和53年初刊。直木賞受賞作品。名だたる作家たちがほめている。フィクションと実話を交えた作品。う〜〜ん、私にはよくわからない。
 

 永遠の仔(上巻下巻):天童荒太著:幻冬舎:
1999年の作品。130万部のベストセラーになったらしい。いろいろな賞をとっている。テレビドラマにもなっている。視聴率12%。12回シリーズ。こんな解釈となっている。児童虐待などの家庭的な問題から児童養護施設で育った3人の主人公が、弁護士、警察官、看護師となって再会し、それぞれが過去のトラウマに悩まされ、苦しみながら、徐々に助け合いながら生きていこうとする、現代の日本の親子関係の暗部をモチーフにした作品である。長い小説だった。あんなに長いストーリーをドラマ12回程度で完成できるのかなあ。結末はドンデン返しが多く、意外な結末をたどる。私の知らない世界の話だったので、それなりに新鮮ではあった。
 

 山本周五郎戦中日記:角川。2011年暮れ発行。
周五郎ファンには問題になった書。これはもともと発表されるはずではなかったもの。戦前の作品の程度もよろしくないとかファンたちもうるさい。そういった気持ちはわかるが、私も一ファンとして読んだ。確かに戦後の彼の多数の名作を考えれば、物足りなさも感じる。それでもすました周五郎という人物像を知って良かった。普通のおっさんだったのである。普通のおっさんが戦後、多数の名作を生み出しているわけで、それはそれでいい。
 

 「雪」 中谷宇吉郎著。岩波文庫。

世界で最初に人工雪を作った人の話。中谷氏は雪博士と言われる有名な学者らしい。私は恥ずかしながら知らなかった。自然科学の分類で三冊の名著があるのだそうだが、ファーブルの昆虫記、ファドラーのろうそくの科学、そしてこの雪がそうなんだそうだ。

なんとこの本が書かれたのは、1938年、つまり昭和13年なのである。とんでもないロングセラーである。石川県に中谷宇吉郎・雪の科学館が完成して、現代かなづかいにあらためられた。雪の結晶のことが書かれているのだが、研究実験が並行して書かれている。この人の有名な言葉があり、「雪は天から送られた手紙である」、その暗号を読み解く作業をしたとなっている。

著者が語るこの言葉が印象的である。「読者は、自然科学の研究と言うものが、大体どんなものであるか、ということを理解してくださればよいのである」文系の私には、半分は通読であったが、それでもこの学者がどのくらいすごい人なのかということがわかる。理系の人はもっと理解度が深いだろうから、是非とも読むべきだろう。こういった人たちの地道な研究が現代の科学をつくりだしたものだと改めて感じた次第である。

 

 「采配」 落合博満著。ダイヤモンド。2011年。

知り合いに彼の講演会に誘われたのだが、都合で行けなかったので、この本を読んだ。講演会の参加費は、料金が高かった記憶がある。

経営者たちを主体として講演することが多いようである。落合氏については、本よりも直接話を聴く方が良いと思った。書かれている内容は、いちおう私の想定内の話であった。良いことを語っているのだが、もったいない。大事だと思われる話の要点を各項目の終わりに1ページつかって、大文字で再度書いてある。学校の教科書じゃあるまいし、すんなりとこのデザインを受け入れられなかった。

これは出版サイドの問題だと思う。あれだけの選手、監督としての記録を作ってきた人の本なら、作り方に知恵を絞ってほしかった。座右の銘としてこの本を長く持っていたい人もいるのではないかと思ったから余計にそう思う。

 

 「ナポレオン狂」 阿刀田高著。講談社。

1982年作品。直木賞作品。この人の著書は初めて読んだ。ミステリー、ブラックジョークの短編集。ナポレオン狂以外の作品に面白いものがあった。13の短編があるのだが、全てが理解できたわけでもなかった。私の読みが甘い?気楽に読めるから、通勤途中に読むといいかも。

 

 「あかんべえ」宮部みゆき著。 )新潮社。

2003年作品。宮部作品は、浅田作品同様に読んで後悔はあまりない。本当は怖いグリム童話集って感じかなと途中まで思っていたが、ファンタジー&ミステリーという評価があっていると思う。時代劇怪奇小説。肩は凝らずに読める。

 

 「聞く力」 阿川佐和子著。文芸春秋。

好き嫌いが分かれている。低評価の人たちのコメントも頂けないなあ。タイトルが内容と違うとか、過去のインタビューを掘り起こしているだけじゃないかとか、枝葉末節。私は昔から阿川佐和子好きだし、父上の本も多数読んでいるし、遠藤周作も多数読んできているから、なんとなくすっきり頭には入る。これはこれで良い本ではないか。

 

 「図書館戦争」 有川浩著。メディアワークス。2006年作品。

図書館シリーズなのだそうだ。どうしてこの本を買って読んだのかあまり記憶がない。何かでほめてないと買わないから。もしくは、本屋で勘で買うのが私の流儀。私の世代が読む本ではなく、若い人たちが読む本だね。そもそもメディアワークスなんて知らないもの。言論の自由云々は、よく理解ができる。いつでも中国や戦前の日本に逆戻りする可能性があるわけだし、世論みたいなものは所詮は付和雷同。図書館をよく利用する人は、当然ながら、読んだ方がいいでしょ。

 

 蜩ノ記(ひぐらしの記):葉室麟著。祥伝社。直木賞受賞作。

最近よく出てくる著者だね。ラジオにも出演していたね。時代劇だが、藤沢周平的感じの小説。本人は否定すると思うけども。心ふるわす、感涙の傑作と表紙に出ているが、それはちょっと。さわやかな時代小説というイメージ。命を区切られた武士の生き様。

 

 明日もいっしょに起きようねー捨て猫でかおの話。穴澤賢著。草思社。

2012年作品。実話にもとづいた絵本。こころあたたまるが、5分で読めて、1200円はいただけない。一部寄付されるならいいけど。猫ファンは泣くかもね。私はどちらかというと、きたまやようこの「ゆうたはともだちーゆうたくんちのいばり犬」シリーズが好きだね。あのいばり犬、私に似ているらしい。

 

  きたまやようこの「ゆうたはともだちーゆうたくんちのいばり犬」シリーズ

あのいばり犬、私に似ているらしい。

 

  夫婦善哉

昔から有名な小説であるが、テレビドラマで初めて真面目に見ているのだが、なかなか良い。なんとも大阪情緒にあふれている感じがする。知らない人には、この説明が一番わかりやすいと思う。次回、大阪に行ったら、この善哉屋とカレーライスは食べてみたいと思う。http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20130823/E1376979626659.html?_p=1

 

 柔らかな犀の角:山崎努著。文春。

2012年作品。山崎努の読書日記。何かの書評でほめていたので、読んだ。もともと、俳優山崎努が好きだったから、興味があった。多数が座布団5枚にしていた。彼の選んだ著書で私が読んだことがあるのは臨終図鑑だけだった。読書論は、俳優としての見方が多く、私にはピンとこないものが多かった。一般人と俳優は全く違うものだと感じた。これは私の考えなので、多数が良いと言ってるので読んだらどう?

 

 ロジカルゴルフ  尾林弘太郎著。日経。

ちょっと私も頭を使おうかと思ったわけ。スコアを伸ばすには、攻め方があるからね。ショットがいいからスコアが伸びるわけではないし、300ヤードも1センチも同じ一打だからね。ゴルフをやめないのは、年齢がいくつになっても誰でもできるスポーツだからだ。料金も安くなって、今度行くところなんて、5500円でランチつきだよ。それでまあ、この本を読み始めたわけだが、途中から、これは、70台を目指している人向けだとわかり、しらけつつ読んだ。でも終わってみると、含蓄のある良いゴルフ教科書だと思う。

 

 大本営発表のマイクー私の十五年戦争 (近藤富枝著) 河出書房。8月発売。

毎週末、株の雑誌を買う。同じ雑誌だが、もう15年くらいそうしている。たまに私が本屋に出向く。それで、昔のようにプラプラ歩きながら、本をあさる。経済、ビジネス、資格、市場関連のコーナーには足を絶対に運ばない。それで歴史、文芸、小説関連コーナーによく行く。本の表紙がきれいだったことと、パラパラめくって読んでみようと思ったので買った。この著者は、瀬戸内寂聴と同級生なのでそれ相当の歳ではある。しっかりした人だ。この人が主人公となった朝ドラが昔あったそうで、本日も晴天なりというタイトルだそうだ。ラジオアナウンサーなのだが、東京女子大の話とか、劇の話とか、そういう話が、あの暗い時代を背景に進んでいく。後半はNHKのアナウンサーになるのだが、文脈も文章も全て、淡々と書かれている。戦前戦中戦後の暗い時代であるが、こういう見方をした人がいて、こういう暮らし方、生き方をした人がいた、という事を学んだ。

 

 「蚊がいる」 穂村弘著。メディアファクトリー。

何でこの本を買ったかと言うと、書店で、やけに本のデザインが気に入ったからなんだ。目に入って面白そうって思って購入してしまった。こういう買い方は初めてだ。この著者は聞いたことがある。短歌の人のようだ。彼のエッセイ集。短編が多いので、読めるスピードは速くて、いいピッチである。ただ、後半の対談集は、私にはさっぱりわからなかった。

 

 「満つる月の如し」 澤田瞳子著。徳間書店。

文学賞を受賞している。平等院の仏像あるでしょ、あれを作った仏師定朝という人のお話し。1000年も前の話。藤原道長の時代。読む人によって感想が違うだろうね。この手の話が好きな人とどうでもいいと思う人と真っ二つに分かれそうだ。

 

 「溶ける」井川意高の懺悔録。双葉社。

カジノで失った106億8000万円、大王製紙三代目転落の記。となっている。最初から、精神的病だと私は判断していたけど、やはり病気であろう。反省の記となっているが、その彼が経営哲学みたいのを書いているのは、ちょっとなあ。経営者として優れていても、人間としてのバランスを欠いているのだから、ピント外れの感がした。やはりボンボンだと思う。マスコミの攻撃に対して怒っているが、それはその通り。マスコミは、敵になったり味方になったりしてコロコロ転換だからね。私はそんなことわかっているから、この事件の記事の類はほとんど読まなかったよ。面白おかしく書かれるのは必然だし。ただ、嘘を書くのは良くない。ホリエモンが、失敗をしない人間はいない。人生は何度でもやり直せる。今はどんぞこ気分であるが、これから何を学び、出所後どんな活躍をされるのか僕は今から楽しみにしているというコメントを出しているが、これは正直しらける。こんな後付けコメントなどなくして、淡々と何があったのか書けば良かったのではないかと思う。時間のある人は読まれたらどうか。

 

 「黄金のバンタム」 百田尚樹著。PHP

読んでいて慌てた。週末にこのドラマをやるではないか。タイミング的に参ったね。途中から急ぎ読み終えた。若い人たちは知らないかな?ファイティング原田の物語だね。多くの試合で視聴率50−60%をとるくらい、当時のボクシングは人気があり、原田の人気が高かった。ドラマでは恐らく当時のフィルムが出てくると思う。1万人とか2万人とかいう観客数だからね。日本が昇り竜の時代の寵児。ファイティング原田のすごさは、あのマイクタイソンが尊敬していたこと、タイソンが原田のビデオを見ながら研究していた事、これでわかるでしょ。さあ、テレビが原作を抜くことはできるのかな?まあ、私がどうして最近のボクシング見ないのかは、理解してもらえると思うけど。

 

 「おしかくさま」 谷川直子著。河出書房。

文芸賞受賞作。お金信仰の痛快小説となっている。後半になって、やっと教訓的な事がわかった。気楽に読めるし、時間もかからないから、電車の中などで読むと良いかも。

 

 「ソロモンの偽証」宮部みゆき著。新潮社。(第T部第U部第V部

2002年から2006年まで月刊誌に掲載された長編小説。最初気が付かなかったのだが、3冊で1ストーリーのようだ。あまりに「事件」が分厚いので、これですべてだと思っていた。あのアメリカの19681122よりも長いのかなあ。これから、第二部第三部を読まないとならないから、評価はまだできない。ただ、宮部作品は時代小説のほうが面白いかも?と思った。

 

 「空の拳」角田光代著。日経。

夕刊の連続小説だったもの。ボクシング担当週刊誌記者の青春記という感じ。それなりに、私もこの若者と同じ歳の頃のことを思い出しながら、読んでいた。ボクシングの試合見たことないから、一度行ってみようと思う。

 

 「駅前旅館」井伏鱒二著。新潮社。

文学少年であった頃、最初に読んだものが井伏鱒二の山椒魚だった。さっぱりわからなかったけど。井伏鱒二がこういう小説を書くとは思わなかった。駅前旅館なんていっても若い人たちは知らないだろう。昔は上野界隈にたくさんあった。そこの番頭の語り。その一人語りが面白い。なつかしい感じであるが、落語を字で読んでいると思うと良いだろう。楽しい作品。

 

 「遠野物語拾遺」 柳田国男ー京極夏彦著。角川。

2014年作品。遠野物語を知らない人たちも多いので、まずそれを触れておこう。柳田國男が、1910年(明治43年)に発表した説話集。日本民俗学の黎明を告げた名著である。その内容は天狗、河童、座敷童子など妖怪に纏わるものから山人、マヨヒガ、神隠し、死者などに関する怪談、さらには祀られる神、そして行事など多岐に渡る。『遠野物語』本編は119話で、続いて発表された『遠野物語拾遺』には、299話が収録されている。民間伝承に焦点を当て、奇をてらうような改変はなく、聞いたままの話を編纂したこと、それでいながら文学的な独特の文体であることが高く評価されている。日本民俗学の発展に大きく貢献した。気楽に読めるから、読んだら良いと思う。

 

 「昭和育ちのおいしい記憶」阿古真理著。筑摩書房。2014年刊行。

いわゆる食の文化、食の思い出、食の風物詩という感じ。違和感が時々あったのは、私が男であること、彼女が関西育ちなので関西と関東を取り上げるのだが、私は関西の事はさっぱりわからず、神戸なんて行ってみたいなとは思うものの食文化はわからずという点。いろいろ考えさせられる事も触れられており、女性にはお勧めの書かも。

 

 「野坂昭如リターンズ4」1945年夏・神戸。その他。

火垂るの墓の原本みたいだと思ったが、結末は全く違っていた。ただ、この少年は野坂氏だろう。本はとても厚い。話は、淡々と進む。この淡々さが逆に戦争の怖さを知らしめる。野坂ファンとそうでない人とでは、受け取り方も異なると思われる。

 

 「眠れるラプンツェル」山本文緒著。幻冬舎。

彼女は直木賞作家。ファンも多いのだろうと思うが、私にはちょっと馴染まないのでコメントなし。

 

 「夢の船旅」中上紀著。河出書房。

中上健次の娘の著作。ラジオ深夜便で朗読を聞いていて、読んでみたいと思った本。新宮、熊野は、私も非常に縁がある地であり、ラジオで聴きながら、なつかしかった。娘が小説家中上健次を追慕する作品。彼女の今後の活躍に期待したい。

 

 「婉という女」  大原富枝著。講談社。

野中兼山の名前は知っていたけど、その土佐の家老の一族の話。ずいぶん残酷な話で、一族郎党血が絶えるまで幽閉というのだから、江戸時代もすごいものだ。要するに政治家が失脚するとこうなるってことで、その娘の話。この作者は膨大な著作を残している。あまり知らなかった。1995年作品。

 

 「国鉄スワローズ1950−1964」  堤哲著。交通新聞社。

副題は、400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団となっている。明治、大正時代にまでさかのぼった野球の歴史も触れられている。今の60以上の人ならだれでも知っている国鉄だが、若い人は知らない。国鉄50万?だかが、バックした球団だったが、新幹線の開通の時に、ヤクルトに譲渡された。都市対抗野球の事がよく触れられているが、これは、大企業にでもいないと実感がわかない。

一番面白かったのが、金田の話。なつかしい長嶋との対決などが、くっきりと描かれている。この本の中核をなしていると思う。しかし、これだけ、国民に愛され続けた野球を戦時で強制的にやめさせて、ひどい話だ。私は、黒田が帰ってきたので、今年は広島ー巨人を久しぶりに見に行きたいと思っている。何年振りだろうか。

 

 「採薬使佐平次」平谷美樹著。角川。

以前、日経の書評欄で褒めていたので読んでみた。知らない世界。薬草をやる連中も将軍の隠密。当時の飢饉というのはすごいね。100万人死んだとかね。餓死も多いのだが、毒草を食べて死ぬ者も多かったようだ。チャンバラ劇も頭に浮かぶのだが、映画かテレビドラマでやったほうが受けるような気がした。

 

 「花晒し」はなざらし。 北重人著。文芸春秋。

作者は5年前に亡くなっている。いわゆる遺稿集。新聞で五つ星だったので、読んでみた。江戸の市井の人々をえがいた作品。気を楽にして読める。葉室麟は、生きていくせつなさに心ふるえる小説だ、としている。

 

 「よりぬきサザエさんNO.1」長谷川町子著。朝日新聞出版。全13巻。

なんとなく読んでしまった漫画。若い人には無理だろうなあ。私ですら、この第一巻の頃の話の笑には理解できない箇所も多いのだよ。庭でタライで行水なんてこともよくあったけど、洗濯板で洗濯とか、配給の米とか、空き巣、庭で鶏を飼っていて、卵を産ませるとか、ひよこを売る店とか、まあ、サザエさんの始まりは昭和21年というわけで、私も生まれていないんだよね。世相を表していると言われているけど。今のテレビのサザエさんって、長谷川町子の弟子たちが描いているの?

 

 「手ぶくろを買いに」新美南吉著、黒井健イラスト:日本童話名作選。

50人中、49人が座布団5枚をつける高評価。イラストを描いている人の評価がものすごく高く、ファンが多いようだ。暖かい話。と言っても私はショックである。評価を読むほどの感動がなかったということは、私のメンタリティに問題が出ているのではないのかと疑念を持つようになってしまった。私は感動しなくなってしまったのだろうか?評価を読めば、う〜む、なるほどそうか、と思ったのであるが。

 

 「ぼくは本屋のおやじさん」早川義夫著。晶文社。

これもラジオ深夜便で作者が出てきて、いろんなおしゃべりを聞いているうちに読んでみようかと思った。私自身も本屋なんてやってみたいな、などと昔から思っていたこともある。就職しないで生きるにはシリーズとなっている一番バッターの本。著者は、もともと音楽。ロックグループのリーダー。今は本屋をやめて音楽に戻っているようだ。彼はしきりに本屋ほど大変な商売はない、という事を力説しており、なんで大変なのかを書き連ねている。私が思ったのは、なるほど、アマゾンみたいのが出てきて成功を収めたのも当然だなあ、という事。出版社が悪いのか問屋が悪いのか本屋が悪いのか、流通そのものがダメなのか、よくわからないが、本を読む人たちが激減した事は単に誘因にすぎず、本屋さん事体が滅んでいく運命だったのだと思った。

 

 「拉致と決断」蓮池薫著。新潮社。

この本を称えるコメントが多い。24年間の拉致かあ。異常な長さだね。読んでいる途中、なんで朝鮮は拉致なんてしたのだろうという疑問ばかり湧いてきた。スパイに仕立てるつもりなのかと思いきや、そんなこともなさそうだし。やってはみたものの、取り扱いにその後困ってしまった?もっと言いたいことがあるのにチャックしている感じがした。あちらの国の人々は何を考えて生きているのかといつも思っていたので、その点ではすっきりした。

 

 「隣の女」向田邦子著。文春文庫。

この中に収録されている春が来た、というのがとても良いという誰かのコメントがあり、向田ファンであるからして、読まないとならないと思って読んだ。この収められている五つの話は、今まで私が読んできた向田作品とちょっと違った印象を持った。終わりに解説が出ているのだが、向田邦子ファンの多さには驚く。みんな彼女が好きだった、といったところか。

 

 「暢気眼鏡・虫のいろいろ。他13編」尾崎一雄著。岩波書店。芥川賞受賞作品。

読後コメントを読むと、高い評価を受けている。私小説。ラジオFMで誰かがお勧めの本としていたので買って読んでみた。私?う〜〜ん、文学的素養がないのかも知れぬ。

 

 「金融大地震とインフレの大津波」 本間裕著。社会評論社。

読んでほしいと言われて読んだ。それなりにファンがいそうな著者である。予測が当たったか外れたかにやけにこだわっているのだが、未来予測への挑戦となっているのだから、まあわからんではない。この本を読むには、読者サイドにもそれなりの識見が必要だと思う。鵜呑みにしてしまうのもダメだろう。60年周期までは理解できたが、400年、800年サイクルというような話になると、さすがについていけなくなった。これがなければ、ずいぶん印象が異なったと思う。いろいろ学べるような事も多く、知っておくべきことも書かれているので、金融界の人は読んだら良いだろう。今年の9月が宜しくないそうだ。

 

 「ふくろうくん」 アーノルド・ローベル作。三木卓訳。文化出版局。

1976年に初版が出てから、60版も重ねている。この作者はすでに20年前に亡くなっている。ふたりはいっしょ、どうぶつものがたりで賞を受けている。非常に高評価になっている。童心がなくなってしまった私にはいまいちだったのだが、読んで2−3日たっても心に残っているので、皆が言うように良い作品なのかも知れない。感動する子供が多いようなので、子供がどういう反応をするのか見てみたい気分だ。

 

 「1934年冬ー乱歩」 創元推理文庫。久世光彦著。

山本周五郎賞までとっている作品。江戸川乱歩は知っている。久世光彦も知っている。半分で断念した。さっぱりわからなかったのである。私の読書力がお粗末なのだと思う。理由は、レビューを見ると皆絶賛しているのである。そういうわけで、珍しく最後まで読めなかった自分を恥じているのである。

 

 「豹変」 今野敏著。角川書店。

本屋でウロウロしていて、買った本。著者は、隠蔽捜査の人なので、外れはないだろうと思った。読書は、知識を得るため、学ぶため、楽しむため、などなどいろいろ目的は読者にもよる。これは、楽しむためという部類だろうと思う。面白いから、暑い夜にドンドン読み終わってしまった。題材も面白い。気楽に楽しむためには良い本と言える。

 

 「峠道」 上田秀人著。徳間書店。

有名な米沢藩の名君上杉鷹山(ようざん)の伝記。ケネディや山本五十六が敬愛したと言う人物。要はリーダー論みたいなものだ。「なせば為る 成さねば為らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」という有名な言葉も残している。一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候 一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候 一、国家人民のために立たる君にして君のために立たる国家人民にはこれなく候 という伝国の辞三か条も残している。政治家を目指す若い人には必須の本と言えよう。政治家になってしまうとこれらを忘れてしまう人たちも多いが。 ケネディのスピーチは確かに似ているところもあるね。ケネディについては異論もあったが、2年前に文書も公開されたそうである。

 蔦屋:谷津矢車著。学研マーケティング。

以下のように内容説明されている。江戸・吉原に生まれ、黄表紙や浮世絵の版元として次々ヒットを飛ばした蔦屋重三郎。喜多川歌麿、山東京伝らスター作家と共に、江戸の人々の心の枷を本でぶっ壊す! 今のTSUTAYAの創業者という話になっているが、真偽のほどは知らない。田沼意次、松平定信が老中だった時代の話。江戸時代の本屋の話など初めて聞く話でそれなりに。

 「野望の憑依者」伊東潤著。徳間書店。

足利尊氏を中心とした時代小説。後醍醐天皇とか楠正成とか、新田義貞とか出てくるわけ。新田義貞が北条軍を破った大きな戦いが、近所の分倍河原と関戸という多摩川のところ。だから、この辺りは、やたらに鎌倉街道というのが多い。尊氏を支える高師直という人物の話がメイン。太平記などにも扱われているのだけど、私はこの時代の動きに疎い。昔から尊氏は教育の現場では悪にされていたからね。でも本当はいいやつなのかもしれない。歴史は後世変えられてしまうらしいからね。人物名を覚えるのが大変。何しろ南北朝時代なんて教科書でも簡単に終わってしまう箇所だものね。読み終わって感じたのは、諸行無常。

 

 「飛龍伝」神林美智子の生涯。つかこうへい著。集英社文庫。2001年作品。

まさに団塊の世代以上の青春時代が背景。全共闘とか、安保だ、機動隊、そんな話が今の若い人にはどう取られるのか知りたい感じ。若者たちが、燃えた時代があったんだよ。途中、蒲田行進曲的なのりもあるのだが、結構真面目な本であることはわかる。しかし、表紙が若い女性の裸の後ろ姿なので、カバー外して読むしかなかったね。今は、なんでもセクハラと騒ぐ連中がいるのでね。この女性が東大生で、全共闘40万の委員長に選ばれる。評価を読むと評価は高いね。座布団の枚数よりも、若い人の読後感を知りたいなあ。

 

 「ユタと不思議な仲間たち」 三浦哲郎著。新潮文庫。1975年作品。

非常に評価の高い童話。NHKドラマやミュージカルでも取り上げられている。作者は6年前に亡くなっているが、青森八戸の人。代表作に芥川賞の忍ぶ川がある。岩手県北部の金田一温泉らしいのだが、この本が出た後、座敷わらしを探して人気スポットになったことがあると聞いている。小学生の男の子がいれば、読んであげるか、読ませると良い。

 

 「骸骨ビルの庭」 宮本輝著。文庫()。講談社。

2009年作品。司馬遼太郎賞受賞。人間の魂の絆を描いた感動の力作と書かれている。著者の泥の河、優駿、などは読んでいる。戦争から帰国した人物が孤児たちを育てる運命になったことが起点。いろいろな人たちが高評価をくだしている。

 

 「学問」 山田詠美著。新潮文庫。

2012年作品。著者は各種の賞を受賞してきている。人気作家。書評も好評が多い。面白い読み物。女性読者の方がわかるのかなあ。私は、最後はあまり理解ができなかった。評価が高いので私の理解度が低いのかも知れない。小説スタイルとしては珍しい型であった。

 

 「凍れる瞳」 西本正明著。文芸春秋。

初版1988年。このタイトルのものだけだと思っていたが、合計四編の作品がのっている。人生の挫折のようなものに焦点を当てているようだ。個人的には最後の端島の女が良かった。

 

 「欧亜純白ユーラシアホワイト」 大沢在昌著。集英社文庫。

ご存知大沢作品。ヘロイン、麻薬ルートのサスペンス。小説になっているが、大枠事実に即していると著者は語っている。清原事件もこういう背景を知っておくと見方も変わるのではないか?やくざ、チャイナマフィア、ロシアマフィア、シチリアマフィア、三角地帯、日本の麻薬取締官、CIA,DEAなど勢ぞろい。上下巻で分厚い。すごく読み終えるのに時間がかかってしまった。麻薬、覚せい剤、など知識を得るには最適の書。

 

 「風の盆恋歌」 高橋治著。新潮文庫。

非常に評価の高い作品。悲恋小説。作者は、相当な風の盆ファンらしい。幽玄の美と評価されている。八尾に一度行って二日ほど滞在すれば、何か感傷に浸れそうだ。

 

 「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」 春日太一著・PHP新書

彼出演の映画はいろいろ見てきているので、なつかしかった。これを読んでから、乱を見たのだけど、彼の演技力を見せつける作品だったね。白黒で切腹という名画があるのだけど、あの時に、仲代達矢と三船敏郎のチャンバラが真剣だったと知って驚いたね。危険極まりないよね。まあ、そんなこんなで昔の映画の事がいろいろインタビュー形式で語られている。

 

 「花のれん」 山崎豊子著。新潮文庫。

1958年の作品だから、相当に古い。吉本興業の創業者の女性の物語で映画やドラマで演じられてきている。直木賞作品。

 

 「父・藤沢周平との暮し」 遠藤展子著。

娘を愛した父親と父親を大好きだった娘との日々の追憶。テレビドラマで見たんだよね。東山紀之主演の(ふつうが一番 作家・藤沢周平 父の一言)を見てから読んだ。東山の好演が際立っていた。

 

 「90歳の遺言安藤昇」 向谷匡史著。徳間書店。

若い人は安藤昇知らないかね?やくざ安藤組の組長で解散してから映画俳優になって、一世を風靡した人。彼の人生訓みたいのが書かれている。ヤクザの中のヤクザと言われる人。軽く読めるから、読むといい。

 

 「昭和残影」 父のこと。目黒考二著。角川書店。

いろいろ学べる。勉強になる。

 

 「靖国への帰還」 内田康夫著。講談社。

帝都防衛の厚木航空隊の月光の飛行機乗りを主人公にした物語。突然の場面変更と最後の変更には驚いたけど。要するに、今の日本人たちに告ぐという感じの本。読み物としては軽く読める。若い人が読んだ方がいいかも。

 

 「代償」 伊岡瞬著。角川文庫。

本屋大賞で飾られていたので購入した。寝る間も惜しんで読んだくらいだから、面白いサスペンスと言える。小説を楽しみたいなら良いと思う。

 

 「90歳。何がめでたい」 佐藤愛子著。小学館。

有名な佐藤一族。遠藤周作や川上宗勲や北杜夫たちの話から彼女の事はよく知っていた。本屋に行ったら積んであったので買ってみた。彼女らしいエッセー集。犬の話は泣かせる。気楽に気晴らしに読むと良いだろう。

 

 「コンビニ人間」 村田沙耶著。文芸春秋。芥川賞受賞作。

待ち合わせの時に本屋に積んであったので購入。評価は比較的高いようだ。彼女はいろいろ賞をゲットしてきているね。私は興味津々で読んだけど、芥川賞の選考基準がよくわからないので、何とも言えない。まあ、評判だから読んでみたら?それなりに面白い。

 

 「告白」 町田康著。中公文庫。

3割くらい読んだところで、やめようと思ったのだが、あまりに評価が高いので、??これがわからないのは私がアホ?と思って再度読みだしてやっと終わった。文庫なのにえらく分厚い本。谷崎潤一郎賞を取っている。明治時代に実際にあった事件を題材としている。河内10人斬りという大量殺人事件。河内音頭にも名前が残る兄弟分の二人。河内弁で書かれている。だから、東京の私などには難解。関西の人なら、なじみやすい文体なのかも知れない。この事件は関西では有名なのかな?

 

AKIのオススメ・映画編

書籍コーナー        映画コーナー

 「アーティスト」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ご存知アカデミー賞5部門受賞作品。すごく良かった。日本では平均☆3.5になっていたが、いろんな人がいるものだ。私は☆5.0.フランス映画なんだね。主演の男優は若いが、老け役も見事なものだ。美しくでなく、きれいな恋愛映画という印象をもった。

 

 セブン・イヤーズ・イン・チベット   (映画版) (書籍版)

 AKI評価:☆☆☆☆☆

本もあるし、映画もある。私は映画の方を鑑賞した。実話に基づいた話である。ブラッドピットとデイヴィッド・シューリスと監督が無期限中国入国を禁止された。オーストリーの登山家と幼少の頃のダライラマとの交流を描いた作品。音楽はジョンウィリアムズだから当然いい。ダライラマ役の少年もすごくいい。

チベットが毛沢東共産党に征服される。8000人対9万人の戦争で11日で陥落。その後もチベット民衆が100万人殺されたと最後に追記が出てくる。インドに接するチベットが欲しかったのか詳しいことは勉強不足で知らないのだが、要するに我々が思い浮かべるのに適しているのは、例のブータンが中国共産党に占領されるという感じだろうか。日本も満州を占領したし、ソ連はチェコを60万の軍隊で制圧したりしているから、私は、その面では中国の事をとやかく言ってるわけではない。だが、何しろ、この映画に出てくる共産党軍の将軍たちがあまりに無礼、傲慢だったために、強烈な印象を残している。ってことを考えると日本が満州を占領したことを文句言うのもおかしな話ではある。

中国で上映禁止になった作品であるが、映像美と音楽がいい。チベット仏教の聖地の感じもすごくいい。あの仏教国と中国共産党は全く相いれないなあ。ブラッドピットがすごくいい。ぜひ、映画を鑑賞して欲しい。

 

 ポールニューマン スティング』 『明日に向かって撃て

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ポールニューマンが引退したけど、彼はいいよね。彼の作品の多くを観て来ている。典型的なアメリカ人だと思うな。以下が彼の出演作。

やはり私が大好きなのは『スティング』と『明日に向かって撃て』 だなあ。明日に向かって撃てなんてあまりにも感動したから、アメリカ横断している時、わざわざワイオミングに立ち寄ったものね。

 

 サウンドオブミュージック

 AKI評価:☆☆☆☆☆

世界でこの映画を観なかった人はいないのではないかと言われる名作であるが、先日NHKのドキュメンタリーを見た。次女のメアリー?が語る話なんだけど、すごく良かったね。あの番組は反響も大きかったようだ。しかし、彼女はいいよね。常にニコニコ明るく語っていて。アメリカに渡って以降の話なんて全然知らなかったから興味深かった。ザルツブルグは行こう行こうと思っていて、とうとう行かなかった。やはり行ける時にどこにでも行っておかないと一生チャンスがなくなるね。
 

 「フレンチコネクション」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

25年ぶりに再度、鑑賞した。4度目かな。1971年の作品でアカデミー賞5部門を制覇した刑事アクション映画。全然色あせてない。その後のカーチェースなどのアクションはこの映画がスタートかと思う。ジーンハックマンが素晴らしい。このポパイはその後もいろいろな映画に出演して、賞を総なめにしてきている。相棒役が、ジョーズで有名な故ロイシャイダー。今の若い人たちが鑑賞しても十分に楽しめる大作だと思う。

 

 「麗しのサブリナ」:1954年作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ビデオ整理していたら出てきたので、25年たって再度鑑賞した。オードリーヘップバーンの美しさ、かわいさ、世界中の男のアイドルである彼女の全てが出ている感じ。オーラ1万倍って感じ。常々思っているのだけど、彼女の英語の美しさ。フランス語も美しいのであるが。彼女が歌う場面もいい。最近、古い名作を見るようになった。別に今の映画が悪いと言うわけでもないが、アメリカが強かったころのハリウッドの映画はやはりいい。サンセット大通りのウィリアムホールデンやカサブランカのハンフリーボガードもいいが、オードリーが出てなければ、二流映画ではないかと思う。

 

 グレンミラー物語

 AKI評価:☆☆☆☆☆

いわゆるアメリカの良き時代の映画。主演のジェームズ・スチュワートは、アメリカの良心とまで言われた俳優。女優のジューン・アリソンも光る。英語はきれいな英語だから、学ぶにはいいだろう。ムーンライトセレナーデなど、なつかしい曲が全て流れている。今のグレンミラー楽団は、ずっと継承してきている楽団だ。気分がさわやか、暖かになる映画だ。ペンシルベニア6−5000、インザムード、アメリカンパトロール、セントルイスブルース、茶色の小瓶など、すっきりした気分になることは保証するね。

 

 「七人の侍」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ビデオからDVDに移行したので、見てみた。そう、ご存知、世界の名だたる映画監督たちに影響を与えた映画である。今回見たのは、30年ぶりかも知れない。今回、その優秀さを改めて知ったというところ。恐ろしく長い映画で、3時間27分である。途中で5分休憩など入っている。昔の映画は、日米とも休憩が入ったものだ。若い人たちは見ていないと思うが、一見の価値がある。白黒映画の良さもある。

今度、クリントイーストウッドの名作、アカデミー賞の「許されざる者」の日本版を作るらしいので、それも楽しみに待っている。時代劇はいい。

 

 バルトの楽園

 AKI評価:☆☆☆☆☆

2年前の作品だ。すごく良かった。なるほど文部省選定となるはずで、若い人たちには見せたい映画である。松平健と国村隼が好演している。ドイツ人将校のブルーノガンツはヒットラーの12日で有名な俳優だ。松江豊寿所長が会津であることも大きい。まさにこのような人物が昔の、つまり第一次大戦頃までの日本軍人だったのだと思う。当時、世界でも一目おかれていた日本軍人である。私は、真面目に第九を聴いたことがなかったのだが、今回聴いて、あらためて良い音楽だと感銘した。なるほど、多数の日本人が筆頭に上げるものだとわかった次第だ。今度、きちんとオーケストラの生を聴いてみたい。
 

 「独裁者」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

私はヒトラーのスピーチを聞きながら、チャプリンの「独裁者」を思い出していた。スピーチの内容は、チャップリンの方が100倍も味のあるものであった。若い人たちには、是非ともこの2本を見てもらいたい。そして、比較してもらいたい。いろいろ考えることが増えるだろう。そして、心の栄養になるだろう。2本とも必見である。「独裁者」のほうは、買い置きが一番良いのだが、中古でも高価だから、レンタルでもいいと思う。
 

 「意志の勝利」監督レ二・フェンシュタール。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

全てのドキュメンタリーフィルムの原点となった傑作となっている。そう、ナチ、ヒットラーね。1934年と言うから、昭和9年のニュルンベルクで開かれたナチス党大会の記録映画。整然とした映像美は高く評価されていたが、戦後、芸術かナチズムなのかで問題化された。映像美は確かにすばらしい。整然とした行進、規律のある集団、今の北朝鮮を100倍美しくしたものに見える。ヒットラーのスピーチは、内容的にたいしたことはしゃべっていない。完璧なる扇動と洗脳である。これはどの国、どの国民にもありうる。この後、ナチはドイツ全国を席巻し、あのような結末を迎えることになる。    
 

 「それでも僕はやってない」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

観ようと思っていて観れなかった作品だが、ご存知周防監督の作品。先日テレビで放映されたので観られた方も多いだろう。久しぶりに良い作品を観た。すごく良かった。この監督はただものじゅないね。彼の作品全て好きだよ。ブログ辺りでも相当な人気となっているようだ。司法は実に恐ろしい。いつ自分が犯人にされたり、検挙されたりするかわかったもんじゃない。悪い女がいればそれだけでおしまいだ。それにしても世間の常識の通じない世界である。
 

 県庁の星

 AKI評価:☆☆☆☆☆

たくさんの人が見たと思うけど、あれいい映画だったねえ。日本人、つまり、役人たちであるが、あのようになったら、日本もずいぶん良い国になるのではないかと思わせてくれたね。伊丹監督のノリの映画だった感じがする。久しぶりに、いい日本映画を見せてもらった気がする。役人諸君には、大いなるプライドと本来の目的意識をもって頑張って頂きたい。
 

 「英国王のスピーチ」

 AKI評価:☆☆☆☆☆

ご存知アカデミー賞受賞作品。長いことみたかったのだが、やっと見れた。今のエリザベス女王の父上のジョージ6世の話。鑑賞後、イギリス王室の勉強をしてしまったよ。映画の良さ?座布団5枚。非常に良い作品だね。素直にお勧めです。
 

 西部開拓史

 AKI評価:☆☆☆☆☆

なかなか良かった。1962年制作。1800年代の50年間の親子3代の物語。要するに西部劇だね。グレゴリーペック、ジェームズスチュアート、ジョンウェイン、ヘンリーフォンダなど有名俳優陣が出ている。映画音楽として有名なグリーンスリーブズが流れる。若い国、アメリカの大きさがわかる映画だ。今の人種のるつぼのアメリカとは全く違う。
 

 ゼログラビティ

 AKI評価:☆☆☆☆☆

年末に観た。批評で☆5個だったので気になっていた。もう、ぶったまげ。さすがにアメリカ映画。これぞ、映画!って感じ。3Dで1時間半程度の作品で、3人?程度の出演者しかいない。全く席を立てなかった。自宅で、テレビで見てもあの映画の醍醐味はわからないだろう。映画館の大画面でみたほうがいいし、テレビで途中でトイレ、お茶、なんてやっていたら、感動の度合いが違うと思う。終わってから、腰が痛くなってしまった、途中で息苦しくなったし、力んでばかりいたから疲労困憊。終わってから、ただ、一言、すごい!である。さすがに評論家支持率98%というのも納得できるし、私も当然ながら、座布団5枚持っていけ〜〜て感じ。久しぶりに、え〜〜〜い〜〜〜が、を鑑賞した。
 

 アルゴ:2012年のアカデミー賞受賞作品。

 AKI評価:☆☆☆☆☆

見よう見ようと思っていて、やっと見れた作品。若い人は知らないけど、イランで革命が起きたわけ。ホメイニという坊さんがカムバックしたのだけど、アメリカ大使館を民衆が襲って、人質50人以上が1年半近く、人質にとられた1979年の事件を題材にしている。当時、市場ではホメイニという名前が常に出てきていて、原油、金、為替、株と大きく動いたような記憶がある。それで6人の外交官の救出作戦をCIAが中心となって実施。当時はカーター大統領で、この救出劇は国家機密だった。それで、1997年?クリントンが機密解除したので、全てが明らかになった。映画は、よく当時1980年ごろの雰囲気を出している。ハラハラドキドキ。あんなの見たら、中東に旅するなんて考えられないね。つまらないコメントがあって、事実と異なる点が3−4か所あるとか言って、わざわざ触れているのがある。映画なんだから、興ざめでつまらんコメントを書くやつがいるものだ。座布団5枚。
 

 「決戦の大空へ」

ビデオが500本くらいあって、それをDVDに移し替えているのだけど、その過程で再度鑑賞することが多いのである。これは、私のお客さんから頂戴したものだ。1943年作品。つまり、昭和18年。山本提督が亡くなってから作成されている。海軍の少年航空兵などの物語だが、海軍省後援となっていて、つまり、軍のプロパガンダ映画ね。土浦の飛行場が出ている。あそこは、30年くらい昔に行ったことがある。当時のままの様子だった。兵学校だね。

この映画と以前取り上げたヒットラーの「意志の勝利」を比べると、やはりドイツのプロパガンダ映画の方が断然に優れいている。ただ、「決戦の大空」は情に訴えるというところがいかにも日本的である。私はこの映画を見ながらいろいろ考えていた。ご存知のように戦争物に私は詳しいわけであるが、見たり読んだりするたびに思う心が変わってくる。プロパガンダも理解する。軍事教育も理解する。開戦も理解する。だが、どうしても許せないのは、敗戦の決定のあまりの遅さ、つまり当時の日本の中枢部の人たちの事だね。最後の半年でいったい何万人死んだと思う?東京大空襲で終わりだよ。

そして、もっと腹立たしいのは、特攻だ。この映画を見てて、こういう若い連中の多くが無残な死に方をしたのだと思うと辛かったね。戦争だから、航空戦などで戦死するのは仕方がないことだと思う。だが、まともに飛べないような飛行機に乗せて、しかもパイロットとしての未熟な連中を、突っ込ませたなどふざけるなと言いたい。まともに米軍の艦隊に近寄れずに撃ち落されたらしいではないか。当時の特攻の決定した軍の上層部は許せない。以前こんな感情は持たなかったのだが、知識が増えれば増えるほど、怒りがつのってくる。あんなことをさせた日本海軍を私は今や卑下している。

 

 「ポチの告白」

友人が送ってくれたDVDをこれから見ないとならないのだが、この映画は知る人ぞ知るって感じでマスコミは皆避けているんだそうだ。だから皆知らない。説明が載っているけど、この監督、根性あるなあ。これは、襟を正して観賞せんとならないようだ。

DVDの紹介HP

 

 「シルミド」
「シルミド」という韓国映画を以前見たが、なかなか見ごたえのある映画だったね。朴大統領が金日成暗殺を目的とした特殊部隊だけど、朴大統領ならやるかもね、っていう感じがした。部隊は31人だが、刑務所にいる連中を徹底的に仕込んでいたね。訓練が3年4ヶ月というのだから半端じゃない。あまりの過酷な扱いに、ソウルに抗議に行ったが、全員射殺か死刑というすさまじいものだった。スパルタ式訓練のすごさに目を見張ったが、1968年当時の話だ。全てが明るみに出て映画が製作されたということだが、映画としても一級品だったと思うよ。
 

 隠し剣ー鬼の爪
うーむ。なかなか良かったね。たそがれより良かったと思う。主演の永瀬正敏というのがいい俳優だね。庄内弁もいい。あの方言は大好きだ。この年は「半落ち」が日本アカデミー賞を取ってしまったので仕方ないが、優秀作品だと思う。それにしても必殺仕掛け人的に家老を殺したが、あの剣の技もすごいね。
 

 硫黄島の手紙
うーーーーん。10代、20代、30代が見るべき映画。高齢層が多かったが、逆だね。若い奴ほど見るべきであって、高齢層は隣の007を見なきゃいかんとね。
 

硫黄島

硫黄島  
クリントイーストウッドですっかり有名になってしまったね。どこにあるのか聞かれて教える事が多い。たいした島ではないのだが戦略的拠点だからね。サイパンが絶対国防圏だったのもわかる。あの映画ふたつの間を縫って、テレビドラマの硫黄島、戦場の郵便配達が放映されたので見た。批評欄でセットと戦闘場面があまりにお粗末なのがもったいないと書いてあったが本当だった。ウルトラマンの頃の映像的だったね。それ以外はいい出来だったと思う。

日本の若者は、いまや学校で世界史や日本史を教えてもらえないそうだから、こんな機会に当時の事を知るのは良いと思う。別におじさん世代も歴史の教科書は明治ごろまでは一生懸命学ばされるが、昭和時代は、最後の授業の一回で終わりだったから、皆あまり知らないよ。私は思うのだよ。硫黄島にしても、サイパンにしても沖縄の戦いにしても、あんな状況で戦争を中止できなかった政府と軍部の中枢の能力をね。個人個人の上層部はそれなりの人たちだったのかも知れないけど、組織となるとどうして英断できなかったのかと思うね。沖縄や硫黄島などでの犠牲の多さに米政府は相当にショックを受けたようで本土進攻に慎重になり、原爆使用に踏み切ったという説もあるくらいだ。飛行機もパイロットも空母もないのに戦争継続するのは、もう日本全体、政府全体、軍部全体が麻痺か狂っていたんだろうね。そういうわけだから、政府なんてものは私は信用しないんだよ。
 

 駅馬車:西部劇の定番。ジョンフォードージョンウェイン。

 AKIの評価:布団4枚

西部劇のバイブルと言われるもの。古い映画で1939年作品である。昭和14年というのだから相当なものだ。古いが今でも楽しめる。インディアン差別がらみで上映がむずかしいとか、風と共に去りぬも黒人がらみで上映ができないと書かれていたが、時代の変化。と言ってもそういう背景は事実なのだから、バカみたいな杓子定規だ。今、昔の映画を見ると差別的な表現があるから云々ということわりがよく入っているが、あれもいただけない。そういう時代背景もあってそれなりの映画や小説が生まれているわけで、何も現代の定規に合わせる必要などないのだ。誰だろうね、そういう石頭連中は。
 

 「少年H]
映画をみた。原作は素晴らしい作品だったが、映像も悪くない。映像なりの良さがあったね。若い人たちに見てもらいたい作品だ。

 小さなおうち
小さなおうちを見た。山田監督が取り上げたかった気持ちはわかる。原作を越えることは、ほとんど無理だと思っていた。やはり、原作にはかなわなかった。原作は、そこまで恋に焦点を当ててなかったと思う。さりげなく、ちりばめられていた印象。あの本は、売れる前に読んで5枚進呈した作品だけど、原作を読んだ方が心に残る。映像の限界かな。

 永遠のゼロ
永遠のゼロは、良かったのだが、三回に分けたのが良くなかったと思う。せいぜい二回だね。テレビも映画も良かったが、これまた原作にはかなわない。本を読まない人が増えているらしいが、まあ、私から言わせれば、もったいないなと感じる。敢えて読めとは言わないけど、筆の力はやはり強い。
 

 「ハワイ・ミッドウェー大海空戦ー太平洋の嵐」
先日、「いずも」が出航したのを見て、昔見た映画をもう一度見たいと思って見た。今は亡き名優たちが多数出演している。艦船がお粗末に見えるのは、1960年の制作なので仕方ないだろう。1970年のトラトラトラはこの映画を参考にしているのがわかる。あの忌まわしいミッドウェー海戦は、まさに天罰とも言える大敗戦であるが、今でも人々に大いなる教訓を与え続けている戦いだが、多くの書物が刊行されている。57年前の映画にしては、よくできていると思う。
 

 「スポットライト」
2015年のアカデミー賞作品賞。見たいと思っていてツタヤにあったのでレンタルした。ボストングローブ紙とカソリック教会との戦い。多数の神父たちが悪さしているわけよ。子供への性的虐待。彼らは妻帯禁止なんだって?新聞記者魂を見せてくれた作品となった。事実に基づいて作られたもので、記者たちの勇気をたたえたい。非常に良い。座布団5枚。